ゲーミングご神体についてちょっと思うところのある勇者
「勇者さま、こちらの神社のご神体は何なのでしょう?」
「僕も詳しくは分かりませんが、多分あそこの銅鏡がそうじゃないかなと」
ライスリッチフィールドのツクヨミ神社には立派な竜の彫刻がなされたワザモノが安置されている。
元々は危ない方の宝物庫で眠っていた何もついていない剣のはずがご神体として祀られたことで格が上がったようで中の人が出てきてしまった。
その際に剣もアップグレードしており、まばゆく七色に輝くゲーミングご神体として参拝者の注目を集めている。
まさかそんなことになるとは思わなかったので今後同じような神社を建立する際にはご神体のチョイスをどうするか悩ましいところ。
かといってあまり地味な数打ちの剣などを奉納しても格好がつかないと思いますし。
一応儀礼用の剣なども存在するのですがゲーミングご神体を超えるようなものは無いんですよね。
そもそも刀身に彫刻を施すといった技術が無いらしく。
どこかの鍛冶屋さんに持ち込みで依頼すれば受けてもらえそうな気はするのですが。
タングラートにある商業ギルドに掛け合うのも良いかもしれない。
というかあそこくらいしか鍛冶職人の知り合いがいないんですが。
ライスリッチフィールドの武器庫にある工房には最近顔を出しておらず、どんな状況かも分かりませんので。
アイリス達を腐敗兵士から救った際にお世話になったきりで…。いつだったか強化したなまくら剣を置いてきてそのままだったような。
姫さま達は神社の境内に繰り出して本殿の中を一通り撮影したのち、思い出したかのようにお参りを始めた。
一応お作法に乗っ取って手水舎からスタートし、どこから出したのか銅貨を賽銭箱に入れて順番にお祈りをしている。
「神社と言えばお守りとおみくじですよね!こちらでも手に入るのでしょうか?」と姫さまがあちこち探している様子。
お守りを頒布する社務所らしき場所はシャッターが降りており、おみくじを売る真っ赤な自販機だけがぽつんと置かれている。
「姫さま、おみくじだけは買えるようです。おまもりはちょっと無理そうですね」
おそらくは妹さまがデータ取りをした際に社務所がしまっていたからだろうか。
「では、おみくじだけでも!」
中身足りるんだろうか?
1台しかないおみくじの販売機に長蛇の列が形成された。
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今日は派遣メイドさんもいらっしゃるので参拝客は60人ほどに増えている。
その派遣メイドさん達もミニスカ巫女服に着替えて参加しており、すこし内またになって歩く姿が散見される。
みなさんいいところのお嬢様ばかりのはずでおそらくは足をむき出しにするような服を着たのは初めてではなかろうか?
姫さまはニーハイ着用で問題が無いのか、普段通りに過ごしている。
問題があるとすればどりあーどさんだろうか。
バニー巫女というこれまた変わった服装となっており、どれだけ属性を詰め込めばよいのかという感じに。
「サブローさん、お母さんをあまり見ないでください」
アルマからお小言が。そんなに見つめてはいないのですが、何と言うか山脈がすごいことになっていますので。
山脈と言えばオパール王妃さまも大変なことになっていますけれど。
一国の王妃さまがどうして巫女服を、それもミニスカ姿にと疑問だらけですね。
普通の巫女服ならまだなんとか説明がつきそうなのですが。
うっかりしゃがんだりしたらおしりさまがウエルカムされそうな気がしてならないのですが。
なるべくクリティカルな部分は見ないように心がけつつ、みなさんの同行を見守ることに。
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「おにいちゃん、どうだった?」
「とてもよく出来ていると思ったよ。家と違って広いから苦労したんじゃない?」
「ひなおねえさんに手伝ってもらったから大丈夫だったよ!」
今時の3Dスキャナは手のひらサイズにコンパクト化され、操作もより簡単になっているらしい。
このスキャナも実はクロツキテクノロジー社製らしい。
世界の名所をスキャンするために開発されたものらしく、当初はナップサック1つ分くらいの機械だったらしいけれど、子供にも使えるくらいまでダウンサイジングが進んだようで。
ダイブカプセルで見ることが出来る名所のデータは全てクロツキが新しく取り直したとのことでそれだけでも莫大な費用が掛かっていると思われるが、カプセルを買うとついてくる初期コンテンツの一つとしてまとめられていると。
僕の母校で教材の一つとして取り入れられており、日本から往復で1か月はかかるであろうジャングルの奥にあるピラミッドも見放題となっている。
クロツキは他の学校にも抽選で機材を配布し、順調に人柱を増やしている様子。
今のところは何かしら問題が起きたという情報は入ってきていない。
人柱と言えば母校の女性教諭たちが積極的にダイブシステムを利用しており、接続深度が増える条件などももしかしたら探り出せるのではと期待されているとか。
「サブローはおみくじ引いたにゃ?」と大吉を見せびらかしに来たシロさん。
「そういえばまだでしたね。運試しに引いてみますか」
何故かポケットの中に入っていた銅貨をおみくじの自販機に投入し、レバーを押し下げると折りたたまれたおみくじが取り出し口に落ちる。
さて、結果は…。




