第八章 霊媒師弥生-40
あろう事かウチのトップは、霊の熱視線を真っ向から受け止め、ジャケットを脱ぎ捨てると筋骨隆々の巨体をリズミカルに揺らし、散乱する瓦礫を足で一掃させると、激しいステップを踏み始めた!
「しゃ、社長!なにやってんですか!?」
狼狽える僕に、社長は背を向けたままこう言った。
「あぁ?決まってんだろ?ダンスバトルだ!アイツがさっきからカマンッ!カマンッ!ってバトルを挑んできてる!あんだけ挑発されて同じダンサーとして逃げる訳にはいかねぇ!」
同じダンサァ!?
誰がですかぁぁ!?
社長は霊媒師でしょぉぉぉ!?
いつからダンサーになったんですかぁぁぁ!?
「ハッ!エイミーの言いてぇ事はわかってる!俺がストリートを引退して何年たったんだ?あの頃みてぇに踊れるのか?って、言いてぇんだろ?」
まてまてまてまて!
社長がストリートダンサーだったなんて初耳なんですけどぉぉ?
そんなこと一切聞いたことないんですけどぉぉ?
「けど引けねぇよっ!アイツの目ぇ視ただろ?」
視た!視た!視ましたけど、言ってる意味がわからないぃ!!
「あれは絶対的な自信を持った目だ!テメェのダンスにプライドを持ってる……!ポールダンスとブレイキン、立つ舞台は違っても挑まれたら受けるしかねぇだろ!」
えっと落ち着け僕!
よくわかんないけど社長の専攻はブレイキン?だったってことでOK?
ブレイキンってブレイクダンス?
ああ、もう!ダンスの種類はどうだっていいや!どうせ説明されてもわからないし!
そんな事より、社長は本気だ……!
ダンスバトルを受ける気だ……!
てか、今って“襲う”と“脅かす”の違いを体感的に説明されてたはずなのに、なんだってこんな事にーっ!




