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第22話 別れと魔剣と残った謎



太陽(のような惑星)はすっかり西(だと思われる方角)に傾き、空を赤く染めている。

遠くの空からはカラス(だと信じることにした)の鳴き声が聞こえ、なんか風流だななんて感想を抱く今日この頃である。


「マリさん、料理お上手なんですね。」


「はい、小さい頃からたくさん修行してましたから、花嫁の。」


「へ、へぇ………。」


「これで愛しの彼の胃袋とハートをグシャッと掴むんです!」


「ソ、ソウナンデスカ………。」


そんな掴み方をしたら、愛しの彼は死んでしまうので是非止めていただきたい。


戦いの後、俺たちは結局疲労、怪我の療養も含めてもう一泊リューシンに滞在することにした。

今は夕食の準備中だ。俺たち四人は一通りの治療を終え、普通に団らんしている。


「それにしてもあの作戦はケーイ…じゃなくてケータが考えたの?」


「まぁな。」


「そうだったんですか~。すごいですね。おかげで助かりました。」


「いえいえ!イアさんこそすごく強かったですよ!それにあの作戦はほとんどマリのおかげですし……」


「ううん、あの作戦思いついたのはケー君でしょ?なら今回の戦いのMVPはケー君だよ。私はただ手伝っただけ。」


うわぁ、超照れる。やべぇ、顔赤くなってないかな。


「え、えむぶい………?あ!でもマリさんとシバさんも強かったですね。マリさんはたくさん魔法を使えて、シバさんは戦い慣れしているというか………とにかく私一人では勝てなかったと思います。みなさんのおかげです。本当になんとお礼を言ったら良いか…」


「まぁまぁ、困ったときはお互い様って言ったのはあんたじゃん。それでいいんじゃない?」


「そうですよ!たまには良いこと言うなぁ、シバ。」


「『たまには』は余計だっての。」


「フフフ、そろそろご飯食べよ。おなかすいちゃった。」


「フフ、そうですね。」


どうやら夕飯が完成したようだ。


「それにしてもあのアンデッドがリューシン襲撃の犯人だったとは………」


夕食を食べながらイアさんが口を開く。

あ、そういえば…


「なぁ、凛…じゃなくてマリ。バフォメットって言ってたよな、あの魔獣のこと。そもそもバフォメットって何なんだ?」


どうやらこの中で俺が最も基本的なことを知らないので、一応聞いてみた。


「バフォメットは魔獣じゃなくて魔人の一種だよ、ケー君。」


「魔人?」


「え、それも知らないのかよ。」


犬山に若干引かれた。イアさんも苦笑いだ。


「魔人と言うのは魔獣と違って、知性がある種族のことです。魔人と魔獣、この二つの種族を合わせて魔族と人間は呼んでいます。魔族と人間の主な違いはその身体的特徴の他に聖属性魔法を使えるか、闇属性魔法を使えるか、という点です。」


イアさんが丁寧に説明してくれた。


「バフォメットはその魔人ってやつなんですか?」


「ええ、そうです。バフォメットは魔人の中でもかなり有名な方なんです。」


「おかしいのはなんでバフォメットなんてのがここにいたのかってことだよ。こんな辺境での目撃情報なんて今までなかったのに。しかもアンデッド化してるし。」


「え~と……そのアンデッドって言うのもよくわからないんですけど………」


すると凛堂が身を乗り出す。


「じゃあ、一から説明してあげるね。まずバフォメットって言うのはさっき言った通り、魔人って呼ばれる種族なの。次にアンデッドって言うのは人や動物とかの生き物の死体が動き出して他の生き物を襲う魔獣のこと。魔法使うのは珍しいんだけど、一応魔獣扱いされてるの。」


「アンデッドは俺たちの世界のゲームでよくあるゾンビみたいなものなのか?」


「う~ん、だいたい一緒かな。他にもリビングデッドなんて呼ばれることもあるかな。」


「じゃあ、もしかして何かの感染症とかで生まれてるのか?」


「あ!そう言えばそこが違うかも。実はね、アンデッドが誕生する仕組みはよくわかってないの。何かのウィルスかもしれないし、違うかもしれない。わかってるのはアンデッドになるのは死体であることと殺すには頭を潰すことぐらいなの。噛まれたら自分もアンデッドになるとかはないよ。でも、元々死体だから、噛まれるとどっちみち大変なことになるんだけどね。」


