自分の限界
~80
冒険者ギルドから出てカモメ亭に着いた俺に、
「いらっしゃーい、あっレッドさーん」
カモメ亭の看板娘のアイナが挨拶をしてくる、客が大勢いるのによく一人一人名前が憶えてられるな。
「よっアイナちゃん、ニコルたちは昨日ここに泊まったのか?」
「はいっ泊まってますよ?レッドさんが来たらここカモメ亭に泊まっていますって伝言も頼まれてましたし」
「そうなのか、で、みんなは今日は外に出てないの?」
「昨日飲みすぎたらしくってサラさんとニコル君以外二日酔い中だそうです」
俺はその言葉に溜息を吐きつつ。
「はぁ・・・まぁいいか、んじゃあ俺も今日部屋に泊まるから追加の料金と忙しいのに時間取らせたお詫びのチップだ」
といって一泊分の料金とチップ用の銅貨を一枚取り出す。
「いえ、今の時間はピークも過ぎたのでそんなに忙しくないですからチップはいらないですよ?・・・というかチップって何ですか?」
おおぅ、この世界にはチップというものはないのか・・・俺もよくわかってないから無いならそれでいいんだけどね。
「そうだな、日ごろからの感謝に安全祈願のお守りみたいなものだ、服の胸元にでも縫い付けておけばもしかしたら急所を守ってくれるかもしれないな」
「そう何ですか?では遠慮なく受け取っておきますね」
俺の口からのでまかせを聞き遠慮なく持っていくアイナ。
「それじゃ、ニコルたちのとこに行ってくる」
「はい、部屋はいつもの部屋を借りておりますのでそちらにお願いします」
といって俺に一礼したら仕事に戻るアイナを背に階段を上る。
いつも使っている304号室前に着くと軽くノックの後に声をかける。
「ニコル?俺だが中にいるか?」
「はい、どーぞ」
「おう」
とのやり取りの後に部屋に入る。
「昨日も大変だったみたいだな?」
扉をしかめながらそういうと。
「頭に響くので~もうちょっと小さな声で~」
とうめき声をあげるライカがいた・・・いつも俺が使ってるベッドに。
俺は何も言わずに再び扉を開いて部屋を出た。
「兄さん、なんでまた外に出たんですか?」
何故か追ってくるニコル、おいおい俺だって空気くらい読むぜ?
「いや、せっかくライカが頑張ったんなら邪魔しちゃ悪いかなって、いいんだぞ俺に気を使わなくても・・・」
「あの、なんでそんなにいじけてるんですか?ライカさんは今日どうせ看病されるなら僕にされたいと言われるので、申し訳なかったですけど兄さんのベッドを借りて看病してたんですよ?」
ちっリア充め!俺なんか洗脳した奴らくらいしか寄ってこんのに・・・泣きそうだ。
「そういや二日酔いって言えば雪鱗もか?」
「はい、雪鱗さんはドラゴニュートということでお酒に強いだろうと言われてコップに注がれたお酒を一気飲みしたらそのまま倒れてしまいまして・・・」
「なるほど、初めて飲む奴らにありがちなパターンか・・・」
自分の飲める酒の量がわかってないとよく起こるあれね、んで今日の二日酔いも初体験と。
「まいいや、それならライカ達にさらなる地獄を与えておくかな」
「え?」
「まずはニコル”ソウルブリーダー”」
不意打ち気味に”ソウルブリーダー”を使う、ニコルの驚く顔が久々でちょっとうれしい。
「いきなりダメですよ!人に見られたらどうするんですか・・・」
字面だけだとなんかBLっぽいやり取りを終え次は俺の寝床を不正に占拠しているライカに天誅じゃ。
「そんな便利な術持ってたんならもっと早く使ってほしかったわね」
サラが俺に文句を垂れる、俺も今さっき思いついたんだからしょうがないじゃないか・・・。
「錬金術師の奥義ともいえる”カスタマイズ”まで使えたなんて・・・でもあまり人体には使わないようにしてもらえるかしら?」
サラが注意をしてくる、まぁ禁忌らしいから人目のあるとこでは使えないよな。
