【第72話】東の森でキャンプ(1) 1日目
モノづくり職人展覧会が無事に終了してから数日後。
朝ごはんを頂いた後、俺とオモチは教会の玄関前でみんなに見送られていた。
別に教会を追い出された訳ではない。
今はフローラさん、メリーさんの順番でハグをし終わったところだ。
オモチもみんなとのハイタッチを終えたようだ。
「では行ってきます」
「気を付けて、何かあったらすぐ戻ってきてくださいね」
「はい、それでは」
みんなと簡単なお別れをしてから俺は足早に東の門へ向かう。
いつもと違う門番さんに挨拶をしてから外に出る。
「さて、とりあえず走りますか」
「うに。ケイタ、あれをやるにゃ」
これから東の森へ向かう。
目的は3つある。
1つ目は最近停滞している東の森の奥を目指すこと。
2つ目は薬草の採取。最近ポーションを作れていない。
3つ目は付与用のモンスターの魔石を集める事だ。
上記の3つは、日帰りではちまちまとしか進まない。
そういう事情を説明したらあっさりと、行って来いと言われた。
オモチがケットシー形態になり、かわいい左手でこぶしを握り胸の前に、
右手をいつでも突き上げられるポーズを取ったのを確認してから今回の抱負を言う。
「よし、色々と・・頑張って行くぞ~」
「「おー!」」
こういうのしっかり決めたいトコロだけど、すぐ思いつくほどリーダーな男でもないので勘弁してほしい。
ともかく俺とオモチは東の森へ続く道をダッシュする。
もう季節は夏だけど、この時間はまだ空気がひんやりとしており気持ちがいい。
しかし太陽の熱があっという間に温度を上げて行き、走って感じる風圧の涼しさを超える。
入り口まで付くと背中にびっしょり汗をかいていた。
「洗浄」
でも魔法で一瞬でスッキリです。
「ステータスオープン」
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名前:ケイタ 37歳
LV:78 ★前回より+30
職業:中級の冒険者
HP:1275★前回より+450
MP:840 ★前回より+300
属性:水、火
強さ:143 ★前回より+30
速さ:153 ★前回より+30
体力:137 ★前回より+30
魔力:283 ★前回より+60
知力:241 ★前回より+60
器用:231 ★前回より+60
スキル・魔法
身体強化 (Lv10)
魔力操作 (Lv10)
MP回復強化(Lv4) 3秒にMP1回復
クイックアクション(消費MP10秒に1)
パワーアップ (消費MP10秒に1)
クイック・パワー (消費MP10秒に2)
望遠 (消費MP10秒に1)
ステータスウィンドウ(消費MP1)
ウォータークリエイト(消費MP1)
ウォーターボール (消費MP1)
ウォーターバレット (消費MP5)
ヒーリング (消費MP15)
エリアヒーリング (消費MP25)
デトックス (消費MP15)
洗浄 (消費MP5)
広範囲洗浄 (消費MP25)
魔石洗浄 (消費MP5)
付与 (消費MP内容により変化)
ファイヤークリエイト(消費MP1)
ファイヤーボール (消費MP1)
ファイヤーバレット (消費MP5)
アレンジ魔法
ウォーターバレット・バルカン(消費MP1発につき5)
固有スキル:中級者
アイテム:水竜の涙(水魔法の回復力が25%のアップ)
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最近はもう中級の冒険者という職業は気にならなくなっている。
中級ってまあまあ強いかなと思うようになっているからだ。
某忍者マンガでも、中忍って言いながらとんでもない戦闘力持っていたし。
中はなかなかにすごいのだ。
特に疲れは感じていないのでそのまま森に入る。
今日、1日目はとにかく奥を目指して走る。
中層までの採取ポイントは昨日までに採取済みなので何の未練もなしに走り抜けた。
昼過ぎには俺の中の未踏破エリアに入った。
侵攻に影響のない範囲で、近くの採取ポイントに寄り道しつつ、更に進んで中層の終わりに近づくころ、日が暮れて来たので野営の準備に入った。
「よくわからないけど、この辺でいいよね」
「いいと思うにゃ」
テントは置くだけで終わるが、それ以外に時間のかかる準備がある。
お香台の設置だ。
まず周りのモンスターを倒す。
この辺に来ると上位種のゴブリンも出始めるのでお湯玉とウォーターバレットで倒していく。
トレント戦でレベルもかなり上がった為安定して殲滅出来た。
今度はテントを張る位置を中心に、お香台とお香を設置してまわる。
そう言えばお香の台を作った後に気づいたが、台を朝に回収して回るのがちょっと面倒・・・
