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【第3話】情報収集と今後について

「ねえねえオモチちゃん、どっちに歩いたらいいかわかる?」


まだ腕の中に収まっているオモチに聞いてみた。


「ケイタの意思を優先するにゃ。でも、そのうちでいいから祝福の泉に行ってほしいにゃ」


「ん、今のところ、何もないからその泉方面に向かってみようか」


「ありがとうにゃ。あっちだにゃ」


オモチを抱っこしたまま揺らさないよう、ゆっくり歩く。

この森が平地でよかった。



「ちょっと、のどが渇いてきたな、お水が飲めるところないかな?」


「この方角に飲める川があるにゃ ここから30分ほどにゃ」


「お、了解。オモチは色々知っているんだね」


えらいね~と若干自分でも不審者じみた発言になってしまう。


「ケットシーの里に学校があるにゃ。そこで必死に勉強したにゃ。

 そしてケイタのような転移者のもとに向かうことを許されたのにゃ」


「え、転移者のサポートしてくれる勉強とかがあるってこと?」


色々知っているというのは、この辺の地形にってことを言ったつもりだったが、気になる内容だったので話に乗ってみる。


「そうにゃ。」


「オモチがさっきの場所に居たのって、俺を迎えに来てくれたって事なの?」


「そうにゃ。でも大体の位置と時期しかわからないから3日ほど探し回っていたにゃ。

 でもついさっき、今まで知らない反応を見つけたから歩いてきたのにゃ

 ケイタと無事に出会えてオモチはほっとしているのにゃ」


回収したつもりが回収されていた。いや、そうじゃない。

オモチは俺が到着するまでの間、俺を探し回ってくれていたのだ。

そう思うと、オモチのことが更にいとおしくなった。


「・・・ありがとう。」


嬉しくて腕に抱いていたオモチに顔を寄せ抱きしめる。


「にゃにゃ・・・」


何となく照れているなと思い、鼻をオモチのお腹にぐりぐりする。


「にゃうう」


困ったような声を出すものの、特に抵抗はされない。

更にかわいく思えてお腹に顔をうずめぐりぐりして・・


というループを5分ほどやった。

オモチはその間、困った声を出すのみだった。




そのあとも川を目指して歩く。


オモチが一度降りようとしたけど、もっと情報収集がしたかったので、

それを伝えてひとまず却下した。


この背の差では声が聞き取りづらくなりそうだったし、

大きな声でしゃべっていたら息切れが酷そうだったからというのもある。

あとは怖い動物やらが寄ってくるかもしれないしね。


「平坦な場所だけど、森だから転ばないように気を付けてほしいにゃ」


確かに石や木の枝がたまに落ちている。


「わかったよ。ありがとう」


とりあえず慌てずに疑問点を確認していこう。


「えっと、祝福の泉って、何かをする場所なの?」


「そうにゃ。祝福の泉の水を飲めばケイタの固有スキルの制限を解除できるのにゃ。」


「ん?」


「そこまでが学校で習った第一の目標にゃ」


「へえ固有スキルか。制限がかかっている前提で話しているけど、そういうものなの?」


「転移者はそうにゃ」


「そうか。スキルの制限解除ってことは、言葉のままだよね。そのスキル自体はどうやったら確認できるのかな?」


「ん~今は無理だけど、・・・じゃあこの指輪をつけるにゃ」


オモチはどこからともなく取り出した、白い宝石が付いた銀の指輪を渡してくる。


「どの指?」


「空いている所につけるにゃ」


「じゃあ・・・」


オモチから手渡された指輪を左手の中指につける。


「ステータスオープンと心の中でも、口に出してもいいから唱えるのにゃ」


「え、なるほど。」


(ステータスオープン!)


口に出すのは恥ずかしいから無理!

心の中で唱えた。


ブンという電子音と共に、目の前1メートル先に先ほどと同じようなウィンドウが表示される。


「でたよ・・・」

最高だな!


「オモチにもみえるにゃ。パートナーだからにゃ・・・ボクも見てもいいにゃ?」


「いいよ」


オモチは嬉しそうにありがとうといって笑った。

尊い。なぜ俺はスマホをポケットに入れていなかったのか。


目の前のメニューを二人でみる。

そこにはこう書いてあった


----------------------------

名前:ケイタ(LV.1)

