一日目終了です
カンッカンッっと鉄を叩く音
炉からくる熱気
これだ。俺が求めていたものはここにあったんだ
…イベントのことなどアウトオブ眼中なユウです。
いつかのガンテツ式ブートキャンプの時にもらったチケットもとい紹介状を手に鍛冶職人のもとへ
「なんだい…関係者以外立ち入り禁止だよ…」
鍛冶職人さんはツルペタ合法ドワーフロリだった。女ドワーフまでヒゲが生えていなくてよかったと思います。はい。
そんなアホなことを考えているが取り繕って紹介状を渡す。アホ面でなかったかどうかだけが心配だ。あと紹介状が効力を発揮するのかという点か
「なんだい…兄さんの弟子か…こっち来な…」
その絶妙な間はなんなのか気になるが聞き逃せない部分があったぞ。
「ガンテツさんの…妹さん?」
いや、あまりにも容姿と性格が似ていないもんだから、ついそんな質問をしてしまった。
「まぁ…そうだけど…あの人とは…似てないよね…」
見るからに落ち込んだ⁉︎
励ましの言葉を見つけよう。
どうしてもこの人に教えてもらわねばならないことがあるんだ。絶対に。
ガンテツさんとの会話を思い出すんだ。
あの人はよく家族の自慢話をしていたから一つや二つくらい覚えてるだろ
「ガンテツさんは妹さんに鍛冶じゃもう負けるんじゃないかなぁて笑ってましたよ」
「そう…」
明らかに喜んでいる。なんだろうこの人。口数が少ないのに感情がここまで見えるのは驚きを隠せない。いや隠してはいるのだが。
ちなみにこの妹さんはガンテツさん曰く魔物素材と金属を融合させて鍛冶ができる数少ない魔鍛冶職人の一人なんだそうだ。魔剣職人とかの方がネームセンスいいと思うんだけどなぁ。
そんなわけで魔鍛冶を教えてもらおうと来たんだがイベント終わったらどうやって魔王の城下町に来ればいいのだろうか。まぁ後々聞くか。とりあえずは魔鍛冶習得が先だしな。
「そんなわけでカクカクシカジカで教えてください」
「カクカクシカジカ…わけわかんない。」
オーノー。カクカクシカジカじゃ伝わらなかったか。まぁ当然の結果だな。
「ガンテツさんから魔鍛冶を習得してこいと言われまして。そんなわけで魔鍛冶を教えてください」
「…いいよ」
「いいの?!いや秘密の製法だったり一族の秘伝だったりしないの?!」
「そうだけど…問題ない」
グッじゃない。親指立ててサムズアップしないの。秘密で一族の秘伝とか重すぎるわっ!
「あの人…鍛冶を極めたあと『俺は冒険の旅に出るぜぇ』って言って…魔鍛冶覚えずに飛び出して行ったの」
…ガンテツさん。何やってんだあんたは。
「だから…帰ったらあの人に…魔鍛冶教えてあげて」
そういうわけならオッケーなのか?
「あっはい。わかりました」
工房の中にはガンテツさんの工房では見かけない装置がいくつかあった
「これは…こう使うの」
「こんなかんじで…」
「こう…」
「…で完成」
正直に言おう
この妹さん。あ、ガンコクさんはかなり説明が下手だ。ああでこうでそんな感じっていう説明では理解が出来ない。その代わりに手元がよく見えるように配慮してくれていたので見て盗めというスタンスなんだろう。
「わかった?」
「もうあと何回か見て自分で打って見ればいけるかな」
「飲み込み早い…さすが兄の弟子…」
しかしなかなか品質が良い剣を作るな。
ガンテツさんと同じレベルではないけど少し劣るだけで魔物の素材を使ってるぶんこっちの剣の方が能力は高いだろうな
何回か見て工程がわかったので実際に打ってみる
失敗
失敗
失敗
成功
三回も失敗してようやくコツをつかんだ
魔物素材と鉱物を合わせるときに少し独特な打ち方をしないといけないのが苦労した
「魔力纏って叩くだけなのに…随分と手が込んだやり方をするね…」
え?魔力を纏って叩くだけ?
すいません魔力の纏い方がわからないんですが…
「むしろなぜそれでできるのか不思議…」
どうやら普通とは違う方法だったようだ。
だが魔力を纏うってのはロマンがあるし是非習得したい。というわけでそれも頼むことにした。
「すいません。魔力の纏い方がわからないので教えてください。」
「えっ?はぁ…兄さんはそんなことも教えてなかったんですね…」
「筋トレはしましたけど」
「あれ…やったんですか…」
「えぇ」
呆れられているんだが…ガンテツさん!何やらせたんですか!