「なるほど、いろんなバイ菌を持ってそうだもんな。」


「で、今私たちが話してるのがどうしてここにバフォメットがいたのかってこと、どこであの魔剣を手に入れたのかってことだよ。」


「なるほど………でも、それのどこが謎なんだ?」


「「「……………………」」」


あれ?なんで急に静かになるの?もしかして俺地雷踏んだ?


「いえ、謎というか何というか……」


「なーんか気になるっつーか…………」


「うまく言えないんだけどね、腑に落ちないって言うのかな………」


三人がそれぞれ要領を得ない説明をした。

よくある『証拠はないけど、この人が犯人っぽい』みたいな感じなんだろう。刑事の勘ならぬ、冒険者の勘ってやつか。


「偶然魔剣持ったバフォメットがこの辺で死んでアンデッドになったってことじゃないのか?」


「「………………」」


「そう言われるとそうなんですけど…………」


三人はそれっきり黙ってしまった。

また地雷踏んだのかな、俺。てか、地雷多すぎない?


――――――――――――――――――



「本当にいいんですか?」


俺は恐る恐るイアさんに尋ねる。


「はい、構いません。先の戦いでケータさん達には大変お世話になりましたから、それに私とはどうも相性

が悪いようですから。」


イアさんは自身の手で持っているものに視線を向ける。その視線の先にあるのは魔剣だ。あの魔獣、もといバフォメットアンデッドが持っていたものだ。

戦いの翌日、イアさんが別れる前に俺たちに譲ると言ってきたのだ。

確かにすごく強そうだし、俺の剣は昨日あいつにボッキリ折られてしまったためとてもありがたい話なのだが………。


「でも……いいんですか?特に俺なんか何もしてないんですけど…。」


「遠慮しないでください。それに魔獣討伐の際の諸々のアイテムなどはそのパーティの山分けというのがセオリーですから。」


そう言いながら、俺に剣を差し出してくる。


「そうだよ、ケー君。ここまで言ってるんだしもらっちゃっても良いんじゃない?」


「あたしもそう思う。」


凛堂と犬山ももらうことに賛成のようだ。

しかし、本当にいいのか?確かに戦闘では俺たち四人で戦ったけど、主に戦ってたのは犬山とイアさんだし、凛堂は遠距離サポートで貢献してたし、俺がマジで何もしてないと思うんだけどな。とどめ差したのはイアさんだし。


そう思いながら俺は剣を受け取り、まじまじとそれを見つめる。

改めて見てみるとすごい剣だな。

全体的に赤みがかかっていて、刀身にも炎を表すような模様が描かれ、柄や鍔にも装飾が施されている。俺が今まで使っている剣と大きさはほとんど変わらないが、装飾があるためかあるいは使用している鉱石の密度が違うのか若干魔剣の方が重い気がした。


