4 とらわれたダイヤモンド
あたしは、かえるたちに聞いてみた。
「他の子たち、知らない?」
「知らない。」
(き、きっぱり言うのね――。)
あたしには分かっていた。
(ちびくんだけは、きっと見つからない場所にいるだろうな……。)
「ねえ、本当に知らない?」
七色ちゃんが答えた。
「知って……知らない!」
(いま、完全に「知ってる」って言おうとしたよね?)
「本当に知らない?」
「うう……うん!」
「本当に?」
あたしが問い詰めると、
「う……ん。」
と答えた。
(何で隠していたのかな。)
「どこにいるの?」
「輝石ちゃんみたいな人と、粉雪ちゃんみたいな子が見え……た。」
「本当に?」
「多分……ね。」
七色ちゃんは、自信なさげだった。
けれど、七色ちゃんが目撃したかも知れないのは事実。
(ここは、七色ちゃんを信じなきゃ!)
「どこの方に行った?」
「ペット……ショップ……。」
「分かった、ありがと。」
(そういえば、ちびくんはゼリーが好きだったよなぁ……。)
あたしは頭のどこかに置いておいた記憶を無意識に引っ張りだしていた。
(でも、このゼリーはあたしのものだし。)
あたしは、スカートのポケットに入れておいたゼリーを握った。
潰れない加減にして。
ペットショップに着くと、「ワンワン」「ニャー」犬と猫の鳴き声が聞こえる。
本当にかえるたちがいるのだろうか。
(いるわよねぇ。七色ちゃんが向かっていったって言ってたし。それに、普通、ペットショップは犬と猫だけじゃないもの。ハムスターとか、金魚とか、トカゲとか、小動物や魚もペットで売っていると思うんだけど。)
あたしは、子犬が入った檻(飼育ケース?)を見つけた。
(可愛い……。あたしも飼ってみたいな、犬。でもママ許してくれないし。)
犬が可愛すぎて、何しにきたのかを忘れてしまった。
隣のケースには子猫がいる。
猫じゃらしにじゃれている。その猫も、とても癒されて、可愛かった。
(猫も、いいかも。)
その隣のケースを見た時、あたしはびっくりした。
(輝石ちゃん……!)
そのケースには、あたしのかえる、輝石ちゃんが入っていた。
(どうしてっ?)
輝石ちゃんも、「助けて!」という表情で、あたしを見つめていた。
(どうすれば……いいの……?)