「分かった、気をつける・・・でみんなの調子はどうだ?」
とりあえず体内に入ったアルコールなんかを”カスタマイズ”抜き取ったんだがニナやライカは以前”ソウルスキャン”で体の詳細データが”ライブラリ”にあったんで不純物の取り除きが簡単だったのだが、雪鱗はニナたちから取り除いた成分と同じものを取り出すという作業だった為何らかの不具合が出てないか訊いてみた。
「特に問題はないわね、全員今はゆっくり寝てるわ・・・あんな状態で魂の成長をさせるなんて酷いと思うんだけど・・・」
「どっちにしろ今日は安静にしてなきゃいけないなら何しても一緒だろ?」
自分で言ってて何かおかしい気もするが、まぁいい。
とりあえず明日まで安静にしてもらって明後日から行動を開始することにした。
その間、俺は暇なので適当に依頼を受けてくることになったのだが・・・それも明日だな。
翌日、カモメ亭に皆を残して冒険者ギルドへ。
「おはようノエルさんこれ受けたいんだけどいいかな?」
「こちらの依頼ですか?」
・ジャイアントクラブの討伐・・・ケイベル近くに生息しているジャイアントクラブの討伐をしてもらいたい、とにかく数を減らしたほうがいいので規定数を超えて討伐をすればその分上乗せして報酬を払います、規定討伐数3匹、討伐証明部位は左右のハサミできちんと根元があるもののみ数えるので注意してください・・・報酬2100ナル+超過討伐数で加算
そう浜蟹の討伐だ。
浜に到着してしばらく。
「ふむ、こんなもんかな?」
と呟く俺の目の前にはおびただしい数の、というには数えられる数なのでそれほどでもないのだが数えて30で止めておいたので30体?この場合束だっけな?
まぁいいや約30束ほどのジャイアントクラブの残骸が散らばっている。
「さてハサミを回収してあとは実験にまわすかね」
と呟き綺麗に切り離してあるハサミを回収していく。
「よし、後は一か所に集めてッと」
独り言をつぶやかせながら作業を続ける。
カニの残骸、正確にはカニの甲殻に用があるので一か所に集める。
ある程度集まると甲殻を無造作につかみ腕に当てて丁度いい大きさの物をいくつか選ぶ。
複数個選び終えるとカニの殻に手を突っ込み、
「”カスタマイズ”」
と呟き殻の形を変えてゆく、そして殻は腕と同化していった。
「これでこの腕の強度は見た目や肌触りなんかは人のもの、丈夫さはここらのカニの外骨格ほどになったと。柔らかさなんかは普段は人のまんまだが、任意で硬化できるようになった・・・これならイチイチ腕に重ねて融合させる意味ないな、纏めて”カスタマイズ”」
目の前に積み上げたカニの甲殻とファルシオンの仮初の肉体を対象に改造を始める・・・それを見ていた者に気づく事なく。
「こんなもんかな?とりあえず”ソウルスキャン”」
ブレド・ファルシオン
SP --/300/239
MP 239
因みにカニの平均SPは70/60/60だった。
殻を体に取り込んだだけでカニの約1/3も最大SPが上がってしまった。
最大SPが上がっても現在値が上がるわけじゃないからか、この体には今までに感じなかった妙な重さがある。
というわけで、”ソウルブリーダー”で手っ取り早くSPの補充をする。
補充は急激にできるのに加算は少しずつしかできないのはもうわかっていることだが簡単に説明すると。
1リットルのコップに水を1リットル入れてある状態が最大SPと現在地SPが一緒の数位の状態である。
入ってる水が足りなければ器を満たすまでなら水を入れられるが、水がいっぱいの時に水を入れたら零れる。
だが表面張力でギリギリまで水を入れると1リットルを超えて入れられる・・・少しだけだけどね。
そしてコップはではそこで終わりだが魂の器、肉体はギリギリまで入ったSPが零れなくなるように成長する・・・限界を越え零れたら体が異常な変化を起こすのだが。
