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2ー3

 家路に帰り着きますと、遠藤さんは慣れた手つきで手を洗い、うがいをしました。


 どんな時でも、基本は手洗いうがいです!!


 今は声が出せない状況ですが、遠藤さんはボーカリストです。


 喉のケアは一流なのです。


 わたしも負けずに手洗いうがいをします。


 遠藤さんは口の端をにやりと曲げて、わたしを見下ろしてくださいました。


 さきほどの頭ぽんぽんといい、今夜の遠藤さんはきゅんで満ち満ちております。


 子供のようなうがいに自分で恥ずかしくなりながらも、豪快にがらがらしないと納得しないたちなのです。


 がらがらがらがら。


 あれ? 遠藤さんは鼻うがいまでするのですか? シュールです。ワイルド系イケメンの遠藤さんが、すました顔して鼻うがいです。


 残念ながら、わたしは鼻うがいはできません。


 過去に挑戦してみましたが、痛くてダメでした。


 そうして今日は遠藤さんの貴重な一面を見てしまいました。 鼻うがいです。


 頭ぽんぽんも思い出すときゅんとしますが、にやりと笑われたこともきゅんとしますが、鼻うがいですから。全部持って行ってしまいました。


 と、ふいに遠藤さんが大学ノートに万年筆で書き付けます。ノック式の万年筆なので筆記が早いのです!


【今夜はすき焼きでいいか?】

「もちろんです!!」


 そのためにたくさんの食材が必要だったのですね。


 なぜ気づけなかったのでしょう。一人暮らしを始めてから初めてのすき焼きです。


 なんだかとてもわくわくします。


 一口コンロをテーブルに設置すると、遠藤さんが次々と食材を鍋に押し込んでゆきます。


 当然焼き豆腐だって糸こんにゃくだって主役です。


【食べようか? いただきます】

「いただきます!!」


 遠藤さんの合図で箸を鍋に突っ込みます。狙いは白菜です!!


「ん〜。肉厚でおいしい〜!!」

【白菜から食べるなんて、通だな】


 褒められてしまいました。やったっ。


 そんなわけで遠藤さんとの初鍋はすき焼きでした。


 もちろんお肉もおいしかったのです。


 すき焼きがこんなにおいしかったなんて、知りませんでした。


 これはちょっと、癖になりそうです。


     つづく

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