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霊媒師募集  作者: たまこ
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第八章 霊媒師弥生-42

「勤務完了ったって、幽霊じゃ帰る家もないだろう?どうしてんだ?」


『だいたいみんな生前の家に戻ったり、適当な家におじゃましてテレビを見たりして楽しんでいますよ。この番組はここのお宅に行けば見れるってわかってきますからね』


「へぇ、そうなんだ」


『次に夜勤ですが、出勤したらまず院長室でミーティングです。現調班の報告を元に、建物内のあらゆる危険な場所を完璧に覚えてもらいます。なに難しい事はありません。私達は何十年もここにいるのですから』


なるほど、一気に覚えるのは大変だけど、毎日少しずつ情報が更新されるなら熟知も不可能じゃない。


『ミーティングが終われば、肝試しの若者が来るまでここで待機。みんなでおしゃべりをして過ごします。若者達がやってきたら仕事開始です。建物内を歩く彼らの後方に回り、うまく脅かしながら危険な場所から遠ざけ、安全なルートに誘導する。そしてなるべく早くお帰りいただく。ここで注意しなければいけないのは脅かしすぎないこと。驚きすぎて急に走りだしたり、転んでしまってはケガの元となりますから』


ああ、そうか。

だから、『うらめし……や』なんだ。

ベタすぎるセリフと溜めを入れゆっくりした話し方で、極端にびっくりさせない。

安全なルートに誘導する為にワザとそうしてたんだ。


『そうです。さすがに私達も『うらめし……や』と『ヒュゥドロドロドロ』で若者が震えあがるとは思っていません。でもね、この中暗いでしょう?雰囲気で多少は怖がってくれるんです。古典的ですが『うらめしや』が一番安全。長年やってきてわかったことです』


そう言って笑う院長の顔は穏やかで、彼を囲む看護師さん達もちょっと得意そうにニコニコと頷いていた。



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