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『どこにも行くなよ』
きゅんがとまりませんっ!!
こちら、動画サイトの『野獣野郎共』の公式ページなのですが、遠藤さんのワイルドヴォイスが炸裂するこちら。
贅沢にも、遠藤さんのセリフです。
視聴者の方用へのサービスなのだそうです。
きゅんです。こんなことを言われてしまったあかつきには、自分だけに言われたような錯覚をしても無理はありません。
ですが、ストーカーがこれを観たがためにストーカーになってしまったのか、わたしには判断できません。
そして、寝る前にこれを観てしまったがために、今夜もなかなか寝付けそうにありません。
ゆうべ。寝ぼけた遠藤さんに足首をつかまれました。
昔のカノジョさんと間違えられたわけですが、不覚にもドキドキしてしまいました。
きっと、声が出ていたら、先のようなセリフが聞けたに違いありません。
役得です。
でも。勘違いさせることが仕事ですのに、真に受けられたらたまったもんじゃありません。
そう考えますと、どこまでがファンとしてゆるされるのか、難しいところですね。
でも、好きな人を困らせてしまうのは、きっと違うと思うのです。
わたしの部屋でかくまっている間に、ストーカーの人が自分の行動に気づいて目が覚めてくれることを祈ります。
そして、一日でも早く、遠藤しんの声が元のように戻りますように。
そう思っていた矢先に、またしても遠藤さんのスマホが振動します。
顔をしかめた遠藤さんが、しかたないなと言うように居間に歩いていきました。
洗い物はおしまいです。
わたしは、遠藤さんの電話の邪魔にならないよう、そばを通って部屋に向かうことにしました。
そのわたしの腕を、遠藤さんが乱暴につかみました。
そして、自分のスマホを見せつけます。
わたしは首を傾げて液晶パネルに目を落としました。
そこには、とんでもないことが書かれていました。
『野獣野郎共は、正式に解散することになったから、声明を出してくれ』
あまりよことに、空いた口がふさがりません。
遠藤さんは大学ノートに乱暴に書き連ねました。
【俺の声が出ない間に解散が決まったんだが、声明ってどう書けばいい?】
そしてそのメールは、野獣野郎共のマネージャーさんからのものでした。
声明と言われましても。
わたしにはどう言ったものかさっぱりわけがわかりません。
つづく




