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【第48話】恐怖のポーション瓶2万個入荷事件(2)

「こんにちは」


職人ギルドに入ると、この前職人ギルドの施設案内をしてくれた男性が挨拶をしてくれた。



「こんにちは。さっそくポーションの納品にきました」


「それはお疲れさまでした。では2番カウンターへどうぞ」


入り口にいた男性は2番カウンターまで誘導してくれた後、

受付嬢さんにポーションの納品の対応をお願いしますと告げ、

入り口へ戻っていった。


謎感想で申し訳ないが、

なんだか職人ギルドって、プロだなあ。



「まずギルドカードを確認いたしますね」


「はい」


俺は職人ギルドカードを渡す。

受付嬢さんはしっかり裏面まで確認し、うなずく。


「はい、ありがとうございました、

 今日は初級のHPポーションという事でよろしいでしょうか」


「はい、ええと、箱単位で沢山あります」


いっぱいあることを伝えた。


「では応接室にご案内しますね」


そう言った後に受付嬢さんは


”CLOSE

 空いているカウンターへお回りください”


の立札を机の上に置き、後ろを振り返る。


「ギルド長、ポーションの大量納品で応接室を案内します」


「分かりました、では応接室7へお願いします、こちらも準備をして向かいます」


「わかりました。 ・・お待たせしました。それでは応接室へご案内しますね」


受付嬢さんは素敵な営業スマイルをしてそう言った。

ギルド長が対応してくれるのか。ちょっと緊張するな。


「はい」


丁寧で好感の持てる対応だなと思いながら案内される。


「こちらにおかけになってお待ちください」


受付嬢さんは俺のギルドカードを手渡してくれながらそう言った。


「はい、商品はもう出し始めておいた方がいいですか?」


「ええと、そうですね、お願いいたします」


「わかりました、ありがとうございました」


「いえ。それでは」


受付嬢さんが綺麗なお辞儀をしてドアを閉めてからポーション箱を並べていく。

倒れないように2段重ねにしていく。予定通り合計11箱並べた。


並べて数分後に2人程ノックをした後に部屋に入ってきた。


「こんばんは。ギルド長のスケールと申します、こちらは副ギルド長のメジャーです」


「どうも、メジャーです、ちょうど出先から戻ったところで連れてこられました」


「こんばんは、ケイタです、よろしくお願いします」


「これ全部中身入りのポーションですか?」


「はい、すべて初級ポーションです」


「・・・あれ、もしかしてメリーさんの所に卸したやつじゃない?」


「ええ、そこで買いました」


「ええええ、これ・・・11箱あるね、昨日の今日で1100個も作ってきちゃったの?すごいね・・・」


どうやらポーション瓶納品には副ギルド長が関わっていたようだ。


「買取りの数に制限が掛かったりしますか?」


「ううん、ちゃんと封シール貼ってあるなら問題ないから、それだけ確認するよ」


「あと、自分初級ポーションAランクです」


そういってギルドカードの裏面を見せる。


「なるほど、じゃあメジャー、俺はお金を取ってくるから確認お願いするよ」


「了解」


そういってギルド長のスケールさんは部屋を出ていき、

副ギルド長のメジャーさんは箱を開けて中を確認し始めた。


「うん、全部、状態完璧」


「確認作業早いですね」


副ギルド長のメジャーさんの作業が終わったので思ったことをぶつけてみる。


「俺も下っ端からの成り上がりだからね、

 こういうのはぶっちゃけ誰にも負けない自信があるよ」


「なるほど」


「しかしケイタさんがメリーさんの取引相手なんだね~」


木箱のフタを丁寧に閉めた後にメジャーさんが切り出す。


「ええ、そうです。っていうか、

 すごい数納品されててメリーさん半泣きでしたよ」


「あ~・・・・だよね。 悪いとは思ったんだけど、

 あれで丁度倉庫が1つ空になるからさ。

 でも納品するときにお店の規模をみて、

 まずったかなと思ったんだよね・・・」


「そうだったんですか」


「うん、もし支払いが遅れても俺の権限で伸ばすことは出来るんだけど、

 そういう記録が残っちゃうのがまずいなって。」


そういって副ギルド長のメジャーさんは後悔した顔をした。


「でも、君が取引相手で本当に良かった。

 彼女もそんな君だったからこそ応じたんだろうね」


「いえ・・」


「お待たせしました」


ギルド長のスケールさんがノックをしてから入ってきた。


金貨が入っていそうな皮の袋と、灰色の箱を持ってきた。


「そっちは問題ありませんでしたか?」


「ええ、贔屓目(ひいきめ)なしで、完璧でした」


「そうですか、では今回の買取り額ですが、220万円です。振込にするか、このまま現金でお渡しするか、どちらにしますか?」


220万円!