かと言って、突然の雨でお香が消えたり、知恵の働くモンスターに土をかぶせられたり、水を掛けられたら終わりなので、当分はこのお香台にお世話になることにした。
きっと慣れてしまえば問題ないだろう。
テントの周り8か所にお香を設置し、テント設置場所へ戻った頃には日が暮れていた。
オモチにテーブルセットを出してもらい食事にする。
移動中はほとんど会話をしないので、その分を取り戻すように食事を取りながらたくさんおしゃべりした。
食事が終わってからはおもちを愛でる時間だ。
猫マッサージを施しお互いに癒される。
「さて、明日も早いし寝るとしますか」
「そうにゃね」
テントの周りにお香を追加し、体を洗浄魔法でスッキリさせてからテントに入った。
◇◆◇◆◇◆
次の日、目覚まし時計オモチにてしてしとされて起きる。
「うう。おはようオモチ」
子猫にてしてしされて起こされる幸せ・・・・
「おはよう、ケイタ」
「流石に森の中は、朝が冷えるな・・・」
「そうにゃね、あつあつのスープを飲むにゃ?」
「うん、寒いけど、暗すぎるから入り口だけ開けて、テントの中で朝を食べようか」
「わかったにゃ」
オモチがテント内で使えるように、キャンプの達人兼、日曜大工好き神官さんが作ってくれたローテーブルを出し、その上に食事を並べてくれる。
「では、「いただきます」」
もそもそと食べているうちに覚醒してきた。
30分ほどで食べ終わり外に出る。
洗浄してからオモチにローテーブル、寝袋、テント等を収納してもらう。
「おおお、やっぱり寒い」
「すぐに日が昇るにゃよ」
木の影が多いのでそれは期待できないかもな、と思いながら伸びをする。
「ケイタまだちょっと眠そうにゃ」
「眠いよ、まだ起きて30分くらいだからね」
「うに、じゃあお香台はオモチが回収してくるから、ここで待っていてね?」
「わかった、お願いします・・・」
ああ、イスを出しておいて貰えばよかったな、なんて考えていると、ものの30秒ほどでオモチが戻ってきた。
「終わったにゃ」
「はや」
オモチが足元までやって来たので頭を撫でてほめる。
「オモチ、ほんとにすごいな。
よっ! お香台おかたづけ名人!」
「ええ~なにそれ・・・」
「名人! オモチ名人!、次からもお願いしていいですか!」
調子に乗って褒めたたえていると、おもちは半目になりじろーっと見てきていた。
「まあ、いいにゃ。でも設置するときは一緒にやるにゃよ?」
「おお。本当に? ありがとう」
俺はオモチを抱っこして、顔をすりすりとした。
しばらくそうやっていると、オモチからはごろごろという小気味のいい音が聞こえてきた。
しばらくしてから、完全に目が覚めたと伝える。
今日も近い薬草採取ポイントを経由しながらゴブリンを狩りまくりながら進行する予定だ。
「ケイタ、その前にやることがあるにゃ」
「あれか?」
俺は右手でこぶしを作って見せる。
「それもだけど・・・・」
オモチが言うには、お香で作られた円の外には、昨日の夜から今朝までにかけてゴブリンたちが集まってきており、オモチがお香台を回収し、しばらくして匂いが薄れてきた事で今、ゆっくりゴブリンの達がこちらに向かって来ているとの事。
「なるほど、丁度いい。」
準備運動がてら集まってきているゴブリンたちを倒してから出発することとした。
◇◆◇◆◇◆
森の奥へ移動しつつゴブリンたちを狩ること数時間。
日が完全に真上に来ていたのに気づき木陰でお昼にすることにした。
定番のサンドイッチを頂いてからそのままゆっくりする。
時折吹いてくる冷たい風が気持ちいい。
「夏はこういう森での狩りが最適解だな」
「うに。暑さを避けるという事なら、ダンジョンという手もあるにゃ」
「ダンジョンも一回は行ってみたいね。
この前の冒険者ギルドの件で、無駄に睨まれることは少なくなったから、大丈夫かなって思ってきたんだけど」
「いいと思うにゃ。ていうか、ケイタはずいぶんとトラブルに巻き込まれる体質だにゃあ」
「そう? まあ昔から嫌ってくる人は、とことん嫌って来てたのはあったな。3回くらいは本人から、お前が嫌いだって言われてるし」
小学生時代に2回と、社会人になってから1回ある。
「にゃんと」
「まあそういうのは、仕方ないんだよ。 合う合わないは絶対ある。
多分合うって思う以上に、合わないって感じる事の方が多いんだと思うよ」
俺の態度が良くなかったかもしれないけど、まあそれはお互いさまって事で。
「ケイタも昔から苦労しているんだにゃあ」
「苦労もしているし、失敗もしまくっているよ。
考えるだけで頭を抱えたくなるような経験も未だにいくつもあるし」
「へぇ~」
キリよくオレンジジュースを飲み終えたので洗浄でまるっと綺麗にしてから進行を再開させた。




