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マイナーゲーム世界で人生を切り拓く〜気がつけばそこは、誰も知らないドマイナーソシャゲの世界でした〜  作者: 潟湖
ラグーン学園三年生二学期

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1686/1784

第1686話 両者必死の攻防

 事態が動いたのは、レオニス達がラグナ宮殿でラグナ大公と謁見した日の夜。

 ダリオ・サンチェスが住むラグナロッツァの屋敷の地下に、無許可の転移門があることが発覚したのだ。


 その転移門を見つけたのは、闇の中級精霊。

 現時点で唯一確実に分かっているのは、ダリオ・サンチェスの屋敷の位置。

 そこを精霊達に調べてもらうべく教えたところ、早速その日の夜に闇の中級精霊がカタポレンの家を訪れた。


 時刻は夜の八時半を少し過ぎた頃。

 窓をコン、コン、と軽く叩く音に、一番最初に気づいたのはライトだった。

 闇の中級精霊が訪れたのは、ライトの部屋にある窓だったからだ。


 晩御飯を食べた後、ライトが自室で予習をしている時に窓をノックする音に気づいた。

 ン? 何の音だ? と思いつつ窓を見遣ると、窓の外に闇の中級精霊がいるのが見えた。

 ライトは急いで窓を開けて、闇の中級精霊を家の中に招き入れた。


「あ、闇の精霊さん!こんばんは!どうしたの?」

『レオニスニ、伝エタイ、コトガ、アルノ』

「レオ兄ちゃんに伝言? ちょっと待っててね、今すぐレオ兄ちゃんをここに呼んでくるから!」

『ウン、待ッテル』


 闇の中級精霊の言葉に、ライトはすぐにレオニスの書斎に駆け出した。

 きっと例の事件の調査のことだ!とライトもすぐに気づいたからだ。

 そうしてしばらくして、ライトがレオニスを連れて自室に戻ってきた。

 闇の中級精霊を見たレオニスが、早速とばかりに声をかけた。


「闇の精霊、何かあったのか?」

『ウン。レオニスガ、調ベテクレッテ、言ッテタ、家ニネ? レオニス達ガ、イツモ、移動ニ、使ウ、魔法陣ト、同ジモノガ、アッタ』

「……この家の外にある転移門と同じものか?」

『ウン。見タ目ガ、ソックリデ、人ガ、消エル、トコロモ、見タ』

「そうか……そいつは見逃せんな」


 闇の精霊の証言に、レオニスが思わずニヤリ、と笑う。

 そしてすぐに闇の中級精霊の頭を撫でながら礼を言った。


「すぐに教えに来てくれてありがとうな」

『レオニス、ワタシ達、役ニ、立テタ?』

「もちろんだとも!お前達が手伝ってくれるおかげで、悪い奴を捕まえることができそうだ」

『ホント? ソレナラ、良カッタ!』


 レオニスに褒められて、とても嬉しそうな闇の中級精霊。

 彼女達は日頃から自由気ままに過ごしているので、能動的に活動して何かを成すという経験がほとんどない。

 積極的に働いて褒められるといったことも当然なく、他者から感謝されるのがとても新鮮に感じるようだ。


 闇の中級精霊が、フンス!とやる気満々な様子でレオニスに話しかけた。


『アノ家ヲ、モット、ヨーク、調ベテ、クルネ!』

「おう、よろしく頼むな。でも、くれぐれも家の中にいる奴らに見つからないようにな?」

『任セテ!ジャアネ!』


 闇の中級精霊はそう言うと、窓の外に出て夜の闇の中に消えていった。

 手を振る間もなくすぐに出ていった闇の中級精霊。

 彼女が消えた後、レオニスが振り向いてライトに声をかけた。


「ライト、俺は今すぐマスターパレンのところに報告に行ってくる。もしかしたらそのままラグナ宮殿にも行くかもしれんから、帰りは遅くなると思っておいてくれ」

「分かった!」


 レオニスはすぐにライトの部屋から出て、自室で深紅のロングジャケット他正装に着替えてから出かけていった。



 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 その日の深夜、貴族街の一角にあるダリオ・サンチェスの邸宅に警備隊の家宅捜索が入った。

