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狩人の血脈  作者: SKeLeton
第二章 現在
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ヴァルシュタット男爵家(広間)

「お帰りなさいませ。先ほどお着きです」


 王国首都郊外の屋敷、空軍士官服姿の男が重厚な扉を抜け広間に入ると、老執事が歩み寄りながら書類鞄を受け取った。


 そこへ、広間へ案内されていた初老の〈狩人かりゅうど〉が口を開いた。


「明朝改めてとも思うたのですが、火急かきゅうとのことでしたので」


 空軍士官であり、この男爵家だんしゃくけあるじでもあるルトギエル・ヴァルシュタット王国空軍中佐はまだ好青年と言っても、ご婦人方に怒られはしないであろう、屈託くったくのない笑顔を浮かべた。


「それは賢明でした。待ちかねていた。精霊に選ばれし者たる、あなた方にしかお願いできない特別な任務なのです。あなたが?」

「私ではなく……アウィスここへ」


 男爵の差し出された手をにぎり、その力強さを感じながら、初老の〈狩人かりゅうど〉は後ろにひかえていたアウィス・シルワウィリデでをうながした。


 深くこうべを垂れたアウィスは、頭を上げるとその黒い瞳で男爵の青い瞳を凝視ぎょうしした。


 男爵は何かをわずかに感じたが、初老の〈狩人かりゅうど〉の声にそのわずかな何かはき消えた。


あの日(・・・)も、一度お目通めどおりしておりまする。この者も、パレード警備のため随行ずいこうしておりましたので。若いとはいえ、場数も踏んでおりますれば」

「あぁ、あのとき(・・・・)に。なるほど、どおりで初めて会った気がしなかった訳だ。ときに……いや、今晩はゆっくり休んでほしい。任務の詳細については、明日、説明するとしよう」


 何事か言葉を飲み込んでしまった男爵に、〈狩人かりゅうど〉たちは何も言わずに一礼し、懐かしそうに笑顔を向ける執事しつじの声にみちびかれるまま、広間を後にした。

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