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霊媒師募集  作者: たまこ
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第十四章 霊媒師 ジャッキー-85

それから更に2時間。

ジャッキーさんの愛情カップ麺で腹の膨れた僕と水渦みうずさんは、あろうことか仕事中に寝落ちした。


「んも……大福ぅ……」

「清水……シネ……」


お互いの寝言で目を覚ました僕達は、痛む身体をさすりながら(水渦みうずさんは悪態もついていたよ!)ノロノロと起き上がる。

我らがリーダーは、ダメ部下2人の起床に気が付くと、『おはよ、よく寝てたから起こさなかったんだ』と怒りもしない、神か。

ああ、もう、この人には頭が上がらないよ。

ジャッキーさんも眠いだろうに、本当にすみませんでした。

だけど眠れたおかげで頭はだいぶスッキリしている。

普通に寝る5時間よりも、寝落ちの2時間の方が眠りが深いんだろうな。

しかし我ながら幽霊達がトンツートンツーうるさい中よく眠れたよ……あ、でも今は静かじゃない?

さすがにみんな喋り疲れたのだろうか。

まだちょっとだけ眠い目を擦り、黒十字様と幽霊達みんなの様子を視てみると、


「もっと早くに、こうなれたら良かったのにな」


そう言ってベッドに転がる黒十字様が、なんだかとても淋しそうに見えた。

ベッドのまわりには絵里ちゃん含む総勢25人の幽霊達がいて、やはり淋しそうに眉を寄せている。


『そうですなぁ。はくの傍にいるだけでも十分楽しかったでありますが、やはり意思疎通が出来ると出来ないとでは全く違いますな』


ピンクバンダー氏の呟きに、幽霊達みんなしんみりと頷き合っていた。


ベッドで仰向けになっていた黒十字様が、両手を天井に向かって伸ばした。

手指を広げたまま、何かを探しているようにヒラヒラと動かしている。


「なぁ、みんな。俺の手に触れてみてくれないか? たぶん分からないだろうけど、最後にさ、握手というか、まぁ、そんな気分なんだ」


と照れたように笑った。


____ダンダー ダーダンダーダーダー ダーダーダーダンダー


その音は、さっきまでの思い切り床を叩いていたのとまるで違う。

静かで、それでいて柔らかい。


「“イエス”か。へへ、なんか恥ずかしいな。あ、待って。俺、ちゃんと起きるから」


モゾモゾと起き上がった黒十字様はベッドの上で正座をすると、トレーナーのおなかの部分で両手をゴシゴシと擦り始めた。

それを見た幽霊達も黒十字様にならって手をゴシゴシ。

さらにそれを視た絵里ちゃんも、ワンピースでゴシゴシしようとしたのだけれど、ムーンラビット氏がセーラー服の赤いリボンで優しく拭いてあげていた。

なんか、お母さんみたいだな。


ふわりふわりと、オタク幽霊達が黒十字様に近づいていく。

前に、横に、上にと、25人もいるものだから、集まりきった頃には黒十字様の姿は、すっかり見えなくなってしまった。


____小生、はく殿を忘れませんぞ、

____幅広いジャンルに通じていたでござるな、

____世界でニ番目にイイ女はチャイニーズネ、一番はガキんちょアル、

____白はく様にサンタマリアのご加護があらんことを、

____ウチらがいなくなっても元気でね、

____ボソボソボソ……ボソ……ボソボソボソ……

____少しずつで良い、強くなってください、

____白はく、ありがとう、

____楽しかった、

____感謝、

____

______

_________にぃに、


幽霊達が団子のように重なったその奥から、絵里ちゃんのキャンディーボイスがまぎれ聞こえてきた。





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