 突入時刻は午前零時を回ったところで、深夜の強制捜査はラグナロッツァでも異例の事態だった。

 そして、ここまで迅速に事が動いたのは、昨夜のうちにレオニスがパレンとともにラグナ宮殿に報告しに行ったおかげである。


 夜の十時を過ぎてからの登城など、普段だったら絶対に許されないところだ。

 しかし今は、ラグナ大公も認める緊急事態。

 日中のうちにラグナ大公からレオニスに対し、ラグナ宮殿の完全自由な出入り許可証が渡されていたので、レオニスも堂々とその権利を行使したのである。

 ただし、就寝直前のラグナ大公がちょうどパジャマに着替え終えたところでレオニスに押しかけられたのは、ちょっとだけ同情してもいいかもしれない。


 パジャマ姿のままレオニスから話を聞いたラグナ大公は、即座に動いた。

 レオニスを寝室に連れてきた筆頭執事に命令し、警備隊を緊急招集して早朝五時の家宅捜索突入を指示した。


 家宅捜索の罪状は『転移門の無許可設置』。

 転移門はその性質上、厳正な審査と徹底的な管理が必要不可欠となる。

 正当な理由なく設置することはできないし、設置するにしても然るべき公的機関にきちんと登録しなければならない。

 これは平民、貴族問わずであり、例え王侯貴族であっても転移門の無許可設置がバレれば処罰は免れない。


 いや、場合によっては平民よりも貴族の方が厳しく罰せられることもある。

 転移門を使って兵力を集中させて、ラグナ宮殿を一気に制圧する―――つまりはクーデターを起こすことも十分に可能になるからだ。

 そのため、状況次第では叛意ありと見做されて謀反の罪に問われる。


 レオニスが闇の中級精霊から転移門発見の話を聞いた時、ニヤリ、とほくそ笑んだり、ラグナ大公が即座に警備隊を動かしたのもそれが理由だった。

 本命である精霊拉致問題とは関連性が薄いが、それでもダリオの身柄を即時拘束できるのは大きな進展となる。

 それに、もしかしたら家宅捜索で精霊拉致問題に関する資料も一挙に差し押さえることができるかもしれない、という期待もあった。


 そうして明け方になり、ダリオ・サンチェスの邸宅に警備隊隊員約五十人が突入した。

 主はもちろん使用人達もまだ普通に就寝していたところを突入されたので、抵抗する間もなく地下室の転移門を警備隊に発見されてしまった。

 こうなると、もはや言い逃れはできない。

 多数の使用人達とともに、寝間着姿のまま警備隊隊員に両脇を抑えられて連行されるダリオ。

 容疑者収容のための馬車に押し込まれる瞬間まで、ずっと喚き続けていた。


「こんなものは不当捜査で無効だ!」

「お祖父様が知れば、お前達なんてすぐに全員処刑だからな!」

「お前も、お前も、ここにいる全員の顔を覚えたぞ!家族ともども首を洗って待ってろよ!」


 ギャンギャンと吠えるダリオに、警備隊隊員達はスーン……とした顔で終始無言を貫きつつ任務を遂行していた。

 相手がどれ程高位貴族であろうとも、国家元首が発した勅令に逆らえる訳がないのだ。


 邸宅にいた人間全員を拘束し、ラグナ宮殿内にある警備隊本部に連行した後、後発の増援五十人と合流して総勢約百名での徹底的な家宅捜索が行われた。



 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 ダリオが身柄を拘束されてから四日後。

 ダリオは3000万Gの保釈金を出し、邸宅に帰宅することが許された。

 その理由は、邸宅地下室にあった転移門は小型で一度に移動可能な人数が少なく、軍事クーデターには不向きと認められたためだ。


 もしこれがカタポレンの森のレオニス宅にあるような、竜の女王、白銀の君でも使用可能な巨大魔法陣だったら、間違いなく叛意ありとして断罪されただろう。

 しかし、運用可能人数が成人五人程度までの小さなものだったので、謀反の罪に問うのは困難だった。


 しかし、転移門に残っていた運用履歴が何とも怪しいものだった。

 主な行き先は、プロステス郊外とツェリザーク郊外。

 これだけでもう怪しさ爆発なのに、他にもコルルカ高原やカタポレンの森にまで侵入を試みた痕跡があったという。

 コルルカ高原はフラクタル峡谷にいる風の女王、カタポレンの森は目覚めの湖にいる水の女王を狙ってのものと思われる。


 そして、極めつけは緯度経度を用いた座標値による転移を繰り返していたこと。

 フラクタル峡谷やカタポレンの森など、行き先に転移門が設置されていない場所への侵入のために行われていたと推察された。


 しかし、ここまで違法なことをしていたのに、ダリオは保釈された。

 それはひとえに彼の親族、サンチェス公やテオドロ伯爵家の働きかけによるものだった。


 また、転移門の件でダリオを捕縛したはいいが、肝心の闇ギルドとの繋がりや精霊拉致を示唆した証拠が一切見つからなかったことも大きい。

 家宅捜索はもとより、無断設置の転移門の行き先まで徹底的に調べたのに結局闇ギルドとの直接関与の痕跡は上げられなかった。

 そうした証拠を手元に残す程、ダリオも馬鹿ではないということか。


 別件逮捕での拘束では三日が限度。

 しかしその三日の間に、闇の精霊と光の精霊の懸命の捜査は着実に進んでいった。

 そしてダリオが保釈されて、ドヤ顔で拘置所を出た裏で闇ギルドの拠点強襲が実行されていた。

 ダリオを追い詰めたいレオニス達と、何としても逃げ切りたいダリオの必死の攻防戦です。

 ダリオ自身はそこまで強い権力を直接翳せる訳ではないのですが。『親の七光り』ならぬ『祖父の七光り』がレオニスやラグナ大公の行く手を阻むという(=ω=)


 ちなみに保釈金3000万Gは、鑑競祭りで乙女の雫を落札するために捻出した4000万Gから出ているという皮肉。

 もし鑑競祭りでダリオが乙女の雫を一つでも入手していたら、ダリオもここまで暴走しなかったかもしれないのに……と思いかけた作者。

 だけど、この手の人間って一個手に入れただけで満足するか? ぃゃ、しないよねー…(=ω=)…

 満足するどころか他の雫も欲しがって、何ならコンプリート目指すんじゃね?と思い直したりなんかして( ̄ω ̄)

 そう、結局ダリオは拙作における悪役を担うことが確定していたんですね(´^ω^`)

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