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大学編 - 第25話:「冷たい知性」

第3巻 - 第2話 - [成人向け制限:MA31+]

[ナレーター:ある種の人間は、自らの中から「排除(リムーブ)したもの」のゆえに恐怖を与える。サクラが構築した、あの空虚(ヴォイド)。感情を処理するキャパシティ(容量)を自らの外部へと排出した人間特有の、特定の空っぽさ。なぜなら、物事を感じることは負債(ライアビリティ)だからだ。その種の恐怖には、シェイプ(形)がある。マッピング可能なアーキテクチャがある。それには床(フロア)が存在する――リユラはサクラの床を行踪した。中身が空洞なモノの床は、あなたも行踪することができる。なぜなら空洞なモノは、あなたがその底(ボトム)に到達した時、そこが底であることを告げる音を創り出すからだ。しかし、ある種の人間は、自らの中から「排除していないもの」のゆえに恐怖を与える。なぜなら、彼らは満たされている(フル)からだ。彼らは物事を本心から可笑しいと思い、美しいと思い、興味深いと思い、関与する価値があると思っているからだ。彼らはあなたの真向かいに腰掛け、お茶を飲み、自分が実際に耳を傾けていたことを証明する質問を投げかけ、演技(パフォーマンス)ではない何かを伴ってコミュニティ組織の目的を鑑賞(アプリシエート)するからだ。そして彼らは、人間を殺害(キル)する。そして、それを実行することを愛している。そして7年間で一度たりとも、それについて満足(サティスファクション)以外のいかなるモノも感じたことがない。式神呪(シキガミ・ノロイ)の内部には、行踪すべき床が存在しない。彼が空洞だからではない。彼が、一番下にいたるまで(オール・ザ・ウェイ・ダウン)完全に満たされているからだ。第2話へようこそ。このシリーズがこれまでに一度も創り出したことのないモノの真向かいに腰掛ける時間へようこそ。お茶が美味(グッド)であり、会話が本物(ジェニュイン)であり、そして恐怖(ホラー)がその両方の事象の中に「同時に」存在している、その空間へようこそ。]


第一部:ティー(お茶)

彼はそれを正しく(コレクトリー)作った。


呪はウィンドウの近くのテーブルに腰掛けていた――藤原さんが常に座っていたテーブル、今週も、そしてこれからの数週間も空席(エンプティ)であり続ける椅子に、呪はそれを知ることなしに、それを知るいかなる手段も保持することなしに座っていた。そして、自らのベースラインである、特定の注意深い品質(アテンティブ・クオリティ)を伴ってコミュニティ組織の周囲を見渡していた。脅威をアセスメント(評価)しているのではない。計画を立てているのでもない。ただ:見つめていた。その空間が何であり、何のためのモノであるのかに、実際に興味を抱いている状態。


リユラは彼の前にティーを配置(セット)した。真向かいに腰掛けた。


「ありがとう」呪は言った。彼はカップを拾い上げた。飲んだ。彼の表情は、完全に本物(ジェニュイン)である何かをプロデュース(生産)した――美味いお茶を鑑賞し、それに遭遇した人間特有の、特定のレスポンス。「これは美味いな」


「ああ」リユラは言った。「正しい温度で作られている」呪は言った。「大半の人間はそうしない。彼らは急ぎすぎる。水が熱すぎたり、抽出時間が短すぎたり。グッドなティーには忍耐(ペイシェンス)が必要だ」


「ああ」リユラは再び言った。


呪は彼を見た。黒髪。利用可能な最も誠実なモノである、あのニュートラルな表情。2年間にわたってリユラを明確に観察し続け、リユラがそれを必要としている人々のために正しくお茶を作るこの特定の空間において、自らを紹介するためにこの特定の木曜日を選択した、23歳の大学院生。


「君は、なぜ俺がここにいるのかを尋ねないんだね」呪は言った。「なぜお前がここにいるのか、俺は理解している」リユラは言った。


「ああ」呪は言った。「名前を見つけたんだな。ディレクトリだ」彼はそれを、賛同(アプルーヴァル)とは少し異なる何かを伴って口にした――どちらかと言えば:正確、予想通り、ある人間に対する自らの評価(エスティメーション)が、新しく形成されたのではなく、確認(コンファーム)された人間特有のレスポンス。「君が見つけられなかったら、俺は失望(ディサポインティッド)していただろうな」


