第9話 守りたいもの
友達に勧められブロリーの踊るポンぽコリンをみる・・・。
やばいですなぁ。
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………ピキッ…ピキピキッ………
分家が封印を解いたことにより
鬼が封印されてあった巨大な岩がヒビを立てて、次々とボロボロ落ちていく。
それに、呼応するように辺りに禍々しい妖気が岩から噴出してきている。
その妖気に当てられ軽い酩酊感を感じ、俺は膝を曲げてしまう。
あわてて、周りを見てみると、分家でも妖気をそれほど練れないやつらや村のやつらは、まともに受けて倒れていた。
昏睡状態に陥っているようで、早く救出しなければ命にかかわってくるぞ……と考えていたら
………バキンッ……カッッッ―――!!
「…!?」
あわてて、岩に視線を向けると、すでに妖気によって大破されており、それらが柱のように放出されている。
そして、その妖気が拡散して辺りに散っていき晴れてきた。
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ついに………それは現れた。
それは、……それは一人の少女であった。
少女が眠りから覚めるように緩慢な動きで目を瞬かせる。
……古風の真っ黒な着物を着ており刺繍されている椿の絵が大きく咲き誇っているのが印象的だ。
そして、首筋や、着物の袖から覗く肌がとても白い。とても、白くその姿見から儚げな様子を醸し出していた。
「………そうですか。私は、目覚めたのですね」
少女から発せられた声が小さいはずなのに、鈴のように透き通って頭に響いてくる。
そして、こちらに目を向けてきた。
……赤色のそれは、全てのものを飲み込むようで吸い寄せられそうだ。
しかし、徐々に変化していき元だったらしい金色の目になり赤色のときにあったような威圧感が消えていった。
その時、いきなり
「ハ―――ハッハッハー、ついに復活だ。800年にも遡るこの偽りの平和も終えこの村も、この大陸もすべてが恐怖に陥るのだー。さあ、行け!!鬼よー!まずは、この村を壊すのだ!!」
と剣の分家が笑いながら言い出した。
「…………………」
しかし、鬼の少女はそんなの眼中にないらしくそれ以降なにもしゃべらない。
その反応をよしとしなかったのか剣の分家が
「……おいっ、聞いてるのかー!?」
と肩口を触ったら
「ダメ!!、触らないで!!!」
しかし、時として遅く剣の分家は触った瞬間崩れ落ち息絶えた。
「………だから、触らないでと…。まだ、復活したばかりだから生気が不足して加減なく吸い取ってしまうのに……」
と悲しげに眼を伏せる。
ジャリッ――――
顔を横に向けると、
母さんが進み出ていった。
「お前が、古来から伝承されし、鬼か……。ふふ、想像とは違っていたが気配は本物のようだ。伝わってくる妖気だけで背筋がぞくぞくするわね…。まだ、力が十分でないのが幸いだけれど私にどれだけ勝気があるのか……!」
と言いながら抜刀の構えをする。
「一応、言語を理解しているようだから聞いておくわ。あなた、ここから移って人の住んでない場所で人を襲わずに住んでくれない?」
「……………できない」
長いためらいの後そう、そっと少女は呟いた。
「そう、仕方ないわね。何か、事情があるのかもしれないけど、こっちとしても命がかかっているのよね……。悪いけど、その命頂戴するわ!!……東仙悪いけど、後のこと頼みます。……あの子たちのことをお願い!!」
母さんがそう言いながら妖気を極限まで高めていく。
「くっ……わかった。私にお前以上の力があれば……。藍!!俺は、俺は、お前のことを尊敬しているし、今でも惚れている。お前は、思う存分やってこい!!おい!まだ、動けるものはここから倒れているものを連れて逃げるぞ!なるべく遠くに行くんだ!!」
と父さんが皆にそう叫ぶ。
「………東仙、私あなたと結婚できてほんとに幸せでした。ありがとう。」
と照れているのか、母さんは背中越しに父さんに礼をいっていた。
♢ ♢ ♢ ♢
そして、鬼の少女を見据え
