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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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勇者は人生の墓場について考える

浮いた話の無い勇者に急浮上した結婚話。

正妻は?側室は?そんなドロドロな話には決してならないぞと勇者は決意する。

タイミングを見計らったかのようにオパール王妃がやってきた。


「エイト様、シルフィール、立ち話もなんですから、中に入りましょう」


「はい、オパール王妃」


「はい、お母様」


「それでは私も」


マッスルキングさんも僕たちに続こうとしたがオパール王妃に止められた。


「あなたはしばらく外でお待ちください。例の件、マーガレットから報告を受けました」


「はい…」


マッスルキングさんはさらに小さくなる。


---


「フィリーさんの件、マーガレットから聞きました」


オパール王妃と姫さま、そして僕は食堂で話をすることになった。


妖精の国での一件について、マーガレットさんの説明がどうにもつじつまが合わないので僕に直接聞きに来たという。


「では、今すぐに、というわけでは?」


「はい、フィリーも回復したばかりで、おそらく気が動転していたのでしょう。よく考えるように言い聞かせてきました」


「エイトさまはどうお考えなのです?結婚について」


オパール王妃は僕の目をじっと見る。


「姫さまやフィリーが結婚して欲しいと言ってくれるのはありがたいです。今はまだ「世界の危機」の解決が先だと思っています。もし結婚するのであれば、帰る方法が見つかってもこちらの世界にとどまるつもりです」


「帰る方法が有ったとしてもですか?」


オパール王妃はすこし驚いた顔をしている。


「結婚して姫さまやフィリーを自分の世界に連れ帰れば、家族と離れ離れになってしまいます。それと、もえとずっと一緒にいると約束をしています。もえと一緒に帰る方法が無ければ、どのみちとどまるつもりでした」


何か言いたそうなオパール王妃を牽制する。


「家族が心配ですが、連絡を取ろうと思えばなんとかなりそうなので」


今度「預言書」に会ったときに聞いてみよう。


突然、「すまほーちゃん」に「めぇる」が届く。


「ちょっとすいません」


「すまほーちゃん」のディスプレイを見つめる。僕は「めぇる」の差出人欄を見て固まった。


「エイト様?」


「勇者さま?」


二人とも僕の様子がおかしいことに気づいているようだ。


「すいません、「すまほーちゃん」が壊れたみたいで…あとで双子に見させます」


とりあえず、今回の結婚騒動は保留となった。フィリーについては両親をこちらに呼び、話をすることになった。


---


僕は誰にも邪魔されない場所、書庫に調べ物をすると言って入る。


ポケットから「すまほーちゃん」を取り出す。


学校の下駄箱に入っていたラブレターを開ける感覚だろうか。


一度だけ似たような事があったが、隣と間違えたというありがちな展開でした。


気を取り直して、もう一度「すまほーちゃん」を見たが、差出人欄には見覚えのある名前があった。


「やっぱりひなちゃん、だよなぁ」


恐る恐る開封する。


しかし、どうやってメールが届くのか。十六夜おもらしさんの差し金には違い無いが。


内容は数行。僕の妹は元気そうだとか、会社のみんなも元気だとか。アニメのBDは少しづつ見ていてなかなか進まないとか。


後輩とは「境界の地」で会ってからそんなには経っていないはずなのに、ものすごく長い間会っていない気がする。


待ちぼうけを食らわせてもよくないので、すぐに「めぇる」を返す。


「『こちらは元気にやっています。妹が元気なようでよかった。アニメ、見たら感想聞かせて』文字数制限はどのくらいだろか…。うーん。送信…。」


精霊女王の分身のアバターが飛脚スタイルになって「すまほーちゃん」の奥へ「めぇる」を運んでいく。


「あるじさま、お夕飯の時間です」


もえが呼びにきてくれた。


「あるじさま?」


「もえ、ありがとう」


自分のいた世界からのメール。不思議とホームシックなどにはならなかった。


もえを抱えて、いつものにぎやかな食堂に入る。今日はオパール王妃もいる。


「そういえば国王さまは?」


その場にいた全員が「!」という表情になる。


オパール王妃はあらまぁという感じで


「シルフィール!お父様を呼びに行ってもらえる?」


「はい!お母様!」


国王さまは言いつけを守ってずっと玄関先にいたようだ。


食後、僕は憔悴しきった国王にお酒を注ぎ、愚痴を聞く事となった。


ついでに「魔導スピーカ」による操心術の上書きについても相談し、実験の場を設けてもらえることになった。


今日はゆっくりとお風呂に入れそうだ。

次回は最近すっとばし気味だったおふろです。(予告

オパール王妃がいる時点でお察しください。

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