分かってはいたけどこんな大金が簡単にやり取りされているのがすごい。


「ああ・・ちなみにメリーさんの口座に入れることは出来ますか?」


「それは本人が居ないとできません、入金にはギルドカードが必要なんです」


「なるほど」


「一応、代わりの方法として認証型職人ギルドギフトカードというものがあります」


「それはどういったものですか?」


「手数料がかかってしまうのですが、使える人間が固定になっているギフトカードです」


「まあケイタさんがメリーさんと一緒に一回でもギルドに来れたら振込カードが作れるからそれでもいいとは思うけどね」と副ギルド長。


「振込カードですか」


「ギルド長、俺ひとっ走りメリーさんを呼んできましょうか」


「それはさすがに迷惑ではないか?」


「でも220万円ですよ? 一発完済じゃないですか、うれしくないはずはないでしょう」


「まあ・・・そうなんだが」


完済?


「もう夜ですよ? 閉店する頃ですって、ちょっと俺行ってきます!」


副ギルド長のメジャーさんは走って出て行ってしまった。


「あ・・・仕方ないやつだな」


「すいません、仕入れ値っていくらだったんですか?」


「ええと、すいません、それはこちらからは言えない決まりです」


「あ、なるほど。すいません」


「いやいや、気にしなくていいですよ」


「さて、今回は金額が大きいので、いきなり現金を手渡しされるのは

 避けた方がいいです。メリーさんが要チェックのリストに入ってしまいます。

 すぐに解ける疑惑とはいえ、私たちや、メリーさん、ケイタさんも呼び出されて

 根掘り葉掘り、話を聞かれてまうので面倒です」


なるほど、何か不正がないか見ている所がある訳か。


「なので、最初にケイタさんのギルドカードにこのポーションの買い取り代として220万円を入金したいと思います」


ポーションを売ったという履歴があれば、後は問題なくなる訳かな。


「わかりました」


ギルド長は俺のギルドカードを灰色の箱に差し込み、上部に220と書かれた付箋(ふせん)の貼ってあったカードを乗せスイッチを押した。

数秒後にジャキーンと、昔のレジスターの決済音(?)のようなものが鳴った。


「はい、220万円が入金されました。では次に取引用の機械の準備をしてきます」


「わかりました」




◇◆◇◆◇◆


「210万円よりは低いはずにゃ」


ギルド長のスケールさんが部屋を出てから俺の膝の上でオモチがそう言った。

オモチ軽いので集中すると膝の上にいるの忘れてしまう。


「そうなの?」


「350万円で、4割引って言っていたにゃ」


「ん? ええと、完済ってことは確かなのかな?」


俺は力が抜けてソファーに背中を預けた。


「いつも計算ばっかりのケイタがめずらしいにゃ」


「いや、薬草使い切ることになったからさ。

 これ納品したら、明日から薬草採取のために東の森の

 奥に行くんだなって思って・・・頭がいっぱいだったよ」


「なるほどにゃ・・」


「・・350万円で4割か、店頭販売価格の上乗せってちゃんとしてあったのかな」


「ガラス製が300円で1万個、陶器製が50円で1万個の合計にゃ」


「ええと・・・それでちょうど350万円か。約束通り通常価格だな」


「そうにゃ」


「じゃあ仕入れ値はもう少し下か」


「そうにゃ」


ギルド長のスケールさんが新しい魔道具をもって部屋に戻ってきた。


この魔道具を使って会員同士でお金の移動をすることが出来るらしい。



少しするとメリーさんが副ギルド長のメジャーさんと共に現れた。


「ケイタさん・・!」


俺を見たメリーさんが涙をこぼし抱き着いてきた。


それを見たギルド長のスケールさんが、

副ギルド長のメジャーさんの頭をはたいたのが横目に見えた。


「会員に不安を与えるような取引をするんじゃない」


ギルド長のスケールさんの低く抑えた、

でも全然抑えきれていない怒声でびくりとした。


「メリーさん、申し訳ありませんでした!」


すぐ横で副ギルド長のメジャーさんが頭を深く下げていた。


「・・・いえ、私もうかつでしたので・・・」


メリーさんは俺にひしりとしがみついた状態でそう言った。



その後しばらくして、落ち着いたメリーさんのギルドカードに

俺のギルドカードから220万円を振込んだ。



後は月末に職人ギルドからの引き落としを待つだけとなった。

誤字報告ありがとうございます。

修正させて頂きました。

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