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【第2話】自己紹介とパートナー契約(挿し絵あり)

「俺は押方圭太(おがた けいた)、大体、ケイタって呼ばれる」


俺は猫ちゃんの名前が知りたくてとりあえず名乗ってみる。


「ケイタ、なのにゃ? これからよろしくにゃ。

 そうにゃ、ボクの名前はケイタに付けてほしいにゃ」


四足歩行の姿勢からエジプト座り(犬でいうおすわりの姿勢)になって、

目の前の白くて美しい猫が言った。



「名前? どんな感じのがいいかな」


「親しみを込めて呼んでもらえる名前がいいにゃ。

ちなみにボクの種族にはオスとかメスとかはないにゃ」


確かに声は幼い子ども、どっちか判別できない感じの声だ。


「へえ~ 種族って聞いても?」


「ボクはケットシーにゃ。 ケイタから名前を付けてもらったら、里の外でも人型に変身できるにゃ」


あ、これは、このにゃんこが俺のお助けキャラ的な存在になってくれるのかな。

控えめに言って最高です。性格もよさそう。



「その、名づけって、結構重要なイベントなんじゃ」


気持ちを落ち着け、ゆっくりと話しかける。


「そうにゃ。 でも重要なイベントはもっと沢山あるにゃ」


そういって、両手をこんなにいっぱいと広げる。

あざとい。


「名前を付けると、契約するとか?」


にやけている自覚があるが、気になる事をどんどん聞いていこう。


「そうにゃ。 ボクとケイタがパートナーになるのにゃ」


「最高です」


「本当にゃ!? 受け入れてくれるのかにゃ!?」


ちょっと前のめりになってそう聞いてくる。


「もちろんです。名前を決めよう! 親しみを感じられる名前だよね」


「そうにゃ! よろしくたのむにゃ」


そういって、目の前の猫は緊張した面持ちで見つめてきた。



「しろちゃんとか」


「だめにゃ。その名前は別のケットシーにいるにゃ」


「お」


(ゲームでも名前を決める画面で長時間ストップしてしまう俺には難易度が高い)


「ちいちゃんてのはどうかな」


「それはボクの通っていた学校の先生の名前にゃ」


「ちいちゃん先生か・・・・いやそれはいいとして。

 ん~ とはいえ、適当に名前を言っていくのも違う気がするしなあ」


俺は目の前の猫を見ながら考える。

いつの間にかエジプト座りから、尻尾巻き座り(エジプト座りの状態で、自分に尻尾を巻き付けるた状態)に変わったボクッ子ケットシーを見ながら大いに悩んでしまう。


(目がきれいだからレンズとか、ボタンとか。和名で考えてみるか? 俺が呼んで恥ずかしくない名前がいいな)


「あ、オモチ、というのはどうかな」


「オモチにゃ?」


「白つながりなんだけど」


「う~ん、うん!じゃあ、オモチにするにゃ!」


そう宣言した瞬間に、目の前の猫・・・オモチがやさしく発光する。



「あ。オモチが分かる」


【ケット・シー ■■■■■■とパートナーになりました】

【名前がリセットされました。新しい名前はオモチと設定されました】


なんと目の前1メートル程先に四角いウィンドウが表示された。


「おお。これは正にファンタジー」

ちょっと安易だったかなと思ったけど仕方ない。


ウィンドウに気を取られていたが、書いてあるのが2行なのですぐにその先に居るであろうオモチに関心が移る。


「ケイタ、よろしくにゃ!」


そこには二足歩行で立つ、かわいらしい猫!


あれ?人型ってこれ?

猫が、そのまんま立ち上がったって感じだが。


あ、でもこれは骨格が変わったんだろうな。

ニャ●スのように、直立不動で立っているからな。



「抱っこしてもいい?」


そういうと、オモチは照れた様子を見せながらも、てちてちとこちらに歩いてきた。


「よしよし」


オモチを左腕の中に回収して、右手で優しくなでる。


猫マッサージは野良猫たちで鍛えているんだぞ!

でもセオリー通り、最初は軽めにしておく。


それでも少ししたらオモチは目をつむり、

ごろごろと心地よさそうな音を出し始めたのであった。


挿絵(By みてみん)

オモチのイメージ

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[一言] オモチねえ、わざとらしい気もするような
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