「失望することを心配していたのか?」リユラは尋ねた Lights。


呪はこれを思考した。「いや」彼は言った。「心配はしていなかった。君を2年間ウォッチしてきたんだ。君のキャパシティ(能力)については、合理的なアセスメントを保持していた」彼は間を置いた。「ウォッチという言葉よりは、別の言葉の方が適切だな。観察(オブザーヴィング)。追跡(トラッキング)。利用可能な情報を通じて、君というモノの可視的な発現(マニフェステーションズ)をフォローすること」彼は再び間を置いた。「アビリティ。ワークショップのシチュエーション。友人グループの破壊(フラクチャー)。サクラ・イベント――これは俺の用語であり、君のモノではないが、黒い星々と冷たい知性、そして復讐オペレーションの期間のことだ」彼はリユラを見た。「俺はそのすべての物事をフォローしてきた」


[リユラの内心の独白:彼は第2巻のイベント(出来事)を、まるで何かのチャプター(章)であるかのように口にしている。自分がサバイブ(生存)しているこのシリーズを、まるで読んできたかのように。それは――それは、フレーム(枠)の外側から2年間ウォッチし続け、自分がウォッチしてきたモノに関する一貫したナラティブ(物語)を開発してきた人間特有の、特定のホラー(恐怖)だ。彼は俺が保持していないコンテキスト(文脈)を保持している。俺が内部から経験するしかなかった物事を、彼は外側から見つめていた。自分が内部でサバイブしている間に、外側でそれを読んでいた人間が、自分自身のストーリーを自分以上に熟知しているという、特定の失配向(ディスオリエンテーション)。そして彼は、そのすべてを、その対象を本心から興味深いと感じている人間特有の、特定の温かさを伴って口にしている。捕食者としての温かさではない。製造された温かさでもない。ただ:自分にとって魅惑的(ファシネイティング)な何かに対する、知的な関与(インテレクチュアル・エンゲイジメント)が保持する実際の本物の温かさ。それが俺だ。それが俺のライフ(人生)だ。彼はそれを、誰かがよく書かれたブック(本)を魅惑的だと行踪するのと同じやり方で行踪している。そして星の瞳は何も行踪していない。ギャップはない。構築された表面もない。ただ:その人間。本心から魅惑されている。と同時に、藤原エミの死に責任がある人間。両方が矛盾なしに同時に存在している。それなのに、俺はこのクソ野郎を逮捕させるための物理的な証拠(フィジカル・プルーフ)を一切保持していない。呪、お前という奴は。]


「メッセージだ」リユラは言った。「なぜ今なんだ。なぜ、すべての物事が沈殿した(セトリングした)後なんだ」


「なぜなら、俺が興味を抱いているのは君だからだ」呪はシンプルに言った。「明確に。星の瞳とそれが表現(代表)するモノ。リザーバーのフル表現とそのベースラインへの帰還。瞳が現在携えている、中間の色」彼は間を置いた。「俺が興味を抱いているのは、そのすべての物事から出現(エマージ)した人間なんだ。冷たい知性ではない。黒い星々でもない。その後の(アフターの)人間だ。リザーバーが撤退し、星々が変貌し、慎重で体系的な『~への途上』が再開された時、何が残留しているのかを俺は見つめたかった」彼は再び間を置いた。「君は、最中(デュアリング)よりも、その後(アフター)の方が興味深い。大半の人間はそうじゃない。大半の人間は、自らの最も極端(エクストリーム)な瞬間において最も興味深いモノだ。君は今この瞬間が最も興味深い。木曜日のコミュニティ組織。お茶を正しく作っている状態」


「木曜日(サーズデイ)だ」リユラは言った。呪は彼を見た。「何?」「コミュニティ組織は木曜日だ」リユラは言った。「火曜日(チューズデイ)じゃない」


一拍(ビート)。それから、呪は笑った(ラフした)。自らがエラー(誤り)を犯し、その修正(コレクション)が適切に配置された(デプロイされた)ことを行踪した人間特有の、本物の笑い。「木曜日」彼は確認した。「マイ・アポロジーズ(申し訳ない)。ノートから作業(ワーキング)していたものでね」彼は間を置いた。「君は俺を修正したな」


「ああ」リユラは言った。


「大半の人間は、俺を修正しない」呪は言った。「自分が危険(デンジャラス)であると理解している相手と会話している大半の人間は、同意(アグリーメント)へと傾斜する。最も抵抗の少ない経路へと。危険な人間を快適(コンフォタブル)にさせる方向へと」彼は本物の関心を伴ってリユラを見つめた。「君は、一週間の中の曜日のことについて、俺を修正した」


