表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬼哭の湊  作者: 無暗道人
第一章
1/22

1

 そういつはもう薄暗くなると言うのにサングラスを外そうともせず、こちらを見ているのかどうかさえ分からないまま着いて来た。

 そのくせ着ている物は派手を通り越して、けばけばしい柄物だった。

 見たところ二十代の半ばと言ったところだろうか、粋がりたい出遅れは珍しく無いご時世だが、そういう格好が馬鹿馬鹿しいという事が、いい加減分かってもいい歳だろう。


「その店ってのはまだなのかよ」

「もうすぐだ」

「言っとくが、酒奢られて程度じゃ誤魔化されねえからな」


 言いながら火の点いた煙草を遠慮なく道端に捨てる。こちらが無視したら放火でもするつもりだったのか。

 狭い空き地に出た。廃屋に囲まれた路地裏のどん詰まりで、人目を避けるには丁度良い。


「なんだよ、ここは」

「お前をもてなす店だよ」


 テメェ、と男が狂暴な声を上げた。無視して空地の奥まで進み、廃屋の壁にもたれかかる。


「殺されてえのか」


 男がさっき火を点けたばかりの煙草を吐き捨てて吠える。風の具合で、煙草の煙がこちらに流れてきた。

 名も知らない安物の煙草。昔の仲間が良く吸っていた。自分は息が切れるからと吸わず、酒や甘い物と交換していた。

 男が小石を蹴飛ばしてきた。頭の少し右に当たり、壁が音を立てる。つまらない脅しだ。それでもこちらが動じないのを見ると、ポケットから小さなナイフを取り出した。


「素人だからって容赦しねえぞ」


 いいかげん嫌になってきた。壁にもたれていた体を起こす。ゆっくりと歩いて近づいて行った。真正面から数える様に一歩、二歩。

 三歩踏み出したところで男がナイフを突きだしてきた。切っ先が届くより先に、脛を蹴りつける。男がもんどりを打って倒れた。

 倒れた男の胸倉を掴んで起こし、鼻柱に一発。鼻血が噴き出した。

 まだだ、地を突いている右手の甲の上に片足立ちをして、数えながら回る。男が悲鳴を上げた。根性無しめ、せいぜい皮がむける位だろうに。

 やっているうちに怒りが込み上げてきた。近頃さんざん嫌がらせを繰り返してきた相手を捕まえてみれば、こんな腰抜けか。それが無性に腹立たしくなってきた。

 ナイフが落ちている事に気付いた。最初に脛を蹴っ飛ばした時、落としたのだろう。拾い上げると、リンゴを割るにも足りなそうな、小さなナイフだった。


「まるでおもちゃだな。ガキが粋がるには丁度いいか」


 ナイフを男の顔の前で弄ぶ。ガキと言ったが、自分の方が年下だろう。


「良く覚えておきな。掌に収まる様なちゃちな刃物じゃ、帰還兵は殺せねえよ」


 ナイフをしっかり握り、男の左手に突き立てた。喉の奥から長い悲鳴が絞り出される。


「それで、誰に頼まれた?」

「知らねえ」


 腹に蹴りを入れた。


「う、嘘じゃねえ。本当に知らねえんだ」


 多分、本当に知らないのだろう。金さえもらえれば、依頼主が誰かなどという、びた一文にもならない事は気にしないのだろう。

 昆虫の標本の様に左手を貫いたナイフの尻に足を乗せたまま、持ち物を調べた。煙草、燐寸(マッチ)、小銭、大した物は持っていない。

 ズボンの後ろポケットの中に、小さなバッジが入っていた。子供のおもちゃではない、金属に彫りを入れた、身分証の様なものだ。

 バッジを自分のポケットに入れた。男はもう小さく呻くだけだ。一瞥(いちべつ)もくれずに、空き地を後にした。


 朝日が良く差し込んでくる事だけが、この安ホテルの良い所だった。おかげでこの四年間、寝坊をした事が無い。

 起きてすぐ河上(かわかみ)義介(よしすけ)は時間を確認した。いつも通りの朝七時である事を確かめると、歯を磨き、身支度を整えて、コップ二杯の水を飲んで部屋を後にした。