「………じゃあ、そういうことなら……」


結局、あまり気乗りはしないが譲り受けることにした。


「それでは私は一度近くの街に戻って今回の件の報告をしようと思います。皆さんはどうされますか?」


「私たちはこのまま旅を続けようと思います。」


イアさんの質問に凛堂が答える。


「そうですか。ではここでお別れですね。またどこかで会えるといいですね。」


「はい、お世話になりました。」


「ちぃーす」


「さようなら。」


こうして俺たちは別れを済ませてリューシンを後にした。


―――――――――――――



ここからはまた俺たち三人での旅だ。

ちなみにリューシンから少し離れるまでテレポートは使わないことになった。まだイアさんに見られちゃうかもしれないからな。


「それにしてもさー、まさか魔剣をくれるなんて思わなかったねー。」


しばらく歩いていると犬山が口を開く。


「そうだなー。」


「ま、あたしらもそれなりに活躍したからね。当然っちゃ当然の報酬かもね。」


「まぁな。」


「特にあたしの活躍なんかすごくなかった?スキル使えないのによく戦ったよ、我ながら。いやー、ほんとに。」


「そうだなー。」


「いやぁ~ほんとにすごい戦いだったなぁ~。超すごかった。何がすごかったってもう全部。全部すごかった。ね?あんたもそう思わない?」


「ハイハイ、すごかったすごかった。偉い偉い。」


「むー、何その反応?つまんなーい。」


ここで俺が適当な返事ばっかしてることに腹を立てたのか、犬山がすね始めた。


ちなみに凛堂は歩きながら剣の鞘をきれいに掃除してくれている。これは俺が今まで使っていた剣を収めていた物だ。魔剣の大きさがほぼ同じなのでもしかするとこの鞘にピッタリ合うかもしれないということで改めてきれいに拭いているのだ。本来なら俺がやることなんだけど、凛堂が頑として自分がやると言い張って聞かなかったのだ。


「甲斐甲斐しく彼氏に尽くす彼女。これって絶対理想の奥さんだよね//それでそれで『夜は俺の魔剣も綺麗にしてくれ』なんて言われて、そのまま………………キャーーーーー////////」


なんかぶつぶつ言ってるけど、聞かないでおこう。なんか怖いから。


「な~ぁ~、聞けよ~。暇なんだよ~。」


「聞いてる聞いてる。犬山がすごかったって話だろ。」


「リアクション薄い~。なんかもっとすごいリアクションしてよ~。」


「無茶言うなよ……。」


「じゃあ、わかった。あたしが今からあんたがチョー面白いリアクションする話してあげる。」


はぁ?いきなり何言ってんだ、こいつ。


「いやいや、そんな都合がいい話あるわけないだろ。でも止めてください、嫌な予感するんで。」


「バレンタインでもらった義理チョコを「うわあああああぁぁぁああぁぁあ!!」


なんで知ってるんだよぉぉおぉぉぉおおおおお!!!

自分の黒歴史を暴露され、思わず大声を上げてしまう。


「あっはっはっはっはっはっ!ヤバい!チョーウケるんだけど!!」


犬山はそんな俺の醜態を見て腹を抱えて爆笑している。

こいつ……人の皮を被った鬼なんじゃねぇか………?


「まったく、素直にあたしの戦う姿を褒めれば良かったんだよ。だいたいさぁ………」


突然犬山の言葉が止まる。


「ん?どうした?」


「いや……そういえばさ………どうしてあたし達戦い始めたんだろう?」


「え?どゆこと?」


俺はその質問の意味が全く分からなかった。凛堂も何のことかとこちらに注意を向けている。


「いやさ、戦う前にあたし達逃げようって話してなかったっけ?」


「…………………言われてみれば。」


「そうだね。そんなこと言ってた気がする………。」


俺と凛堂は目を合わせて確認し合った。確かにそうだ。


でもあのとき、魔獣に遭遇したとき逃げようなんて考えは全然浮かばなかった。まるで戦うのが当然のように相手に対峙していた思っていた。


「もうアドレナリンが出てた……とか?」


「いや、早すぎるでしょ。あいつと遭ってから数分だよ。」


「「「…………………」」」


割と的を射ていると思ったんだけどな。

俺たちの間に沈黙が訪れてしまった。


結局答えが分からなかったので、魔獣と対峙した時にテンションが上がってしまったという結論になった。やっぱり俺が言った通りじゃん、と思ったがこれを言うと犬山に文句を言われそうなので止めた。