「木曜日だ」リユラは言った。「それが正確(アキュレート)だ。会話における不正確な情報は、正確な情報よりも悪いアウトカムを創り出す。たとえ、その不正確さを修正することが不快(アンコンフォタブル)であったとしてもな」


「ああ」呪は言った。「正確(エグザクトリー)だ」彼は再び自らのティーを拾い上げた。「それが正確に、俺が意味している事象だ。それが特定の事象だ」彼は飲んだ。「同意するよりも修正する方が誠実(オネスト)であり、君は、自分が危険であると正確にアセスメントしている相手を修正するという特定の不快さよりも、誠実さを優先(プライオリタイズ)した。それは――それがリザーバーのマーク(痕跡)だ。演技された表面と本物の下層の間のギャップを理解していた人々が累積してきた知性が、次のような形で発現(マニフェスト)している状態:『快適な偽りの事象はより悪いアウトカムを創り出すがゆえに、たとえ真実の事象が不快であっても、俺は真実の事象を告げる』」


リユラは彼を見た。「お前はこれについて、長いあいだ思考してきたんだな」リユラは言った。「2年間だ」呪は言った。「ああ」


第二部:コンヴァセーション(会話)

彼らの周囲でコミュニティ組織は継続していた。他の参加者たちは自らの午後を移動していく。コーディネーターがセッションを管理している。リユラと呪が腰掛けているウィンドウの近くのテーブルのあらゆる側面で、空間の特定のありふれたライフ(生命)が起きていた。


呪は参加(パーティシペート)した。それこそが、すべての物事をホールド(保持)することをより困難にさせている特定の品質だった。コーディネーターが「制度的システムをナビゲートするためのリソース」についてのグループディスカッションを導入した時、呪は貢献(コントリビュート)した――明確に、正確に、犯罪心理学を2年間学び、人間と彼らを救うためにデザインされたシステムとの間の特定の摩擦点(フリクション・ポイント)を理解している人間特有の、特定の洞察(インサイト)を伴って。彼の貢献は有用(ユースフル)だった。本心から(ジェニュインに)。


参加者たちは、本物の貢献が創り出す特定の温かさを伴って彼にレスポンスした。印象(インプレッション)を製造した人間が受けるような演技された温かさではない。実際の(アクチュアルな)温かさ。呪は、この部屋において、この時間において、この木曜日において、完全に自己自身(ヒムセルフ)であった。そして、完全に自己自身である状態は、温かく、有用であり、周囲の人々と本心から関与(エンゲイジ)していた。


リユラはこれを目撃(ウォッチ)していた。星の瞳は何も行踪しない。中間の色は現在に存在している。リザーバーの累積された知性が保持するパターン認識はギャップを探索(ルッキング)していたが、発見すべきギャップが存在しないがゆえに、いかなるギャップも行踪しなかった。


グループディスカッションの後、呪はウィンドウの近くのテーブルへと戻ってきた。「君は、あの最中に俺をウォッチしていたね」呪は言った。「ああ」リユラは言った。「演技(パフォーマンス)を探していたんだな」呪は言った。


「演技された表面と、本物の下層の間のギャップを探していたんだ」リユラは言った。「それが星の瞳の実行する事象だ。それがリザーバーの累積された知性が創り出すモノだ。演技を内部から理解していた人々のパターン認識(パターン・レコグニション)」


「それで?」呪は言った。


「何もなし(ナッシング)」リユラは言った。「ギャップは存在しない。グループディスカッションへの貢献は本物だった。参加者への関心も本物だ。空間とその目的への鑑賞も本物だ」彼は間を置いた。「そしてお前は、藤原エミを殺害した」


テーブルは極めて静か(クワイエット)になった。呪は彼を見た。本物の関心が現在に存在している。温かさが現在に存在している。利用可能な最も誠実なモノである、あのニュートラルな表情。「ああ」彼は言った。「両方の事象が」リユラは言った。「同時に」


「ああ」呪は再び言った。「矛盾なしに」リユラは言った。


「矛盾なしに」呪は確認した。「それこそが、君が理解しようと試みている特定の事象だね。その2つの事象が、その下に傷(ウーンド)を保持することなしに共存(コイグジスト)し得るのかどうか。殺害行為が覆い隠しているビフォー・バージョンが、その下に存在するのかどうか。悲嘆を格納するために構築された空虚(ヴォイド)が存在するのかどうか」彼はリユラを真っ直ぐに見つめた。「存在しないよ。俺はこの部屋にいる人々に本心から関心を抱いているし、同時にこの部屋に接続されていた人間の生命を終了させた人間でもある。両方がリアルだ。両方が、一番下にいたるまで俺自身なんだ。