 片づけをしなくても、帰ってくる頃にはきれいに片づけられ、シーツも新しくなっているのがホテル住まいの良い所だ。

 十分歩いて公衆浴場で朝風呂を浴びる。ホテルの部屋にもバスルームはあるが、風呂に入る目的で使った事は無い。

 毎日通ううちに顔なじみとなった年寄りたちとあいさつを交わして、たっぷり十五分湯船につかる。長湯な方だろう。

 その後、近くの定食屋で朝飯を食う。ホテルの食事よりはいくらかマシだ。だがどちらかと言えば、この道筋がそのまま出勤になるから都合が良いと言うだけの事だ。

 事務所は港から少し離れた倉庫街の一角にある。一階が倉庫で、二階が事務所と言う造りだ。他に借りている倉庫が二つある。


「おはようございます。社長」

「おはよう」


 部屋二つの事務所に四人の社員。それが河上商会の本社だ。小さな会社だが、身一つで始めた頃からすると、よくぞここまで育ったものだとも思う。

 今日は休み明けなので、専務の前原(まえばら)が海外取引の決済に追われている。奥の自分の机にも、決済しなければならない書類が少々積み上がっていた。


「社長、この間のチンピラは、あの後どうなりました?」


 社員の小松(こまつ)が、茶を持ってきながら休み前に現れたチンピラの事を聞いてきた。

 一ヶ月と少し前から、河上商会には嫌がらせが続いていた。壁に落書きがされ、謂れの無い誹謗中傷を書いた紙が大量に貼り付けられ、着払いでゴミが送り付けられた。

 それ位ならまだいいが、事務所の中が荒らされていた事もあった。その時はさすがに警察を呼んだが、無くなった物は無く、ただ散らかされただけだった。

 そして休み前に、チンピラが事務所の周りでこれ見よがしに火の点いた煙草を捨てていた。


「良く話し合って、お引き取り願ったよ。もう嫌がらせは無いだろう」

「やったんですか?」

「馬鹿言うない。あんまり騒ぎが大きくなったら向こうも困るんだから、小遣い稼ぎならこの辺にしておけと言って、お年玉をくれてやったのよ」


 小遣い稼ぎ目的と言うのは本当だろう。頼まれて嫌がらせをやるチンピラは珍しくない。問題は誰に頼まれたかだ。


「ちょっとした金が目的だったんですか?」

「他に、うちがあんな奴に目を付けられる理由が無いだろう。小さな会社だから手頃な獲物だと思って、金をせびりに来たのさ。

 適当に満足させて、あんまり調子乗るとこっちも本気出すぞと言っておけばいいのさ」

「そんなもんですかね」


 それで興味を失ったのか、小松は仕事に戻った。


 昼休みになったので、昼飯を食いに外に出た。

 切りが悪いのが気に食わず、いつまでも書類とにらめっこをしていたせいで、どこも込み合っていて待たされそうだった。

 飯を食える店を探して街を歩きながら、この街もずいぶんと復興したものだと思う。

 五年前、この湾来(わんらい)の街は焼け野原だった。いや、世界中どこもそんな有様だった。ずっと戦争をしていたのだ。

 ほとんど義介が生まれる頃に点いた小さな戦争の火は、十年経っても収まるどころか広がり続け、ついに世界中で戦争をする様になった。

 戦争に無関係な人間などいない時代が訪れた。無論、義介も無関係ではいられなかった。

 義介が十四の時に父は死んだ。母はそれより早く、七つの時に死んでいた。母が死んで以来、父は働きもせずに酒びたりだった。

 家は借家で、家賃が払えなくなって追い出された。他に行き場も無く、軍に志願した。と言っても十四歳では正規兵にはなれず、非正規の義勇兵の募集に応じた。

 そこでも流石に渋られたが、募集に応じて集まった年上の連中を一人残らず叩きのめして認めさせた。母が死んで以来、寂しさを紛らわす様に木刀を振って鍛えていたのが役に立った。

 そうして自分は灼熱の修羅場に飛び込んだ。銃砲弾が飛び交う中、剣一本で頭角を現し、いつしか紅夜叉(べにやしゃ)の異名がついていた。

 返り血で真っ赤に染まった姿と、鬼神の如き戦果を挙げた事からそう呼ばれるようになったのだが、あの頃はちょっと目立つ戦果を挙げれば、すぐに異名持ちの英雄扱いにされた。

 戦意高揚の為だろうが、おかげでどこもかしこも異名持ちだらけだった。

 そんな戦争も五年前に終わった。義介は十八になっていた。どこも限界になって、敵への憎悪よりも厭戦気分の方が勝ったのだ。残った物は、焼け跡の瓦礫だけだった。

 それでも皆生きて行かねばならない。闇市が雨後の筍の様に方々に現れて、必要な物を融通し合った。

 貿易を考えたのは、国内で必要な物を融通するなら、海外とも融通すればいいと言う単純な発想だった。

 友軍、捕虜、外国の知り合いは多かった。元敵とも今は戦う理由は無い。困っているのはどこも同じだった。

 一年程準備に駆け回り、国内有数の貿易港だった湾来の街で、小さな会社を興した。貿易会社なんて大層な物とは思っていなかったが、今では小さいながらもしっかり利益を上げる会社になっていた。

 かつての戦友も、生きている者はそれぞれに生きている。軍に残った者も居るが、戦争が終わった以上、仕事の無い軍人を養っては居られないと、追い出される様に退役した者が多い。

