武器
俺は街の門の前まで来ていた。そして、門番に止められていた。
「止まれ。身分証明は持っているか?」
「冒険者になろうと思ってきたので、まだ持ってないです」
「ならば、この水晶に手をかざせ」
俺は門番の言うとおりに水晶に手をかざすと青色に光った。
「これは…?」
「ん?知らんのか?これは犯罪者かどうか見分けるための道具だな。赤色に光ると犯罪者だが青色は大丈夫だぞ」
へぇーなんかファンタジーっぽいな…
「それじゃあ、通っていいぞ」
俺とマイは無事に街に入ることができた。
「でっかいなー!それで、この街の名前ってなんだ?」
「レグルです。このフラミナ王国では3番目に大きな街ですよ」
「へぇーやっぱり大きいんだな…って見とれてちゃいけないな!」
「えぇ。まずはハクヤ様の武器を買わないとダメですからね」
今まで、自分の武器を持ったことがなく木刀だったからな。それに、俺の使う刀は大きな街じゃないとないらしいから、これを機に買おうと思ったんだぞ。
「武器屋ってどこにあるんだ…?」
「大丈夫ですよ。奥様から地図をもらっていますので案内します」
「頼りになるぜ」
母さんいつの間にマイに地図を渡したんだよ…まぁマイはめっちゃ頼りになるしいいけど…
「ふふ、では行きましょうか」
俺はマイと手を繋ぎ武器屋に向かった。
武器屋に着いたのはいいが…ここはやっているのか…看板が錆び付いてボロボロだぞ…
「本当にここでいいのか?」
「………地図ではここになっていますけど」
マイが持っている地図を見ると確かにこの場所だった。
「…仕方ない。入るぞ」
「…そうですね」
マイも不安そうな顔をしながら俺の後についてきた。俺もかなり心配だが…
「すいませーん!誰かいませんかー?」
――――シーン………
やっぱり潰れてんじゃないか…いや!あきらめるな!母さんがそんな店を紹介するわけないしな!
「すいまs「うるせぇーーーーーーーー!!!!!」
えぇ…来たのにその返しはひどくね!?もうちょっと優しく言ってくれよ…
「誰だ!俺の仕事を邪魔にしに来た奴は!!」
店の奥から出てきたのはドワーフのおっさんだった。
「俺です。母さんからここなら刀があると聞いたので」
「あぁ!?母さんだと!?名前はなんだ、坊主」
「ハクヤです。母さんの名前はレミリアって言います」
「レミリアの息子か!!俺の名前はドランだ。それで、ハクヤの使う武器はなんだ?」
「刀です」
「はっ!?」
おっさんが急に馴れ馴れしくなったのはいいが、刀と聞いてそんなに驚くか?
「ちょっと待ってろ!レミリアの息子のハクヤならあれを抜けるかもしれねぇ!!」
な、なんだ!?おっさんが急に立ち上がって奥に入っていったと思ったら、刀を持って戻ってきたんだが…
「ハクヤ!!これを抜いてみろ!」
俺はおっさんから黒い鞘に入った刀を渡された。
「これを抜けばいいんですか?」
「おう!」
俺は言われた通り、刀を抜くと真っ黒な刀剣だった。
「…本当に抜きやがった」
おっさんがなんか言っているが俺は気にせずこの刀を鑑定してみた。
名称 夜桜一刀
刀が認めた人にしか抜刀ができない。決して折れることはなく、魔力を込めると切れ味が増し、気を込めると反応速度が上がる。これは込める量を増やすと効果は上昇する。
めっちゃチート来たぁああああああああああ!!!!!!!
「おっさん!この刀にするぞ!!」
「気に入ってくれたようだな」
「それでいくらなんだ?」
おっさんは不敵な笑みを浮かべた。
「本当は金貨5枚と言いたいところだが、タダでやるわ!」
「えっ!?いいのか!?」
「そのかわりこの店の宣伝をしてくれよ!」
「そんくらいなら余裕だぜ!」
「なら、持っていきな」
おっさんの言うとおり、俺は夜桜一刀を腰に差した。
「おっさん!いいものありがとな!また来るぜ!」
「おう!いつでも来い!ハクヤなら大歓迎だ!!」
俺は最高の武器を手にすることができ満足をしながら冒険者ギルドに向かっていった。
ちなみに、ハクヤの父親は後々名前とステータスを出しますのでお楽しみに。
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