【第7話】王都の教会
「じゃあさくっと教会に向かいますか」
「そうだにゃ、教会もいかないといけないのにゃ」
教会では、リアルタイムで自分のステータスを確認するスキルだか魔法だかを教えてもらう。
自分にかかった状態異常もこれでわかるようになるらしい。
気分がすぐれないときに自分のステータスを見てみたら、いつの間にか毒状態になっていて、HPがかなり減った状態だったので慌てて毒消しを買いに行って九死に一生を得たという話も割とあるらしい。
ただし、今日はまずお布施?寄付金?の相場を聞きに行く予定だ。
今から習得をやり始めると夜もいい時間になってしまいそうだからだ。
相手にも都合があるだろうしね。
◇◆◇◆◇◆
教会は王都の東門側の上部側、貴族・王族エリアの近くにあるとのことで結構遠い。
今度は猫形態になったオモチを抱っこして少しだけ早歩きをして移動することにした。
「この町には、どれぐらい居そうかな」
「ケイタの実力からすると、長くなるかもしれないにゃ」
「まさか1か月とか?」
「半年か、1年くらいかもしれないにゃ」
「長くないそれ?」
「ボクはケイタに早死にしてほしくないにゃ。・・・絶対それだけは避けるにゃ。
あと、旅の準備のために時間をかけることは推奨されているにゃ。」
オモチは強い意志をもってそう言ってきた。
「へえ・・・結構遠いの?」
「そうじゃないにゃ。結構遠いは、まあ遠いけどにゃあ」
「へえ」
横から来た人とぶつかりそうになって、前を見て歩くようにする。
「人によっては10年その街に留まってから泉を目指した人もいたくらいにゃ」
「10年!?」
「その人は臆病だったらしいけど、そのおかげでしっかり実力を高める事が出来たのにゃ。その人はまだ生きているにゃ」
「ああ・・・なるほどな」
厳しい現実に思わず立ち止まって、そして二人して空を見上げた。
◇◆◇◆◇◆
東側のエリアに入って、そういえばと思ってオモチに職業の件を話してみた。
「そういや、俺の職業は中級者だったよ」
「それは知ってるにゃ、ボクそこにいたにゃ」
そう左腕に収まっていたオモチは答えた。
思わずふふと笑ってしまう。
「ボクはスキルでケイタを嫌いになんてならないにゃ」
オモチがこちらを見上げている。
「そうか。ありがとう」
実はそこまで落ち込んではいなかったんだけど。
今後の事も前向きに考えられそうな気持であるけれど、
今はそれだけを伝えようと思った。
「オモチは、強さを求めてケイタとパートナーになった訳じゃないのにゃ。
戦う強さじゃなくて、もっと違う、今までみたいにケイタと一緒に笑い合うとかが、
オモチ最大の目的なのにゃ」
それでもオモチは、色々言って慰めようとしてくれている。
最高の猫だなぁ
「じゃあ、これからもよろしくね」
右手を差し出すと、オモチも右手を出してくれた。
やくそくげんまんと言いながら手を軽く上下に揺らし、
最後に顔をオモチの頭にこすりつけた。
猫の世界にも握手の文化はあるんだろうか、なんて考えながら歩き出した。
◇◆◇◆◇◆
教会についたのは、日が傾き始めた頃だった。
(朝に転移してからかなり濃い一日を送っているな)
というか、先に宿を確保してから来たほうがよかったかな、
宿屋の場所もよくわからないし・・・
まあ教会の人におすすめを聞いて、教えてもらえばいいか。
オモチとそんな話をしながら教会に入る。
「こんにちは」
建物の内側、入ってくる人の邪魔にならないような位置から、建物の外を見るような形で立っていた男性の神官さんに挨拶された。
「こんにちは」
空いているうちの1つのテーブルに案内され早速話を切り出す。
「なるほど。その年でステータスウィンドウの魔法を覚えていないのは珍しいですね」
「はい、あったほうがいいと聞きました」
「確かにあったほうがいいですね。」
そして神官さんからは、先ほどオモチから聞いたような話をされる。
どうでもいい所だけど「道具屋に毒消しを買いに」、のくだりが「教会に治療を求めた」に代わっていた。
「それで、今日はまず、教会で教えてもらう時の、寄付の相場を知りたいのですが」
「寄付は気持ちですよ。あなたの身の丈に合ったもので構いません」
「ん~ そういう感じなんですね・・・」
それ一番困る答え!
そんな俺の表情を読み取った神官さんはふふと笑みをこぼした。
「ところで、ケイタさんはこの町の人間ではないですよね」
「はい、今日ここに来たばかりです」
「その恰好は冒険者にも商人にも見えないですが」
パーカーにジーパンだもんな。
「さっき、冒険者登録をしました」
「なるほど、では宿はもう取ってありますか?」
「・・・いや、確かにそろそろ行かないと部屋が埋まってしまいますよね。
そうだ、どこかおすすめの宿がないか、教えてほしいと思ってます。
出来れば食事はありで、安全そうな場所がいいです。」
「1つだけ心当たりがありますよ」
神官さんはにこりと笑った。
「すいません、それお願いします」
「はい、ではうちの教会にお泊り下さい」
やっぱり。宿を聞かれた時にそんな気はした。
「すごく助かりますが、問題はないんですか?」
「はい、お代は少し奉仕活動をして頂くということでも良ければ」
「なるほど。ありがとうございます。ぜひよろしくお願いします」
「ボクも一緒によろしくにゃ」
「はい、よろしくしましょう」
神官さんは急にしゃべった猫に対し、にこりと笑いながらそう答えた。
どうやらただの猫ではなく、ケットシーとわかっていたようだ。
神官と別れたあと、彼は猫好きとシスターさんに教えてもらった。
誤字報告ありがとうございます。
反映させて頂きました!