つまり補充と加算の扱いの違いは足りなければ限界まで入れられるが限界は越えられないからってとこにある・・・そして1リットルのコップってでかすぎる気がする。
「補充完了!ふむ、ちゃんと動くようだな?」
腕をまわしその場で軽く足踏みをして確認していると。
「興味深いことをしていたようだが・・・君は何者だね?それだけの錬金の技術、君の見た目通りの歳では到底たどり着けまい?」
と声をかけられたので慌てて背後の声がした方に振り替える、相変わらず敵意を持つ者にしか”サーチレーダー”が反応しないことに舌打ちしつつそいつを確認してみる。
そいつはフード付きの灰色のマントで全身をまとい、フードを目深にかぶり顔には布を巻いて顔は認識できなくしている、目の色は黒目のために特徴らしい特徴としては弱い。
「もう一度聞こうか?君は何者だね?この辺りで研究していたのかね?」
質問増えてない?って内心突っ込みを入れつつ。
「俺が何者でもあんたには関係ないんじゃないか?」
と質問に質問で返す。
「そうもいかん事情が今しがたできてね。君は”カスタマイズ”を人体にかけることが禁忌にあたる行為だと認識しとるのかね?」
「それが?俺にお前らの価値観を押し付けるなよ」
やっばい、そういや”カスタマイズ”見られたらまずいんだっけか?
「その返答・・・やはり見逃すわけにはいかんようだな、仕方あるまい」
といってそいつはマントを開き腰に差していた刀に手を当て一瞬で間合いを詰めてくる・・・早い!?
「その首・・・いただく!」
「くそ!」
首が切り飛ばされるイメージが浮かびとっさに後ろに跳び倒れる。
「ほう、よく躱せたものだな」
俺は目を見開いていた・・・。
「その武器・・・」
今こいつには3つの驚きを感じている、1つは距離を詰められたあの速さまんまと間合いを詰められた、2つ目はあの剣技、鞘から剣がぬけた瞬間が見えなかった、3つ目は・・・。
「日本刀!」
「ほう、これを知っているのか」
俺の驚きに感心したかのようなつぶやきを返す襲撃者・・・呼びにくいな。
「あんた何もんだよ?」
「死にゆくものにはいらぬ情報だろう?」
こちらの体勢が整うのも待たずに襲撃者は追い打ちをかけてくる、俺は足元に魔力の塊を叩きつけて足元の砂浜の砂をあたりに吹き飛ばした。
「小癪な真似を!」
襲撃者が一瞬視界を妨げられて愚痴を漏らす、ははっざまぁ。
その隙をついて俺は立ち上がりファルシオンを鞘に納めてカニのハサミを一つ取り出す。
「なにを?」
「”カスタマイズ”」
俺はカニのハサミを片刃のロングソード・・・太刀に作り替えて構える、鉄より軽くて丈夫だから武器としてはいい線いくんじゃないかな?
「一瞬でそのような武器まで・・・やはり貴様は危険な存在だな、ここで仕留めねば大きな災いとなる」
そういうと襲撃者は刀を鞘に納め腰を落として構える、またさっきのが来るんだろう。
「先に聞いておこうか、なぜそっちの魔剣を使わない?」
なんか質問された、こっちの質問は吐き捨てたくせにずうずうしい奴だな。
「こいつを使うとせっかくの楽しい時間がすぐ終わっちまうからさ」
俺は優しいから質問には答えるよ。
「舐めてるのか?」
「うんにゃ?本心、一瞬とはいえここまでヒヤッとしたのは、ここにきてから初めてだろうからな」
実際ファルシオンを使えば一瞬で終わる、殺そうと思えばいつでも殺せる、こいつは既に俺の攻撃範囲からは逃げられないからな。
「まぁここから一方的な展開にならないよう手加減して遊んでやるから・・・お前は死力を尽くして俺を楽しませろ」
「傲岸不遜なやからめ!」
「お前は日本人じゃないよね?」
四字熟語が言えるってこの世界の住人じゃないのか?