「そういえば、イアさんがくれたこの剣俺が持ってていいのか?」


今までの会話を切り替えるように俺が尋ねた。


「うん、私はケー君が持ってていいと思うよ。」


「まぁ、あたしも。あんたが一番弱いし。」


おい。さらっと人を傷つけるようなことを言うんじゃありません。その通りなんだけど。


「でも……俺魔剣使ったことないし。それに魔法も使えないから俺より二人が持ってた方が強くなれるんじゃないのか?」


すると、二人はキョトンとした顔をしていた。何だその顔。


「いやいや、魔法が使えなくても関係ないでしょ、それ。」


「あ、私もしかしてケー君に魔剣とかの使い方教えてなかった?」


「え?………あ、あぁ、いや、教えてもらったことはなんとなく憶えてるけど、いざこうして持ってみると……」


「じゃあ……練習してく?」


と言うわけで、練習、もとい訓練することになった。


「でも本当にできるのか?」


「大丈夫だよ。前に説明したでしょ?この剣はハイブリッドだから。」


凛堂がアドバイスをくれた。


魔道具にはおおまかにその用途に応じて2種類ある。いや、人が魔道具を選ぶときに見るべきポイントによって2種類に分けられると言った方が正確だろう。

一つは使い手の魔法を補助する物、もう一つは使い手の使えない魔法を与える物である。


前者の魔道具は使い手がその属性を使えることを前提に作られている。例えば、火属性を使う戦士が火属性のタイプの魔道具を使うと、その威力が向上する、魔法の軌道が変えやすくなる、魔法発動のプロセスが効率化され消費する魔力量が減るなどというメリットがある。ただし、その魔法が使えない人にとっては意味がないものになってしまう。


逆に後者は火属性を使えない戦士が火属性を使いたいと言うときに使用するものである。しかし、これは威力が通常の魔法に比べて劣るという欠点がある。俺があのアンデッドとの戦闘で使った花火もこのタイプに属している。

この2種類は魔剣も同様に適用される。


そして魔道具の中でも二つの特長を併せ持つタイプがある。この魔剣はそのタイプ、いわゆるハイブリッドらしい。

ちなみにこのハイブリッドという呼称は凛堂たちが勝手に呼んでいるだけで特に決められた名前ではないらしい。


「この剣は俺にも使えるタイプってことか。」


この魔剣が後者の特徴を持つ物であれば、俺にも使える。


だが、ここである問題が立ちはだかっている。それは俺の魔法に対する素質である。前者の魔道具は使い手が特定の属性の魔力を流すことで起動する。しかし、後者の魔道具は使い手が属性を使えないことが前提なので、これらの道具は大抵無属性の魔力を流すことがトリガーとなっている。


ここが問題だ。俺には無属性の魔力すらないんじゃないのか?

この世界の人はどんなに魔法の才能がなくても余程のことがない限り簡易な無属性の魔法くらいは発動できる。思い出すのはあの特訓の日々だ。あの日あのとき俺は絶望した。簡単な無属性の魔法バレットすらまともにできなかったのだ。ちょっとしたトラウマさえある。


ほんとにできるのか?

