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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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保護したもふもふさまの治療を行う勇者

「勇者さま!」


姫さまが僕を呼ぶ声がしたので振り返ると本日の新入り6人を引き連れてじゃぶじゃぶとお風呂へ入ってきた。


「勇者さま、彼女達に癒しの力を流してはもらえませんか?」


「癒しの力ですか?何かあった…」


服を着ていて分からなかったが今日保護した5人は体のあちこちに青あざがいくつも出来ている。


境界の地での治療がリアルの体に影響する事はほぼ確定事項であり、ここで治してしまえば問題無いと思うのですが。


「それじゃあ洗い場のほうに移動しますか?浴槽の中ですと様子が見づらいですし」


せっかく来ていただいたがここで施術すると万が一があるといけませんので。


特にケモノの特徴を持つ方には僕の癒しの力は快楽中枢を刺激してしまうようでして。


この手の治療ならユークレスさんでも問題なく出来ると思われるのですが。


「おばあさまはご自身のお力を制御できる自信が無いと…」


もふもふさまですし仕方ないと言えばそれまでか。


ユークレスさんは過剰に魔力を流す傾向があり、特にもふもふさまを見ると歯止めが効かなくなるという。


後はお触りの仕方がちょっとねちっこいんですよね。セクハラにしか見えないんですけれどユークレスさん自身が見た目中学生女子なのであまり違法に見えないと言いますか。


そういえばまだ名前聞いてなかったなと思いつつ彼女達の傷の具合を見ることに。


姫さまは証拠写真は撮ってあるというのでそのまま治してしまっても問題無いかな。


あのカルロスという男が暴力を振るったのだろうか?余罪がかなりあり残された奴隷証文の写しを精査している最中。


明日は奴隷の売り先を調べに行くことになっているそうで。


僕は後方待機を命じられている。


---


「軽く診察しますのでちょっとくすぐったいかもしれませんが我慢してください」


傷の具合を見るために魔力をソナーのように全身に流し、マッピングを試みる。


この力はいつの間にか備わっていたものでおそらく複数人の古傷を癒したり、枯れ木の病を治療するなどしてある程度の実績を積んだ事で生えてきたのだろう。


洗い場の腰掛に患者を座らせ、両肩に手を置いて一瞬だけ魔力を流す。


「ひゃ!」っと声を上げるもふもふさま。


狭い場所に閉じ込められていたせいか筋力の低下が見られ、治りきっていない打ち身の症状なども確認できた。


筋力についてはひとまず置いといて打ち身を先に直してしまうことにする。


「辛かったら言ってください。ヒートボディ!」


「にゃああああああ!」


多分全身がむず痒いようなちくちくした痛みに襲われているのだろう。


体内の原始精霊に直接魔力を流し込み、細胞の代謝を極限まで高めることで強制的に自然治癒を行うこの荒っぽい治療法は試行錯誤の末に生み出されたもの。


通常のヒールリングによる治療、ぽーしょんによる手当よりもさらに効率よく治療できるよう、双子と共に施術方法を編み出したのだ。


これはユークレスさんやオパール王妃にも伝授しているのだが、僕ほどの効率で治療が出来るまでには至っていない。


「よくがんばりましたね。あと2回か3回で完全に治ると思います」


いきなり全力で治してしまうと後遺症が出る恐れがあるので傷が深い場合、年月の経った古傷の治療は何度かに分けて行うようにしている。


以前治療したサラさんの症例が非常に役に立っている。


彼女は歩く事さえままならないほどの大けがをしていたが、数回にわたる施術で健康な体を取り戻した。


右肩から左の腰あたりまであった背中の大きな傷は目を凝らしても分からないくらいには治っている。


薄くなった傷跡は妹のランに追加の施術を任せており、毎晩お風呂で魔力を流すのが日課となっている。


ちょっとふらつくねこみみのもふもふさまを姫さまに預け、次の患者の治療を行う事にした。


---


5人の治療を終え、ついでと言っては何だがミドリさんも様子を見ておくことに。


彼女は縛られていた手足に一部内出血が見られ、擦り傷もあるのでさくっと治療を。


「ミドリさん、今から怪我を直しますが古傷も一緒に無くなると思うのでそこだけ注意を」


鈴のように額に残る傷跡を残したいという場合もあるので念の為に聞いている。


彼女の場合、自身の前世を思い出すきっかけとなった怪我の跡を無くしたくないというのでそのままとしている。


薄く化粧をすれば全く見えなくなり、特に生活に支障が出るようなレベルでは無いので僕も無理に治すようには勧めていない。


「大丈夫です。古傷まで治るのですか?迷宮から出るぽーしょんでも治せないと聞いていますが…」


迷宮産のぽーしょんには非常に効き目の高い物があり、大昔には失った手足が生えてくるようなとんでもないものがあったようで。


まぁ、それ以上の効果のある神水は無尽蔵に生成できますし、エリクサーも既に大型コンテナ一杯ため込んでいるので何かあった時には放出しようと思っている。


既に各国には十分すぎるほどのストックをお渡ししてあるが実際に使ったという報告はまだ来ていない。


ラストエリクサーにならなければ良いのですが。


ミドリさんに魔力を注ぎ込むと「こやあああああ!」と悲鳴が。


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