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その3

上段から流れる落ちる毒沼の流れに逆らい

たどり着いた第さ3レベル!空気が一気に変わる!

毒の瘴気がまるで見えない壁の様に、体にまとわりつく

生命の気配は無いように思われるが、侵入してきた3人に向けて、強力な殺意が、遠く近く、こちらを向いている。

生命を拒む、毒の剣山!!

ゲルババ沼地 レベル3『喘ぎの森』


流れる毒によって削られた岩々が無数の石柱を作っている、毒と一緒運ばれる空気は、剣山の様な石柱達にぶつかると、ひどい音をたてなが通り抜けいく。


「もう一度聞きますが、本当にお2人は平気なのですか……?」

呆れた様な声でシシカバが、オグナとエイトを見る


「えっ?」

オグナは、キョロキョロと自分の体を見回した後に、首をはい!と縦にふる、エイトは無言でVサインをシシカバに向ける


「ここ辺りからは、僕でも少し毒気を不快に感じるのに…お2人は何者なのですか?」


シシカバが驚くのも無理は無い。

毒に耐性の無い生物がここ来れば、肺は腐り、毒の沼に触れた皮膚は骨まで蝋の様に溶け、10分も経たずに絶滅しているだろう。

しかし、オグナ達はマスクなのど防具はおろか

防毒魔法すら使っていない様子だ。


「まぁ…いいや。ここからは、一気に毒も敵も強くなります。小さなかすり傷が致命傷になる事もあります。出来るだけ戦闘は避けて通りましょう。」


それから!っとシシカバは、指をピシっと立てる


「もしも、4本の角の生えた獅子の顔を持つ竜に出会ったら、決して闘おうとは思わず、とにかく逃げて下さい。そいつの名前は、『バンビーナ』 ゲルババで4本の指に入る危険なケダモノです」


と、言ったのも束の間


『ケダモノとは…心外だな…』

声と一緒にガルルと唸り声!!!!

仰ぎ見ますと、傍三階建てぐらいの石柱の上から

睨みを効かせて巨大な獅子の化け物がこちらを見下ろしている


『俺はコレでも竜なんだ…そこいらのヤツと一緒してもらっては困る』


「ちっ!出てきたか!」


『出てくるしか無いだろう?せっかく俺の庭にゲイバリオスの坊やが、来てくれたんだから!」


真紅の鬣に鋭い牙、太く発達した四肢に、体の倍はあろうかと伸びた尻尾。その獣竜の瞳は死を呼び込む様に怪しく輝いている。


焦りの色を浮かばせたシシカバは丁寧に言葉を紡ぐ


「バンビーナ、貴女には用が無い、すまないが貴女の縄張りを通しては、くれないか?………」


『そいつは出来ない相談だな…俺の息子達が腹を空かせているんだ』


その声に合わせるように、ゾロゾロと無数の獣竜がこちらにやってくる。


『見ろ!この息子達の哀れで小さな体を…』


大型犬程の獣竜達をバンビーナが哀れそうに見つめる


「やるか!」っとエイトが体に力を込める


「いけません!」声は小さくしかし鋭くシシカバがエイトを制す


「お願いです!貴女とは戦いたく無い」


『そう言ってくれるなよ、つれない雄はモテないぜ』


バンビーナのオーラが膨れ上がる!

獣竜の放つ圧倒的なプレッシャーに、大気がビリビリと揺れる。

シシカバの全身に汗が吹き出す


「警戒を解いていただきたい。我々はこの奥に用があるのです」


『ほう…中央に用事がねぇ』


依然として放たれる、強烈なプレッシャー


『 "何を" しに行くきだい?』


シシカバの額の汗が地面に落ちる


「ヤツを… "ドネルケバを殺しに" 行きます」


『ブッ!ハハハハハ!!』


大笑いと同時にバンビーナがプレッシャーを解く


『やめときな……みすみす殺されに行くようなもんだ』

途端に、慈愛に満ちた表情に変わるバンビーナ


『悪い事は言わない……もう帰るんだ……』

優しい瞳でシシカバ達を諭す


「それは………出来ません!」

緊張感を保ったまま、シシカバが言葉を返す


『…この俺と()り合ってもかい?』

先程のプレッシャーが、心地良く感じるほど殺気

再び、解き放たれるバンビーナの強大なオーラ!


「ええ!…貴女を殺してでも」

ゴクリを唾を飲み込み臨戦態勢を取るシシカバ


『後悔する事になるぜ?』ニヤリと笑うバンビーナ

「貴女こそ」腹をくくったシシカバの表情から、焦りと恐怖が消える


すると、その緊張を破る1つの声


「よしよしよしよし!バカやめろってくすぐったい!舐めるな舐めるな!」


バンビーナな驚きの表情で笑い声の方をみやる


「ハハハくすぐったいって」

我が子らと、じゃれ付く男の姿

《じゃれつく》と可愛く言ったが、

息子達は至って真剣に 男にカブり付いている


((なんだ?こいつは……しかも…いつの間に))

