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百鬼夜行物語  作者: シンクロウ
第1章
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第8話 不穏分子

僕に、きゅんきゅん♪してほしければ感想を送っちゃうのだ!!

それだけで、僕は2日はシュークリームが我慢できるかもしれない……。

俺が、気絶しているのと同時刻


♢ ♢ ♢ ♢

「くそっくそっくそっ………俺らが、次期当主の最有力候補だと思ってたのに………」

と壁を思いっきり叩いていた。



「ああ、俺も、よりにもよって、あんなやつに負けるなんて………納得できねえ………」



「でもよぉ、実際にあいつ急に強くなってやがるし」


と上から順に剣、槍、弓の分家たち3人が愚痴っていた。



「だが、あいつのせいで俺たちの評価はどん底になったんだ。………いまじゃ、他の分家たちからもないがしろにされる始末なんだぞ」



「そうだけどよぉ」



「もういい、お前はどっか行ってろ!!……俺はやつに復讐をする!」



「もう、やめとこうよ……また、次やったら今度はこの村追い出されるかもよ!?」



「るっせえなぁ、どっか行けっていっただろう。……俺はやつに復讐したいんだ。……別にそのためだったら追い出さられるくらい安いもんだ。むしろ俺の命を賭けったっていい」


「そんな……」



「………そういえば、来月1年に1度の奉納の儀式があったような~」

と槍の分家が呟いたのを聞き



「!?……ふふふ、そうだ、それだ。あいつも次期当主だから当主の後に続いて舞をするはず……その時、封印を解けばおもしろくなりそうだ」

と剣の分家がくつくつと笑う。



「ダメだよぉ、あれって大陸を4分の1も占めた大妖怪なんでしょ……。そんなの放ったらここだけじゃ済まなくなるよぉ」



「んだよ………お前は、さっきからだれの味方だ?……お前は、今の状況に満足してるのか~?ああぁ?」



「…………うぅ、わかったよー。手伝えばいいんでしょ、手伝えば……」



「よし、それじゃあ来月までに計画を立てるぞ。まずは、――――――――――」


♢ ♢ ♢ ♢


一か月が過ぎた……。

今日は、奉納の儀式である。鬼を封じ込めてある結界を再強化するべく鬼頭家一族に継がれる舞と術を送るのだ。

今まで俺は、奉納の儀式のために舞の練習をしたことはあるものの実際にやるのはいつも両親だけで今回が初である。

内心結構ドキドキしていたが、



「何回もやったんだ……大丈夫。」と自分を奮い立たせる。



そして、家の裏にある山のすそに向かう………。


何個もある神社の砦をくぐり、たどり着いたら前の祭壇さいだんに巨大な岩がありしめ縄が回されていた。

これに古から伝わる鬼が封印されているのだ。



……みんなすでに揃っているようだった。

俺もすぐに準備に取り掛かる……。まずは、みそぎだ。

この大陸は、四季があるらしくほとんど日本と変わらないのだが、今はそれに当てると秋になるだろう。

まだ、昼間は温かいといっても時折くる風は体から体温を逃してくる。

頭から、水をかぶり身を清めていく………。



………………バシャッ



「―――――――――――――ッ冷た」

つい声にならない叫びをしながらも俺は


肌を刺すような痛みを我慢した。

しばらくして、痛みが和らぎだんだん治まってきた。




その後、俺は上が白、下が青の袴を身に付け手には鈴を持つ。

母さんも準備ができたようで、上が白、下が赤の袴をすでに身に着けており他を手伝っているようだった。

俺も、一応整ったが母さんみたいに手伝えるわけではないのでぼーっと他をみていた。



境内けいだいには、弟と姉の姿もありどうやら今回から参加するようだった。

弟は、父さんに倣い、大太鼓だだいこのようなのものを……。そして、姉さんは、龍笛りゅうてきのようなものを演奏するらしい。



姉さんの方はどれでも素質があるようで人数不足なところを補っている感じだ。

そして、今回俺は母さんの補助役として一緒に舞を披露する。

俺は、やれるだけやってみよう………。そんな心境であった。


――――――――――――――――――――


そして、奉納の儀式が始まり……



鬼頭藍きとうあい鬼頭流雅楽きとうりゅうががくたてまつります」


「………シャランッ……シャランッー」

母さんの鈴の音から始まり徐々に龍笛、大太鼓と音が重なり合っていく。


母さんの雅楽ががくに最初見惚れていたがあわてて思いかえり、自分も踊ることに集中する。

親子そろっての完璧なデュエットに様子を見ていた村の人や分家たちも目が離せないようだ。



舞と音楽……和のもたらす神秘的な光景に皆が圧倒されていた。……一部を除いて。

やがて、踊りも激しくなり最終局面に移行していく……。

そして



―――――――――――――――っば



その時、空気がまるで止まったかのようだった…。だれも、声を出せなかったのだ。

一拍後に、いっせいに呼吸をするように拍手はくしゅが鳴り響く。


とその時、

「どけええええぇぇぇ、邪魔だ――」といきなりだれかが乱入してきた。



「うわっ、なんだ、お前。はなせっ――――こいつ――」



「……えっ!?」



「何事だ!?………」


と騒ぎが広まるなか、その中心にいたのは

なんと、決闘の時に戦っていた分家たちでであった。しかも俺の弟を人質にして立っていたのだ。


「どういうことだ……?おい、お前、俺の弟を離せ」

と俺が殺気を込めながらにらみ、体勢を前に屈んで、飛び出す構えをしてたら


「おっと、動くなよ……安心しろ。動かなければ俺らはこいつを殺さない」

と剣の分家やろうがそうニヤリと言った。


「………くそが!!」

と悔しいが、今はなんとしてでも弟を助けねばと思いひたすら考えるがなかなか浮かばない。


母さんも分家たちをにらんでおり

「お前たち……」とつぶやいた。



「おおっと……当主さま、顔が怖いですぜ。そんな怖い顔してるとすぐにおばさんになっちゃいますよ。……へへへ」

と槍の分家もにやにやと言っておりこっちの神経を逆なでしようとする。


「さあて、坊主、ちょっとこっち来てもらおうか」

剣の分家が弟の首に武器の剣を突き付けながら従わせる。


「うあ、逃げないから……引っ張るな」



といって弟の達也が連れてこられたのは祭壇さいだんの岩のところだった。



母さんは、すぐに気付いたようですぐに

「やめなさい!!あなたたち……それを解放したらどうなるのかわかっているの?」



解放……。遅れながらにして理解できた俺も焦った。

つまりこいつらは、弟を使って鬼を解放しようとしているのだ。

なんとか注意を引こうと鈴を投げたが、俺の様子を監視してたらしい弓の分家によって落とされ防がれた。



「…………チッ」

分家が、俺の方へ注意が向いた……。

その瞬間、母さんが隙を突き弓と槍の分家を肘鉄ひじてつと回し蹴りで蹂躙し鎮圧する。

だが、そこで……。

「おおっと、動くな…っていったのがわからないのか?当主様。もし……次動けば本当にこいつの命がなくなりますぜ!!」


「ぐっ……」


母さんは、あと一歩弟のところまで届かず、唇をかみしめながらも剣の分家をにらんでいた。


「ははっ―――そんな怖い顔すんなって、もうすぐなにもかもが終わるんだからよ…」


「いくぜっ―――――――」


そして、とうとう間に合わず剣の分家が綱を断ち弟の腕を薄く切り血を捧げられた。

そして、それは封印から目を覚ましよみがえったのだった。

「さあ、宴の時間だ――――――――――」




















指摘してくれると助かります~。

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