 少々名が通っていた者は、政治家に転身した者が多い。自ら意欲を以って転身した者も居るが、担ぎ上げられる様に政治家にさせられた者も少なくなかった。

 どちらにせよ、今も政治家でいる者は多くない。大抵は飾り物で、かつての勇名が風化するとともに消えて行った。つまらないスキャンダルで失脚した者も多い。

 自分の様に商売を始めた者も多かったが、大成したと言う話はあまり聞かない。こちらもいつの間にか潰れていて、行方知れずとなった者も居る。

 いずれにせよ、かつて命を懸けて戦った事は、今や何の役にも立たない世の中になった。平和な時代に適応できず、戦場を懐かしく思う者も少なくない。

 義介もその思いが無い訳では無かった。比較的成功し、戦後世界に適応した方だとは思うが、それでも時々戦場の事を思い出す。

 だが思い出すたびに、記憶が徐々に色褪せて行くのを感じる。

 二十三になった今、あの頃も遠い思い出になりつつある。今の自分は紅夜叉の異名を取った少年兵ではなく、貿易会社河上商会社長の河上義介なのだ。


 一日の終わりに戸締りを確かめ、最後に裏口から出るのが河上の日課と言って良い物だった。

 戸締りをしながら、やはり事務所の中を荒らしたのは、あのチンピラではないと言う気がした。あいつなら、もっと荒っぽく鍵を壊して入りそうなものだ。

裏口を出たところに、その男は待っていた。


「河上義介さんですね。」

「そうだ。来るだろうとは思っていたが、早かったな」


 三十かその少し前だろうその男は、きちんとしたグレーのスーツを着ていて、一見すれば普通の会社員に見える。


「その口ぶりじゃ、俺が何者かもすでにご存じの様ですね。木島(きじま)ってもんです」


 襟に、チンピラから奪ったものと同じバッジを着けている。


「知らんよ、お前なんか。だが職業の見当は付く」


 右足を半歩下げて、蹴りでも踏み込みでもできるように構える。


「いや誤解しないでいただきたい。仕返しに来た訳じゃねえんです。むしろ、弟分の不始末を詫びに来たんです。あの野郎、つまらねえ事しやがって」

「別に、詫びてもらう事はねえよ。不始末のツケはもう着いてんだから。最近は、ああいう粋がった連中が増えて大変だろう」


 戦争が終わり、戦場に出そこなった若くて血の気の多い連中には、あんな風にやたら威勢だけ良い奴らが多い。

 少し上の、最後の戦場を知っている世代に負けたくないと言う思いと、戦場での武勲に夢を見ていたのが、覚めないまま大人になった幼稚な見栄をこねくり合わせてできた、いびつでハリボテの強い男気取りだ。