バンビーナは一瞬たりとも油断していない、

だが見知らぬ男は、その死線をいとも簡単に掻い潜り

息子達をワシワシと撫でている


『…お前は?』との問いに

「いや〜かわいいお子さん達ですね!よしよしよしよし」

と、答えるのはオグナだ

「あーーー!ずるいーーー!!」

と仲間の女性、エイトもじゃれ合いに参加する


「ちょっ!おまぇ!関係ねぇだろ!人前でいちゃつくなって」


揉みくちゃになる二人と子供達


『坊やの仲間かい?』

「ええ…まぁ…」

先程までの張り詰めた緊張感はどこへやら


「バカ!体力を吸うな!」

「えー!いいじゃーん」


なんとも子供じみた騒ぎを見て


『やめな!お前達…興が削がれちまったよ…』

フッと消えるバンビーナのプレッシャー

バンビーナの号令に子供達も噛み付くのをピタリとやめる


『お前名前は?』


噛まれた竜の口から頭をぽこっ!と抜くと


「はじめましてマダム!俺はオグナと言います、で!こっちの…おい!離れろって!!!連れのエイトです」

「ダーリンの可愛いお嫁さんエイトです!」

「嫁じゃねーだろ!」


『…変な奴らだね』


ほとほと困った様子のバンビーナとシシカバ


「マダム、俺からもお願いだ!貴女の縄張りを通り抜けたい、それにこの子達のためにも貴女を傷付けたくない、マダムも俺達と戦いたく無いはずだ」


『俺が?』


「ええ!それにマダムですよね、ずっと俺達を監視していたのは」


『気付いていたのか』


「俺達が沼地に入った時から貴女の気配を感じていた、襲うなら最初からそうしていたハズだ、それに貴女は俺達なんて本当は気にしていない」


『ほぉ…』


「貴女の警戒は俺達に向いていない、本当に警戒しているのは、貴女のずっと後方、この沼地の奥だ」


『フッ…………面白い人間だね』


バンビーナの瞳が優しさを増す


『演技ってのは疲れるね…通っていいよ』


「バンビーナ!?本当ですか?」驚くシシカバ


『坊や…いい仲間が出来たじゃないか……仲良くするんだよ』


厳しい顔付きに浮かぶ聖母の様な微笑み


『お前達、道を開けてやりな』

子竜達が声に合わせて、道を作る


「ありがとうございます!バンビーナ」とシシカバは一礼を送る


『坊や、中央に行くなら1つ忠告だ!』

「忠告?」

改めてシシカバに緊張が走る


『中央で、何か良からぬ事が起きている………奥の連中の気配が消えたんだよ』


「!!!!!!」

その言葉に驚きを隠せないシシカバ


『まあ俺にとっちゃ!威張り散らした馬鹿どもが死んでくれたのは有難い…が、ボス達だけじゃねぇ……雑魚どもの気配も消えた………おかげでこっちは食糧難だ…外の奴らはここまで来れないからね』



ゲルババ沼地は、奥進むに連れて毒の濃度が濃くなっていく、毒の各濃度に順応しなければ生息する事は難しい

また、中央に進むにつれてモンスターの強さも上がる事から、生物の縄張りはドーナツ状の層になっている。

外側で暮らす弱い者達が中央に向かう事など、まず有り得ず、食料の調達は同レベル帯で行うか中央から外側に逃げて来た敗者を、さらに下の者が喰らうのである。



『今の(ドネルケバ)は、ただの殺戮マシーンさ……この1ヶ月、手当たり次第に遊んでやがる。俺の寝床に隠し通路がある。それで城壁の中まで進めるハズだ』


「そんな通路があるのですか?」


『昔、住んでた竜人の作った道だ、俺には小さ過ぎて通れねぇ、でも中央に行くにはコレが近道だ』


「なぜ我々に協力を?」


『俺も、あのクソ野郎(ドネルケバ)を殺したいのさ!それに』


「それに?」


『子供達と遊んでくれただろ?その礼さ…俺の寝床はあの1番高い石柱の下だ、行けば通路の扉がある。お前達なら、すぐわかるだろう』


「ありがとうマダム」


『マダムはよせ、バンビーナで充分だ』


と、瞬間!!


ー ゾクっー


皆の背中に悪寒が走る

見知らぬ巨獣の黒い影、気付けばすぐそこに立っている

獣は牙の間に、すでに生き絶えた子竜を咥えている



秒瞬の静寂

……


止まった思考が一気に動き出す!!

(((バカな!!!なぜ?ここに?)))

シシカバが思うも同時!


『うぉーーーーー!!!!!!!!!!!!』


バンビーナの爪は、間髪も開かずに獣に向かって伸びている


ー ッスパ

振り抜かれる獣の尻尾!

周囲の地面もろとも走る亀裂、吹き飛ぶのはバンビーナの首!

しかし、残った胴体が、意思を持つ様に!

爪を突き立て獣の体に組み付いた!


宙を舞うバンビーナの首がカバッ!と口を開き

放たれる光の咆哮!

『行けぇお前らー!!!!!!竜魔法(ドラゴニックマジック):【豪炎乃彗星連弾(メテオラッシュ)】』



「走れ!!!!!!!」叫ぶオグナ



全てを焼き尽くす灼熱の火球が獣に炸裂する

けたたましい光りが辺りを包んむ!

遅れてやってくる、連続した激しい爆発の衝撃!!!!


爆風に煽られて吹っ飛ばされるオグナ達!

数十メートル飛ばされて、小石の様に沼地を転がる!!


酸素の燃え尽きた爆心地!


更地になった地面にドサリと落ちきたバンビーナの首

その首は、先刻に放った自らの魔法で皮膚が溶けてしまっている


バンビーナの瞳に黒焦げた死体が写る


『野郎ーーーーー!俺の体をーー!!!!!』


無傷で佇むの獣の姿!

尻尾に刺した焦げたバンビーナの体をポイっと捨てる

2歩3歩とあるきバンビーナの首の前で獣が歩みを止める


グググと肺が膨れあがり


グぎゃぁぁぁアぁぁぁあーーーーーーーーーーー!


と、咆哮をあげる!

その獣の口に集まるエネルギー!


それがバンビーナの首にピカっと光った。



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