05…穴に入りたい
さて、どうするものか。
今更帰りたいと懇願しても、自由に行き来できるほど世の中甘くはないし、出来たとしても私に選択肢など与えてはくれないのだろう。
だけどね、だからね、なんでこうなるんだ?普通なら主人公とうふふあははパートとか主人公と友達になったりしてさ…まさかの前ですか。
ゲームでは主人公学園開始日は4/20となっている。なんとも微妙な日付だが、主人公は家庭内の事情により入学式より遅い転校となっていて、その日付前とか鬼畜プレイじゃないですか。
ゲームを知っていればこの人がいつどんな内容を話すのか大体は見当がつく、それこそが盛り場だし視聴者の好感度が上がるから。だが、その前の話で出来事や内容が分からなければ鬼畜ゲーが完成する。コミュニケーション能力がある人なら余裕かもしれないが、相手が病まない程度に交友関係を保つのはこの上難しい。
地雷を踏む自信がある私には難しい話なのだ。
「教えてくれてありがと」
「どーいたしまして」
引きつった笑みで述べれば、ジト目で見返してきて言葉が詰まる。あーあ、怪しまれちゃった。
にしても、まさか昴君の席の隣だとは居心地悪いな。いや、嫌いと言っているわけじゃないんだけど、やっぱり攻略対象の人とずっと一緒は息苦し言っていうか…休息の場が無い。
「あ、ナギ。教室に戻ってくるあいだ写しておいたから」
「本当に?ありがとう」
やっぱり昴君は出来る子犬だよなぁ…癒されるわ。ま、私は虐めて泣いちゃう方も好きですが。
昴君は撫でて欲しいのか、頭を少し下げて上目使いで私を見てくる。よしよしと軽めに撫でれば嬉しそうに唇を噛み締めて、頬が赤くなって…先生、鼻血が出そうで怖いです。
「ん…?鼻血でんの?」
「っ、聞こえてた?」
「まぁ…」
あはははははは!!穴があったらはまりたいです!!
あれー?私は自分を苦しめたいのかな?羞恥プレイですよコレ!ぁあもう!!
早く来いよ、主人公ちゃん!!
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