へえ……君が俺を録音(レコ一ド)しようと試みていることも、俺はすでに理解しているよ。だから準備をして来たんだ、今まさに俺のポケットの中に、小さなシグナル・ジャマー(電波妨害機)が座っている。安物(チープ)だよ、正直に言ってね。映画みたいにデバイスを完全に殺したり、ドラマチックな事象を起こしたりするモノじゃない。ただ近くにあるスマートフォンの接続を干渉して、挙動をおかしく(ウィアードに)させるだけのモノさ。オーディオの音声がカットアウト(途切れる)したり、アプリがフリーズしたり、バッテリーのドレイン(消費)が速くなったり、録音データが破損(コラプト)したりね。


そして最高のパート(利点)は、誰もそれを疑問に思わないことだ。スマートフォンは常にグリッチ(不具合)を起こすものだからね。電波が悪い、オーバーヒート(熱暴走)、ランダムなクラッシュ――人間は、別の人間を非難(ブレイム)する前に、テクノロジーを非難することに慣れて(ユーズドに)しまっている。だから、もし君の録音が突然スタティック(雑音)で満たされたり、オーディオが破壊されたり、あるいは謎の理由で保存に失敗(フェイル)したとしても……誰も俺がそれに関与(ドゥ)したとは思考しない。


だから、俺を警察(ポリス)に引き渡す件については、グッド・ラック(健闘を祈る)だね。なぜならそれは、君が彼らに提示するための物理的(フィジカル)あるいはデジタルな、信憑性のある証拠(エビデンス)を一切保持していないということを意味しているからだ。極めてハンディ(便利)なデバイスだろう?


それに、俺は今ウィスパー(囁き声)で話しているから、誰も俺の声を耳にしていない。そして、もし俺が今この瞬間君をキル(殺害)しようと試みたとしても、君はヘルプ(助け)を求めてスクリーム(悲鳴)を上げることもできない。ここの全員が、以前のイベントから、俺のことをすでにグッドな人間(良い人)だと信じ切って(ビリーヴして)いるからね。だから、その手のクソみたいな計画(クラップ)についてはグッド・ラックだ、リユラ・シコウ自身(ヒムセルフ)くん」]


リユラはこれと共に座っていた。彼らの周囲にあるコミュニティ組織。空間の特定の温かさ。藤原さんの空の椅子。彼らの間にある、ティー。「いいだろう、一本取られたな。だが、いつの日か可能ならお前を捕まえて(ゲットして)みせる。それはそれとしてだ。なぜ俺に話す」リユラは言った。「お前は観察(ウォッチ)を継続することもできたはずだ。匿名性は機能(ワーキング)していた。何もお前をいかなるモノにも接続していなかった。なぜ視認性(ヴィジビリティ)を選択した」


「なぜなら、ウォッチすることでは不十分(インサフィシェント)になったからだ」呪は言った。「フレームの外側からの2年間の観察は、包括的なピクチャー(全貌)を創り出したが、しかしそれは欠いていた――君を興味深いものにさせている特定の事象を欠いたピクチャーだった。外側からは観察不可能な事象をね」彼は間を置いた。「君は木曜日の午後、コミュニティ組織でそれを必要としている人々のために正しくお茶を作る。俺はそれをさらに2年間ウォッチすることはできただろうが、それが何(・・)であるのかを理解することは決してできなかっただろう。それがどのように見えるか(姿)ではない。それが何であるかだ。フレームの内部から、それがどんな感覚(フィール)であるのかを」彼は再び間を置いた。「俺は、部屋の内部(イン・ザ・ルーム)に存在したかったんだ」


「それを理解できるように、か」リユラは言った。


「君個人(ユー・スペシフィカリー)を理解できるように、だよ」呪は言った。「君が何であるのか。世界を処理(プロセス)する文脈において、星の瞳が何を意味しているのか。『~への途上』へと手を伸ばすアプローチ――君が使用しているそれ、ビフォー・バージョン、本物の物事を承認(アクノレッジ)すること――それが内部から見たら何であるのかを」彼はリユラを見た。「俺はこれまでに、これと類似するいかなるモノにも遭遇(エンカウンター)したことがない。俺が自分の実行する事象を実行してきた、この7年間(セヴン・イヤーズ)においてね。人々と、彼らの心理(サイコロジー)が行動を創り出す特定のやり方に興味を抱いてきた7年間。君の特定の構成(コンフィギュレーション)に類似するモノは、何も存在しなかった」