「……貴女、名前は?」
「…………ないわ」
「そう、残念ね。惜しいわ……貴女みたいな妹もほしかったのに……まあ、年齢でいったら私より上でしょうけど」
「………命が惜しくないの?」
と今までほとんど黙っていた少女が聞いてきた。
「そうね、惜しいわね。……まだまだ、やりたいことがあったし」
「……………なぜ?」
私のなかで、命は確かに惜しいだろう。まだまだ、家族団らんに過ごしたかった。このまま家族を連れて逃げたいとも思う、けれど
「……守りたいものがあるから、人はね、守りたいもののためには全力を尽くすのよ……それに、責任があるしね。代々貴女を封印してきたのを私の代で解いちゃったから。その罪滅ぼしも少し混ざっているかもね」
「私……には、……わからない」
「貴女も、いずれ理解するときが来るかもね。……私を倒せたら…だけどね!!」
「あなた、もわたしを、狙うのね……」と呟いていたのだがあいにくと小さくてうまく聞き取れなかった。
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「………鬼頭家今代当主、鬼頭藍、いざ尋常に参る!!!」
宣言した直後、猛スピードで少女との距離を縮める。
そして、私の得物の刀が少女の間合いを詰めた瞬間
「外力系鬼道術陽の型……紫電」
抜刀と同時に紫色の光が刀身に纏いバチバチ電気が迸りながら少女に吸い込まれていく。
当たる直前、ぎりぎりに少女が手を前につきだし妖気の障壁をだす。
バチバチバチバチッッとなりながらつば競り合いになって均衡する。
………埒があかないと思い、一旦後退する。
「内力系鬼道術陽の型……肉体強化」
肉体に纏う妖気さらにあげて筋肉を活性化させ底上げを図る。
「外力系鬼道術陽の型……断空切り」
藍の持つ刀が音速を超えるような勢いで振られ少女にあたると思った瞬間刃が消えたようなった。
空間を通り越し、妖気の障壁を超え少女の腕にあたったのだ。
「でぇやー!!」
渾身の一撃を彼女に与えたつもりだった…けれども
………ガキンッ
障壁を超えれれば肌は柔らかいはずだからいける!と思っていたがそんなに甘くはなかった。
なんと、少女の腕は、瞬時に外に放出していた妖気を自分の腕に回し強化したのだ。
一部分を鋼鉄以上に固めたらしく綺麗に防がれていたのだ。
他に弱点はないか模索してた瞬間、一瞬にして少女が動いて接近し、触れられた。
とたん、
「ぐぁ……!?」
体の力が一気に失われた。おそらく、生気を吸われたのだろう。とっさに避けたおかげで、触れた面積が分家の時と違いかなり少なかった分助かったようだ。
だが、これで一気に勝機が減ってしまった。
持久戦では、分が悪い……。そう思った藍は、短期決戦で決着を付けるよう勝負をしかける。
「この一撃、私の全力を注ぐわ!!防げるものなら防いでみなさい!」
「……………」
「万物を司る御霊よ…我を供物として捧げ……古より伝わりし秘宝を我に与えたまえ」
「……………これは…!?」
そう、少女が呟いてあわてて突進してきた。
「我が一族秘伝の奥儀……鬼切!!!」
その瞬間完全に間合いを見極め抜刀する。少女から血しぶきがあがるのがわかった。
私は……自分の力を御霊に捧げる代わりに、自分の武器を伝説上の武器と遜色変わりなく変化させる技を使ったのだわ。だが、その分かなりの力を吸い取られるので1撃しかつかえない。
それに、さっき生気を吸い取られてしまったせいで技が半減してしまっている。
しかし、藍は鬼切……かつて鬼をも切ったとされる伝説の剣の性能を拝借し少女を切ったのだ。
少女には、効果が抜群だろう。だが、再生力の高い鬼のことだ、まだわからない。
………ここで、少女が倒れなければ私の負けだ。すでに意識が朦朧としている。
最後まで、彼女を見ていると、どうやら倒れなかったようだ。出血がじょじょに治まってきている。
傷が防がれていくのが見えて藍の体力はここまでだった…。
……体が内部崩壊していく。
最後に、焦っている一花が見えたような気がして、
「ああ……幸せでした。」そう呟いて暗闇へと落ちていった。