「貴様は何者だ、なぜこの言葉に反応するのだ?この言葉はかつて勇者が残した言葉の一つだぞ?」
あー勇者の持ち込みか、てことはあの日本刀もそうなんだろうな、と考えていたら目の前に襲撃者が迫っていた、またかよ!
「ちっ!」
バキャン!
「むっ!」
俺はとっさにカニ太刀で受け止める、よかった漫画みたいにスパって斬られなくて。
「止められたか・・・初見で回避された時は偶然と思って2度めを放ったがどうやら口だけではないようだな」
「その動き、どうなってる?」
いまだに目で見ても理解できない襲撃者の動きに素直に質問してみる、分からないときには訊く!大事なことだ。
「死にゆく貴様にいうことではない」
言葉のボールも簡単に斬り捨てていく襲撃者、キャッチボールしようぜ。
などのやり取りの間にも数号の打ち合いをしてお互いに後ろに跳び距離を取る。
あちらの得物の方が一回り短い分小回りがきいている為、こっちの方は切り傷だらけだ。
距離が開けたためここからはリーチの長い俺のターンってところかな?
「やれやれ、要約こっちの番かね」
「いや、貴様にそんな余裕は与えん」
いつの間にか目の前に出現する襲撃者、まぁもう慣れたから抜刀される前に対処をしようとした時に違和感を感じ武器を盾にしながら後ろに跳び下がる。
瞬間ワンテンポ早く抜刀された日本刀がカニ太刀の受けた場所を切り飛ばした。
今の斬撃には密度の高い魔力が込めてあったため普通じゃないと見抜けたが厄介だな。
「これも躱されたか、だがその武器でどこまで持つかな?」
と俺の持つ、真ん中からポッキリ逝っちゃったカニ太刀をあざ笑うので。
「”カスタマイズ”」
「ぬ!」
袋からもう1個ハサミを出して太刀を作り直す、さっきより少しだけだが硬く重い。
「さて、カニ太刀の有用性が分かった所でそろそろおしまいにしておくかね?」
そうつぶやきカニ太刀を襲撃者にぶん投げる。
「なに!」
慌てた襲撃者はほんの少しだけ隙を見せる、十分すぎる隙を。
飛んできた太刀を思わず刀で跳ね返した襲撃者に襲撃者がしていた方法とは異なるだろうけど自分なりにアレンジした”いきなり目の前”移動法をしてみた。
といっても魔力で氷を作り半径5メートル範囲にスケート場を創り上げ背中にダメージがギリギリ入らないくらいの魔力の爆発を用いた手法なので効率も悪いし。
「とどめ!って止まらない!」
滑って攻撃どころじゃなくなってただのタックル・・・というか衝突事故が起きた。
「ダメだこれ、解除解除!」
事故に巻き込んだ襲撃者と無駄に滑りながら氷のフィールドを解除する。
「貴様!これほどの魔力を持ちながらなぜ悪に走る!」
襲撃者が俺の下でなんか喚いてる、悪に走った覚えは無いけどな?
「何をきょとんとしている!命を弄ぶようなことをしてきたんだろう!」
何を根拠にそんな失礼なことを言いますかね、こいつは?
