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異世界に呼ばれた僕は姫様を食べるようお願いされた。  作者: まなみ5歳


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なんでもおこたえちゃんのリリースと勇者

「雨雲が見えなくなりましたね…」


大雨を降らせていた巨大な雨雲は魔導結界の外へ流れていき、ドローンの観測圏外となった。


ドローンは魔導結界の外を飛ばすには脆弱すぎて外に出していないのと、微量でも魔力を持つ物体によって結界の外の魔獣を刺激しないようにという配慮から。


今ドローンを散布している領域で新たな脅威は発見されていない。


あの雨雲がイレギュラーだったようで、発生のメカニズムはこれから調べるところだ。


前後のログは解析に回しており、明日の朝には何かしらの調査結果が出るだろう。


「勇者さま、この果実水をお屋敷でも飲めるように出来ませんか?」


こちらの世界にもオレンジに似た果物はあるが酸っぱすぎてそのまま食べるのは難しい。


大抵はジャムなどに加工され、砂糖をこれでもかと突っ込まれると。


オレンジジュースは一般自販機でも取り扱っていますが濃縮果汁還元なので生絞りにはちょっと勝てない様子。


後はエンターテイメント性でしょうか。


お屋敷にまたしても謎な自販機を増やすことになりそうだ。


おそらくはオレンジはどこか別の空間から自動的に補充されると思われるが、実際に見ないと何とも言えないんですよね。


それを言い出すとコンビニ自販機のサンドイッチなどはどこから来るのか、ポテチはどこで製造されているのかと謎だらけですが。


おそらくはおおえだちゃんのおうちの備品として新型自販機が登録されていると思い、リモートでバックヤードを開くと見慣れないページがいくつか出来ていた。


派遣メイド宿舎に生やす自販機を取りに行く予定だったのでその時に持ってくればよいか。


「サブロー、お酒もたのむにゃ」


「わがつがいよ、出先領地にもこのきき酒を」


きき酒に嵌った人からリクエストが。


ちなみに地球へ持ち出すにはサイズオーバーどころの話では無いのでそこは我慢していただくことに。


明日、大雨の被害状況を確認し対応が決まった後でハマトーメン村に行けばよいか。


今夜はよっぱらいを量産したところでお開きとなった。


ひなちゃんが本当に残念そうな顔でお酒の自販機を見ているんですが…。


ここで一口を許してしまうとどんな事になるのか怖くて仕方ないので。


あ、そういえば薫先生を迎えに行ってなかった。と思ったら今夜はログイン出来ませんというメッセージが来ていた。


何かあったのだろうか。ちょっと心配なのですが。


---


「どうして私が…」


勇者が境界の地に赴くすこし前、薫はパソコンの画面とにらめっこをしていた。


夕方、急遽決まった保護者説明会の資料作りを丸投げされたのだ。


女性教員のエステ通い疑惑はついに保護者説明会を開くまでの騒ぎとなり、渦中の人物である薫に白羽の矢が立つことに。


「校長先生も恩恵を受けている一人なのにどうして私だけ…」


多分一番効果を感じているのは校長なのに…と薫は思った。


最近はめがねも掛けず、長年患っていた腰やひざの痛みからも解放され、エネルギッシュに動き回っている。


ちなみにVR温泉による美容効果についてはもう少し秘匿するようにとクロツキテクノロジー社からお知らせが来ている。


解禁日はDSOVRベータ版の当選発表後というスケジュールが来ているが、まだ3週間ほど先となる。


今の段階で話せるのはあくまでも仮説を説明するにとどめるという難しい線引きが必要で、どこまでが許されるのか一度クロツキテクノロジーへ問い合わせなくてはならない。


「益田君にはログイン出来ないって送っちゃったけど今から話を聞きに行こうかしら…」


とはいえ、まだ話すことも決まっていないので相談以前の問題となる。


まずはどう説明を切り出すかの糸口から決めなくては。


「さすがに一般向けのAIを使うわけにもいかないし…益田君に頼んで完全ローカルなAIを用意してもらおうかしら」


月に3千円程度で使えるAIシステムは提供元に情報が駄々洩れでとても使う気にはなれない。


玄人向けのシステムはそもそもが薫が使うには設定項目が多すぎて無理である。


先日教員向けのAIセミナーを受講したばかりだが、薫は益田からもAIの危険性について話を聞いている。


情報漏えいしないローカルAIならいつでも用意しますよ。とは言われていたが、まさか本当に頼ることになるとは。


「あれ?スマホにこんなアイコンあったかな…」


薫が益田に連絡を取ろうとスマホを操作すると、見慣れないアイコンが一つ増えていた。


「なんでもおこたえちゃん?何かしらこれ?」


薫はとりあえず益田へ尋ねることにした。


---


「シース、レーネ。もしかして新しいアプリを作ったの?」


「「なんでもおこたえちゃんをつくりましたなの」です」


何の前触れもなくいきなり実装されるアプリ。僕の所では見ることのできないものもいくつかあるが、今回のアプリは珍しく全体公開である。


薫先生からの問い合わせで発覚した。というかいつ作っているんだろう。


アプリの内容を聞くと個人でお手軽に使えるローカルAIらしい。


「「たいでんしせんようゆにっとをへいれつせつぞくしてけいさんのうりょくをこうじょうさせましたなの」です」


いつぞや境界の地に流れ着いた対電子戦用コンテナ。それをツクヨミ神社境内下に埋まっている仮想マシン内に数万台レベルで複製し、AIの推論に使えるよう魔改造を行ったと。


「「ぱーそならいずかのうなの」です」


利用者一人ひとりに領域を割り当て、相互に干渉しないサンドボックスを構築できるという。


Aさんが学習させたモデルはAさんだけが使えるという寸法らしい。


利用に際し、すまほーちゃんで認証した各種マシンのブラウザからアクセス可能というので、謎PCであったり地球ならばノートやデスクトップからも使用できる。


何故このタイミングで?という感じなのですが。

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