HP:40

MP:5

属性:水

----------------------------


「属性は水か。 情報が少ないのは、指輪の性能?」

ステータスがこれだけとは考えられなかったので決め打ちで聞いてみる。


「そうにゃ、先生がこの指輪はオモチャみたいなものと言っていたにゃ。

 でも持って行けっていうから一応借りてきたのにゃ。ステータスを確認する魔法を覚えたら情報が増えて、専用のスキルも分かるはずにゃ」


「へぇ・・・」

目の前に浮かんでいるウィンドウを見つめながら返事をする。

指でつつくと、少しだけウィンドウが揺れる。

そしてしばらくするとウィンドウは消えた。



「人間は教会に行けば魔法やスキルを教えてもらえるはずにゃ」


「おお。お金はかかるかな?」


「お布施をするにゃ。そこで自分のステータスを見る魔法を覚えられるにゃ」


「お。いいね。それいいねえ。」


目の前に広がる河原を見ながら、にやけるのをやめられないケイタであった。



◇◆◇◆◇◆


思ったより歩き疲れていたようで、大きな岩を背もたれにして地面に座ったら動けなくなった。

ついでに足も伸ばす。


(まあ少し休憩だな)


オモチはケイタが座ったタイミングで猫形態になり川の方にかけていった。


川べりで人型(?)になり、またどこからともなくお椀を出し水をすくって、水をこぼさないようにか慎重にこちらに歩いてくる。


よいしょ、よいしょと擬音が聞こえてきそうだ。


「ありがとう」


お椀を受け取り、頭を優しくなでてやる。


「どういたしましてにゃ」


1杯では足りなくて、申し訳なかったけど2回お代わりをした。

オモチは嬉しそうに水を汲みに行っては渡してくれる。


「ありがとう、おいしかったよ。次はオモチも飲んでね」


「はいにゃ!」


オモチはまた川べりへ水を汲みに行き、俺の目の前まで持ってきてお椀を置く。

猫形態に戻って座ってからぴちゃぴちゃと水を飲み始めた。

かわいいなあ。


「あ、そうだ、水属性の人って、どんな魔法を覚えるの?」


急に話しかけたからか、オモチは舌を出したままこちらを見て、首を傾げた。


「んんっ。 水属性だと、水を出したり、それで攻撃をしたり、後は回復魔法が覚えられるのにゃ」


「おお、いいね。 そういう事でなのかわからないけど、俺、昔から水は何となく好きだよ。雨とかもそうだし。」


「ん~ そういう事もあるかもにゃ?」


この反応はあまり関係ないと思っていそうだな。

まあそこはこだわりポイントじゃなくてただの話題だったから気にはしてない。


「レベルが上がれば使えるようになるのかな」


「固有のスキルや魔法はそのはずにゃ。でも普通の属性魔法やスキルはレベルじゃないにゃ。

 先生に教えてもらったり、本で勉強したり、どちらにしても何度も練習をすると使えるようになるにゃ」


「ええと、さっき教えてくれた水魔法はどっちなのかな?」


「教えてもらうほうにゃ」


「なるほど。オモチもなにか使えるの?」


「身体強化とかの無属性と、・・・あとはさっき、ケイタとパートナーになったから、水属性が使えるようになったはずにゃ。でも魔法は1つも覚えていないにゃ。これからにゃ」


パートナーに、のくだりでちょっと照れて目をそらす。

俺のパートナーかわいいぞ!


「へえ~。無属性は響き的になんだけど、俺でも覚えられるかな?」


そう質問しながら、手の届く場所に居たオモチを抱っこする。


「うにゃ・・・えと、無属性っていうのは、実際にはそういう属性があるわけじゃにゃくて、

 属性を伴わない魔力操作って言われているニャ。だから魔力が使えれば誰でも覚えられるにゃ。」


「なるほど、そういう体系か」


ハ〇ター×ハ〇ターの念能力のイメージかな。

誰もが持っていて、固有技になる前の状態のエネルギー的な。

少なくとも俺の中ではそういう位置になりました。


「魔法は絶対覚えたほうがいいにゃ。 だから祝福の泉の前に、まずはこの国の王都に行くのがいいにゃ。」


「おお。ていうか、泉ってこの辺じゃないんだね。


「ん~。隣の国にあるにゃ」


「思ったより遠いな。そして王都か。ちょっと緊張するな。」


「王都は沢山の種族が暮らしているからオモチも平気にゃ。」


「ん~そうか。じゃあとりあえず一緒に目指しますか。」


「よろしくなのにゃ」



そこで俺はあることを思いつき、オモチに伝授した。


この時、俺はポーズを教えるためと言って、オモチを触りまくった。

明確な拒否はなかったので、最後まで堪能した。


そして・・・


「じゃあ首都へいくぞ! せーのっ「「おーっ」」」


二人して、右手を挙げておーっと言い合った。


尊い。



その時、少し離れた茂みがガサリと音を立てた。

誤字報告ありがとうございます。

反映させて頂きました!

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― 新着の感想 ―
[一言] モフモフとか動物愛玩系の人は何か気持ち悪い
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