「”カスタマイズ”を生身の体に使用することに躊躇がなかったのが証拠だ!常日頃から命に対する考え方が分かろうものだ!」
そんなもんなのか?まぁ実験といって蟻をつぶす感覚でいろいろやってたしそれのことを言ってんだろうね。
「やはり!心当たりがあるようだな・・・貴様!」
さて、こいつは俺に抑えられているため身動きできなくなっている、なんせこの体ってば重力操ってるから忘れられがちだけど60人分の重さがあるからね、しかも今はカニの甲羅の重さもプラス中だ。
体も硬質化してあるから変なツボとか押されても大丈夫だろうし。
さてと、どう料理してやるかね?んーまずは。
「死にたくないなら命乞いをしろ」
「ふざけるな!」
組み伏している襲撃者をとりあえずからかってみる、こいつの技術は貴重だから逃がさないつもりなのに命乞いさせてみようと思ったが・・・ダメっぽい。
まぁいいか、因みに今の状態は襲撃者の右手左手を俺の両膝の裏でがっちり挟んで俺の尻をこいつの足の付け根に乗せて身動きを獲れなくしてある。
まぁどうでもいい話だが見方によっちゃラブラブな体勢だ、どうでもいいけど。
「さて質問してやるから答えるようにな」
「だれが!」
「全く・・・人と話すときには顔を見せなさい!」
大人が子供を叱るようなテンションで顔を覆っていた者を剥いでいく。
「こういう時はお約束として美少女って展開を期待していたんだがな~」
布の下には口が耳まで裂け唇の場所まで糸っぽいので縫い合わせ耳鼻はそぎ落とされた見るに堪えない顔があった。
「整形失敗したの?」
「きさま!」
おう!めっちゃ怒ってきた。なんで?
「んじゃあ質問に答えるたんびに顔治してあげようか?」
「舐めるなよ!」
「舐めるか!そんな気持ち悪い顔!」
反射的に酷い事言った気もするけど・・・まぁ本心だからいいかな?こいつも結構傷ついたのか黙り込んだ、絶句してるともいう。
なんかこいつにも飽きてきたのでさっさと終わらせることにした、腰のファルシオンを抜き、近くに落ちてたカニの残骸を拾う。
んで近くに投げる。
バギンッ
カニが現れた!
「どういうつもりだ!」
「こういうつもり」
と俺はファルシオンをこちらの向かってこようとしていたカニに向けて。
「よく見てろ”メニードル”」
無数の棘がノータイムでカニを貫いていく・・・いやこいつからしてみれば貫いていたか。
「・・・」
「さらに”オールイーター”」
カニの体が掻き消える、まるで剣に吸い込まれていく様に・・・ってこいつの目には映ってるはず。
「さて、お前の名前は?」
「地獄に落ちろ」
・・・強情な奴だ事、まぁいいか。
「そうか・・・じゃあ冥土の土産に俺の秘密を教えてやるよ」
「なに?」
襲撃者が驚く。
「この剣は相手の記憶を俺に教えてくれる」
「馬鹿にして!」
「まぁ信じられないよな、俺も信じたくなかった時期もあったし・・・じゃあな”オールイーター”」
元の片手剣に戻っていたファルシオンを肩に軽く刺し”オールイーター”を使う。
これでこいつの情報も閲覧可能になるはずだ。
さてと、まずはあの不可解な移動術から習得してみるかな?
その後、日が落ちるまで練習してみたがうまくいかなかった、どうにもやり方に頭がついていけない感じなんだよね?
日本刀の居合術も同じで理屈は分からんでもないけど理解ができないのか体の動かし方のイメージが沸かない感じでうまくいかない。
どうやら手にした情報や技なんかは俺の理解力次第みたいだな、今更感があるけど。
ふむ、それにしても今回俺を襲撃した奴はどうにも面倒ごとを持ち込んでくれたらしい。
襲撃者の所属していた組織が”魔術倫理委員会”とか言う組織で、万能でほぼ何でもできる魔法ですが人としてやっていいこととやっちゃだめなことがありますよ?ってことを取り締まる組織らしい。
しかもあいつは此処に二人で着ていた・・・。
全く、面倒なことだな・・・。