ヤベぇ、なんか緊張してきた。


だが、試さないといけない。

覚悟を決めて魔力を込めてみる。


「!」


俺が剣に魔力を送ってみると剣から炎が放出され始めた。

その炎は徐々に剣を包んでいき完全に覆ってしまった。もちろん持ち手の部分以外である。


「おお……」


正直感激である。初めてまともに魔法ができた気がする。

まぁ、正しくは俺が魔法を発動したのではなく、剣が発動したわけだが、細かいとこはどうでもいい。今はこの感動を胸に焼き付けよう。


「お~、やったね!ケー君!」


凛堂も駆け寄ってきた。

いや~よかった。この世界で魔法とかファンタジー要素をほとんどやってなかったから、一生の思い出になりそうだ。


「小っさ。あのゾンビの方がもっとすごかったじゃん。」


だがそんなムードをぶちこわす犬山。

なんでそんなこと言うの?泣くよ、そろそろ。


「貸してみ。あたしの方がすごいから。」


渋々犬山に剣を貸す。すると、


「あっ!!」


突然犬山が大声を上げ、剣を離した。そのまま剣は地面に落ちる。


「おいおい、何やってんだよ。せっかくきれいにしてくれたんだからあんまり落とすなよ。」


俺はそう言って剣を拾おうとする。


「触るな!!!」


「え?」


俺が剣に触れようとした時犬山が叫んだ。

しかし俺は伸ばしていた手を止めることはできず、剣を掴んでしまった。

だが、何も起こらない。


「な、何急に?俺なんかした?」


俺は訳が分からず凛堂と犬山の顔を交互に見ていた。凛堂も状況を把握できてないようだった。


「ケーイチ、あんたなんともないの?」


「え?いや……何も………大丈夫だけど…」


「!ケー君、それ貸して!」


「は、はい!」


今度は凛堂が声を上げた。俺は条件反射的に凛堂に剣を渡した。


「っ!これ………。ケー君、ほんとに何も感じない?気分悪くなったりしてない?」


「お、おぉ、すこぶる快調だけど。」


「…じゃあ、これ……」


何何?お願いだから俺にも分かるように教えて。仲間はずれは止めて。


「ケー君!すごいよ!!この剣の適性があるんだよ!」


「て、適性?」


また知らない言葉が……


「適性って言うのはそのままの意味なんだけど、ケー君はこの剣使えて私たちは使えないってことなの。」


「え、なんで?」


「さぁ、それはあたし達には分かんないよ。全部こいつが勝手に決めんだから。」


へ?どゆこと?こいつって誰?


「いい?魔道具はときどき持ち主を選ぶことがあるの。特に魔剣とかがね。」


「選ぶ?この剣が?」


俺は思わず魔剣を指差してしまう。


「そう。魔道具は時々魔獣を素材にして作られるって教えたよね。その時に魔獣の残存意志が宿ることがあるんだって。それが自分の持ち主を決めることがあるらしいの。それでもし魔道具に使い手としてふさわしくないって判断されると……」


「さっきみたいにフラれちゃうってわけ。」


犬山が右手を見せてくる。さっき剣に触れた手だ。皮膚が赤くなっている。


「大丈夫か?それ。」


「あぁ、咄嗟に離したから。ちょっとやけどしただけ。」


「それなら良かったけど……。凛堂も使えないのか?」


「私はちょっと熱いって感じるぐらいだよ。けど、ケー君が何も感じないならたぶんケー君が一番いいんだよ。あのときのイアさんの言葉ってこう言う意味だったんだね。」


「あのとき?」


「ほら、剣を渡すときにさ、相性がどうとかって言ってたじゃん。」


「あ!あれってこのことだったのか。」


そういえばそんなことを言ってた気がする。あれってイアさんも魔剣の適性がないって意味だったのか。てっきり俺はイアさんの戦闘スタイルとこの剣が合わないって意味だと思っていた。


「でもなんで俺なんだ?」


「し~らない。」


こいつ…自分が使えないからって完全に拗ねてるだろ。


「私も分からない。魔道具が使い手を選ぶ基準は完全にその魔獣の個体差としか……。単純に強い人が選ばれたり、その属性が使える人、あとは……精神的な感じもあったっけ……」


なるほど。つまり


「こいつは俺のきれいな心に惹かれて俺を選んだのか!なかなかわかってるな!こいつ。」


俺は急に誇らしくなった。

魔法が使えて、その上内面まで褒められるなんてなんていい日なんだろう!


「あのアンデッドと同じきれいな心ね。」


犬山……わざとか?いや、わざとだな。確信犯だな。


そんなこんなで、魔剣の管理と使用は俺が一任された。



―――――――――――――――



「んー、この辺でいいかな。」


凛堂が立ち止まる。


「じゃあ、テレポートお願い。」


「はいはい。」


途中で少し寄り道したが、リューシンを出てから一時間ほど経っただろうか。充分リューシンから離れただろう。

そろそろテレポートを使うようだ。


何というかかなり久しぶりな気がする。このリューシンに来てからもめちゃくちゃなことに巻き込まれたからな。次はどんなところだろう。


などと俺は黄昏れていた。はっきり言って隙だらけだった。そんな隙を見逃さなかった。いや、見逃すはずがなかったんだ。


ザッ


一瞬だった。気配すら感じなかった。刹那の間にこいつは俺との距離を詰めてきた。そしてそのまま


「ケー君!」


凛堂は俺の体に手を回してきた。


「大好きなハグの時間だよ!」


忘れてたぁぁぁぁぁぁ!!



読んでくださりありがとうございます。

次回で第二章は完結となります。

第三章以降はまだ仕上がってないので、しばらく更新が空くと思われます。楽しみにしてくださってる方々には大変ご迷惑をおかけします。


今後ともこの作品をよろしくお願いします。

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