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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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フォースムーンテラー

四番目の月、勇者には不吉な影に見えたようです。

フォースムーン。


四番目の月。


ある者は不吉の前兆と言い、ある者はフォース(力)の復活を意味すると言う。


---


勇者の「自宅」


みなが寝静まった頃、廊下の突き当たりに音もなく「門」(ゲート)が開く。


「待ちに待ったフォースムーン。一年を通じて数度あるか無いかという、わが一族の力が最高に高まるこの夜がようやく来たのだ。この力なくしては「門」(ゲート)の固定は不可能。目印となる仕掛けもきちんと作動したようだのう」


そこには二人分の影。


「エイト様に許可を取らなくてもよろしいのですか?」


「わらわとエイトの仲ゆえ、事後でもよかろう。それよりも「門」(ゲート)が閉じぬうちに固定を」


「は、はい」


二人目の影が漆黒の「門」(ゲート)を操作し、きらびやかなドアに変化させる。


ガチャリとドアノブが回り、誰かが向こう側から姿を現す。


「これで「門」(ゲート)の固定は完了しました。テストも万全です」


三人目の影が小さな声で一人目に伝える。


「よし、エイトの寝室へ急ごう」


---


三人分の影は二階に上がり、勇者の寝室を目指す。


「わらわの分身の気配を感じぬ。代わりに強大な魔力の塊が二つ。はて、どちらがエイトなのだ」


一番近いドアが音も無く開く。寝室の中は真っ暗で何も見えない。


「ひとつ、エイトを驚かせてやろう」


声の主はベッドでうつぶせに眠る人物をひっくりかえすと、即効でその唇を自身の唇でふさいだ!


「んんん!んんーーーーーーー」


「この唇の感触、お、おぬしはエイトではないのか!」


ごとごとと騒がしい物音を聞きつけ、現場に勇者とソネッタさんが駆けつける。


寝室の魔導ランプが輝く。


ベッドの上で一人の少女が口を抑えて涙目になっていた。


「アルマ!大丈夫か? 精霊女王?」


---


「わらわの分身よ、せっかくのフォースムーンだというのに寝ておるとは…」


「すまほーちゃん」の中から飛び出した精霊女王の分身のアバターが平謝りしている。


分身が寝ていた為、僕の居場所がつかめず、魔力を頼りに夜這いを掛けたらアルマの部屋だったという。


同じ部屋にいたアルマの母親は、不眠症とのことで沈静魔導により熟睡しており、騒ぎには気がついていない。


「とりあえず食堂に移動しましょう」


僕はその場の人たちに提案をする。


---


「すまなかったの。まさか別人とも思わず」


精霊女王はアルマに平謝りの最中だ。


アルマは最初僕が何かしたのかと思ったらしい。まだ信用されてないのは仕方ないが、僕は夜這いされたことはあってもしたことはない!(断言)


「なるほど、強大な魔力を感じるわけじゃ」


ゴーレムを操っていたアルマの力について精霊女王に説明をする。


そもそも精霊女王は何をしに来たのか。


「エイトの生気が恋しくてな。ちょっと吸いに」


禁煙に失敗した人のいいわけみたいだ!


「ち、違います!精霊女王様!ちゃんと打ち合わせどおりに!」


女王の従者、エリーナが反論する。打ち合わせって!


買い食いのため、人里に下りる癖のついた女王を安全に行き来させるために警備の厳重なこの家を選んだという。


行き先は城の屋台村だ。あそこならまぁ安全であろう。


「護衛には地精霊がつきますので」


目をぎらつかせた地精霊が僕のほうをじっと見ている。あなたも僕が目当てなのか!テーブルの下から蔦が這ってきたので足で踏むと「キャッ」と言ってひっこめた。


「もちろんタダというわけではありません」


エリーナは懐から皮袋を取り出し、テーブルの上に中身を並べる。粒のそろったローズクォーツのような石が20個あまり。


「これは高純度の精霊石です。女王の出入りを許可していただけるのでしたら、一ヶ月に一袋提供することを約束します」


精霊石は高度な魔導具の作成に欠かせない素材のひとつだと言う。入手するには魔獣のすむ迷宮に赴く必要があり、出る精霊石は数も少なく、純度も低いという。


「それと、大変申し上げにくいのですが、精霊女王様は勇者様の力(生気)が無ければ職務を遂行できないと申しております」


女王とて玉座にふんぞり返るだけが仕事ではない。国内の情勢に目を通し、書類を見極め、判を打ち、時には修正を行い。その激務?を行うための力が僕だというのだ。


「勇者様の力を精霊女王様に定期的に譲渡していただけるのでしたら」


エリーナはもう一袋、精霊石を取り出す。


「精霊石を二倍提供いたします」


突然「ジャーン!」というSEが鳴った。いつのまにか起きて話に参加していたお騒がせ妖精のソニアがしてやったりな顔をしている。たぶん僕にしか聞こえていない。どこの通販(ry


どちらも、僕の一存では決められないことだ。国王さまと王妃さまが起きてからもう一度話をするということで解散となった。

魔導具ということであればサバンナさんとシルビアさんにも同席してもらったほうがいいだろう。


---


「それでは精霊女王様、お帰りはあちらですね?」


廊下の突き当たりにできたゴージャスな扉を指差すと、精霊女王がイヤイヤをする。


「今日はお泊りをするつもりできたのだ!」


女王は魔力でまくらを作り出すが、みえみえすぎる。


「部屋はまだ空いてますので、案内しましょう」


精霊女王、今度はお子様サイズに縮んだ!しかも地精霊も!


「えいとーだめかー?ひさしぶりにあったというのにー」


だめだ。このサイズの女王を見ると恥ずかしい思い出がよみがえる!そして、なぜか逆らえない。


「僕の部屋ならいいのですね?」


「うむ!よいのだ!」


言質は取った。女王と地精霊を抱えて自分の寝室に案内する。


一番隅のベッドに二人をぽいぽいと並べ、さっと布団をかける。割と和風な感じの掛け布団だ。


「僕の部屋です。一緒に寝るとはいいませんでしたよ!」


ツッコミが入る前に小さな声で二人に言う。


僕は姫さまを起こさないよう、そっとベッドに戻る。


何か文句のような呪文のような言葉が聞こえていたが、すぐに気にならなくなった。


僕が眠りに落ちたからだ。今日の抱き枕はさっき僕を驚かせた罰としてソニアが担当だ。


暑かろうが寝苦しかろうが拘束を緩めるつもりは無い!


※エリーナはちゃんと別室で寝たようです。

勇者の魔力と引き換えに精霊石が手に入る!

果たして、どんな結果に!

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