心の中でガンテツさんへの怒りをぶちまけているとガングロじゃなくてガンコクさんに話かけられた
「あれに耐えられるなら多分耐えれますね」
ん?目元がキランッと光った気が…
なんだそのいいおもちゃを見るような目は
「耐えられる人がいなかったから…教えてなかったんですよ…」
耐えられる人がいない?一体何を…
※スキル 魔練術 を習得しました
スキル 魔鍛冶 を習得しました
スキル魔練術は魔力を練って纏う術
魔鍛冶は魔練術を使って鍛冶をするスキルだった
感想?死ぬかと思った
現にHPは残り一桁MPに至ってはゼロである
スタミナもゼロに近い
「魔闘術も…覚えたい?」
「今日は遠慮しておきます」
だがこれで前回のイベント素材を使って武器を作ることができるな…その前にグレードの低い素材を使って練習だな…
ポーションをぐびぐびと飲んでから
「ありがとうございました」
「明日も…来てね…」
気づけば空が赤く染まっていた
「帰ろう…やっと家に帰れるんだ」
「そこまで…辛くなかったでしょ」
「ねぇ。一瞬言い淀んだよね。ねぇ!」
「じゃ…また明日…」
「あっ逃げやがった…」
裏路地に入り俺たちの宿屋へ向かっていると
「おうにいちゃん」
「ちょっと俺たちに付き合わないか」
なんだこいつら
「すまない。用があって急いでいるんだ。またな。」
そう言って通り過ぎようすると銀色の光が見えたので後ろへ飛び去る
「おうおうなかなか反応が良いプレイヤーじゃねえか」
こいつらPKか…めんどくさいのに当たっちまったなぁ
敵は二人…いや屋根の上にもう二人だなっていうか屋根にどう登ったんだよ
手持ちの武器は石(小)が二つとオムライスの皿が7枚パフェのグラスが一つあとフライパンと鋼鉄製のフライ返しとおたま、あと鍋の大中小セットと蓋、あとキレアジが数匹
なんとかなるな
キレアジを手に持ち構える
キレアジってのは切れ味のいいアジだ
某モンスター○ンターの砥石がわりに使える魚を思い出すな
「ははっ魚で剣に対抗するのか?」
「お前、嘘だろ」
笑っているが確かにそうだ
ただのキレアジでは剣と鍔迫り合いするのが限界だし当たりどころが悪ければキレアジがおろされてしまうだろう
「死ねぇ」
男が剣を振ってくる
剣は粗末なものなのでいけると確信が持てた
キレアジに魔力を纏わせる
ただのキレアジは今、名刀キレアジに変わった
「ふんっ」
流線型のフォルムを持つ剣が男の剣に当たった
「「「えっ」」」
いや当たったのではなく名刀キレアジが敵の剣を切った。マジで名刀じゃん。
そんなわけで地上二人をアジで斬り倒し屋根の上の唖然としているプレイヤーを狙うことにした
まず石
軽く魔力を纏わせ投げる。体にも少し纏わせていたので結構なスピードが出た
「ぐわぁ」
どうやら足を貫通したらしく屋根から落ちた。
ゴキュっとおとがして
首がありえない角度に曲がっていたが消滅した
「バッ化け物めぇー」
そんなあなたに石をプレゼント
「ぐわぁ」
同様に落ちてくるが今回は脇腹に当たったらしく着地にも成功している
「このっ」
ナイフが三本飛んで来た。狙いは右足、左脇腹、首元とかなり正確なので感心する
左に移動ししゃがんでフライパンで左脇腹を狙ったナイフを弾く
カァアアンといい音が響いた
「フ、フライパンとかふざけてんのか」
こちらとしてはPKとかふざけてんのかと問いたいところだがPKには死あるのみだ
落ちたナイフを拾い投擲する
ナイフは貫通して石畳みに根元まで突き刺さった
「胸糞悪いな」
すっかり暗くなってしまったので俺は急ぐことにした
MPとスタミナを使うのが難点だが前衛としての不安が一つ減ったのはいいことだ
「遅い!早く夕食!」
「また投げつけてやろうか?」
「いえ、結構です」
「パフェ追加でー」
「お前は懲りてなかったようだな…」
「えっいやっ違っ今のはいつもの口調がっ」
「ほら喜べ魔力付きアイアンクローだ」
「いやぁああ。頭が割れるぅぅうう」
手を離すとパフェの時と同じ光景になっていた
手早くオムライスを出す
「「「「ええーまたオムライスー」」」」
「嫌なら食わなくてもいいよ?」
「「「食べさせていただきます」」」
「嫌っ、ユウ私はカレーがいい」
ガンッ
ちょっとリンを押したらオムライスに顔面を突っ込んでしまったなぁー(棒)
「予選どうだった?」
「なかなかレベル高かったよ」
こうして俺たちの一日目は終わった
「頭がぁああああ」
食事を頂くときは食材と作ってくれた人に感謝を