 だが皮一枚向けば、根性無しだ。その根性無しが、まさか相手が異名持ちの元少年兵だとは知らず喧嘩を売って、見事に返り討ちに有った。これで少しは目が覚めるだろう。


「しかし、バッジまで取って行ったのはやりすぎでしょう。俺らにしてみれば、男の証明みたいなもんだ」

「そのバッジを、あんたの弟分は隠して喧嘩を売ってきた。だからいただいても文句は無いだろうと思ってね」

「返してくれやしませんか」

「嫌だと言ったら?」

「その時は、俺は大人しく引き下がる訳にはいかなくなります」


 丁寧な物言いだが、獣の眼をしていた。はっきりと、同類の臭いを感じ取った。


「冗談だよ。こっちは殺し合いからはもう足を洗ったんだ。小さいとは言え会社の社長が、そんな馬鹿な真似はしないさ」


 そう言ってバッジを弾いた。木島がそれを掴みとり、確かめる。


「ご迷惑をおかけしました」

「もしまたこんな事が有ったら、そのときはどうする気だい?」

「そんときは、この首を差し上げますよ。汚ねえ首ですが」


 用件は済んだ。河上は何も言わずに帰路に着いた。木島と言う男もまた、夜の闇に消えて行った。

 返したあのバッジは、ヴルムという新興犯罪組織の物だった。武器や麻薬な密売などをしている組織だ。その下っ端がへまをやり、兄貴分が詫びに来た。そういう事だ。

 バッジを隠していた理由も、なんとなく分かる。湾来には後藤組(ごとうぐみ)と言う老舗の組織が有って、この辺りはどちらかと言えば後藤組の縄張りなのだ。

 そしてヴルムと後藤組は対立関係にある。敵対組織の縄張りでもめ事を起こすと面倒なので、身元を隠したと言うところだろう。

 勢力的にも新興のヴルムは、後藤組に頭を押さえられて半分程度の構成員を持つのが精一杯だと聞く。

 正面切って抗争ができる力が無いから、不用意に刺激はしたくないのだろう。その程度の事はあのチンピラにも分かったようだ。

 だがそんな事はもうどうでもいい。問題は何処の誰が何の目的で、執拗な嫌がらせを仕掛けて来たのかという事だ。

 そいつを引っ張り出すまで、嫌がらせに弱り果てているふりをするべきだったかと、今更のように思う。

 いや、そう言えば二か月ほど前に、岡田(おかだ)と言う男が会社を売ってくれないかと言ってきた。相場に二割上乗せるとも言っていた。

 大金を得たところで、その金が尽きた時に新しい職があるとは限らないので断った。思えば嫌がらせが始まったのは、その少し後の事だ。

 ならば岡田の差し金か。しかしあの男は、小さな賭場のオーナーだ。無許可の賭場だが、小遣いの様な少額しか賭けられないので、黙認されている様な店だ。

 つまり、気が小さいのだ。それに、うちを買収できるような金を持っているとも思えない。

 どうにもはっきりしない。まだまだ裏があると言うのだけは間違いなく、それをどうにかしない限り、また同じような事が起こらないとも限らない。

 要は、黙ってやられたくなければ、自分で始末をつけるしかないという事だ。事件にはなっていないので、警察は動いてくれないだろうし、そもそも当てにしていない。


「河上さん、良い所で会った」


 微妙に酔った声がした。思わず顔をしかめたが、暗がりでは気付かなかったのか、その男は遠慮なくこっちへ来る。


「今夜一杯やろう。嫌とは言わせんぞ、さあ」


 有無を言わせず腕を掴んで引っ張られる。武市(たけち)は雑貨屋の主人だが、このあたり一帯の顔役と言ったところだ。

 なぜか最近、妙にしつこく遊びに誘ってくる。鬱陶(うっとう)しいので断る様にしているが、三回に一回は断り切れずに付き合う羽目になる。

 小さなクラブに入った。武市のお気に入りの店なのか、大抵ここに連れて行かれる。


「また来てくれたのね」


 恵美(えみ)が隣に座った。初めて来たときに、適当に一番若い子に相手を頼んだら来たのが恵美だった。おそらくまだ二十歳にもなっていない。


「武市のおっさんに引っ張られたんだ。お前に会いに来た訳じゃない」

「でも私を指名したじゃない」

「初対面の女に酌をしてもらうのも落ち着かないってだけだ。武市さんは女に囲まれてりゃ満足の様だけど」

「いつものウイスキーでいいの?」

「分かってきたじゃねえか」


 安く買っても一番高い紙幣で、ボトル二本しか買えないような酒だ。好きだからと言うより、会社で扱っているので良く知っていると言う理由で飲む。強い酒が好きだった。

 武市の方は、勧められるままに何でも飲むと言う感じだった。女の子たちにとってはいい金蔓(かねづる)だろう。飲むほどに騒がしくなる。


「河上さんは騒がしいのは嫌い?」

「別に嫌いじゃねえさ、ただ明日も仕事があるってだけだ」


 どちらかと言えば、飲むと陽気になる性質だと思っている。しかしそれは、気の置けない仲間と居る時の話だ。居て楽しくない人間と一緒に酒を飲んだところで、騒ぐ気にはならない。


「明日も仕事なのは、武市さんも同じだと思うけど」

「後先考えて無いだけだろう。俺よりずっといい歳してな」


 受け答えをするのも煩わしくなってきた。グラスのウイスキーを呷る。

 こっちは嫌がらせの裏に何があるのか、会社を守るためにそれを探らなきゃならないと言うのに、つまらない馬鹿騒ぎに巻き込みやがって。

 恵美も同じだ。それが仕事とはいえ、人の気も知らず、いい気なものだ。グラスにウイスキーを自分で注ぎ、一気に呷る。味も何も分からない。


「ちょっと、そんな飲み方して大丈夫?」

「問題無い。これで仕舞いだからな。勘定は全部武市さんが持つ。それで良いよな、武市さん?」


 すっかり酔いのまわった武市が、訳も分からずにいいよいいよと言っている。


「だってさ。俺は先に帰らせてもらう」

「また、来てくれる?」


 媚びる様な、甘える様な声でそう訊ねてくる。チラと顔を見て、手を振った。

 店を出て、しばらく立ち尽くした。飲む前に何を考えていたのか、良く分からない。自分で思っている以上に酔った様だ。

 仕方が無いのでホテルに帰る事にする。いや、その前に夜風に当たって少し酔いを醒まそうと思い、歩き出した。

 涼しい風が吹いて来て、火照った頬を撫でた。ふと思い出して、ポケットの中を探る。

 キーホルダーを取り出して、着けている鈴を鳴らした。少し錆びた、チリンと言うには低い、懐かしい音が鳴った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