「そして、エミだ」リユラは言った。その名前は、コンフォート(快適さ)に関係なく、この部屋の内部に存在することを要求されているモノ特有の、特定の注意深さを伴って会話の中に配置(プレイス)された。


呪は一瞬、沈黙した。「彼女は隣接(アジェイセント)していた」彼は言った。「この空間への接続。君への明確な接続。俺が彼女の特定のポジション――木曜日の常連の娘であり、方向性が何かを創り出していることを表現していたあの人間――を選択したのは、心理的なディスタンス(距離)から見て興味深かったからだ」彼は間を置いた。「それは、ミス(失敗)だったな」


リユラは彼を見た。「それをお前はミスだと感じているのか」


「戦術的(タクティカル)にな」呪は言った。「それは君の内部に、俺が交わしたかった種類の会話にとって生産的(プロダクティブ)ではないエモーショナルなチャージ(感情的負荷)を創り出してしまった。それは君に、君を興味深いものにさせているクリアなパターン認識ではなく、悲嘆(グリーフ)を携えてこのミーティング(会合)へとアプローチさせることになってしまった」彼は間を置いた。「悲嘆が、俺がここにやって来た目的の邪魔(ウェイ)になっている」


「悲嘆が邪魔になっている、か」リユラは繰り返した。「ああ」呪は言った。「それがどのように響く(サウンズ)かは自覚(アウェア)しているよ――」「悲嘆が無関係(イレラヴァント)であるかのように、だな」リユラは言った。「エミの死が、終了させられた1つの生命(ライフ)ではなく、計画の内部にある1つの変数(ヴァリアブル)であるかのように」


「ああ」呪は言った。防衛的(ディフェンシヴ)になることなしに。罪悪感(ギルト)なしに。あるアセスメント(評価)を確認(コンファーム)している人間特有の、特定の正確さを伴って。「それは正確(アキュレート)だ。そのように響くのは、それが実際の事象だからだよ」彼はリユラを見た。「俺は悔恨(リモース)を演技(パフォーマンス)するつもりはない。そんなモノは存在しないからね。俺は最初から君に、誠実(オネスト)であるつもりだと告げただろう。不誠実(ディスオネスティ)は君のパターン認識に対する侮辱(インサルト)になるからね」彼は間を置いた。「それが誠実なバージョン(オネスト・バージョン)だ」


リユラはテーブル越しに彼を見た。


本物の温かさ。知的な関与。世界を本心から興味深いと感じており、同時にその内部で悔恨なしに生命を終了させ、誠実さこそがこの会話が要求しているモノであると決定したがゆえに、その両方の事象について完全に誠実(オネスト)である23歳児。


星の瞳。中間の色。パターン認識はギャップを一切行踪しない。「お前に一つ、質問をさせてくれ」リユラは言った。「そして、誠実に応答してほしい。お前がこれまで応答してきたのと同じやり方でな」


「もちろん」呪は言った。


「エミが植えた、あの挿し木(カッティング)だ」リユラは言った。「彼女の大学のメイン棟の近くのガーデンに。それが、家族の古い家の裏にあったガーデンを思い出させるからと」彼は間を置いた。「それについて、お前は知っているか」


呪は彼を見た。彼の表情の中の何か――悔恨ではないが、しかし「何か」であったモノ。自らのフレームワークが完全には計算(アカウント)していなかった特定のディテール(詳細)に遭遇した人間特有の、特定の何か。「いや」彼は言った。「それについては自覚(アウェア)していなかったな」


「彼女は父親にフォトグラフを送信したんだ」リユラは言った。「それを植えた後に。『これは根付くと思う』と彼女は言っていた」彼は間を置いた。「彼女は20歳だった。彼女は何かを創り出している方向性そのものだった。意図(インテンション)を伴って物事を時間をかけて運搬することが、運搬する価値のあるアウトカムを創り出すのだという証拠(エビデンス)だったんだ」


呪は沈黙した。


「お前にこれを告げたのは、お前が悲嘆は邪魔になっていると言ったからだ」リユラは言った。「だが、悲嘆こそがエミなんだ。悲嘆とは土の中の挿し木であり、父親に送信されたフォトグラフであり、あの『これは根付くと思う』なんだ。悲嘆はお前の計画の中の変数ではない。ガーデンを保持し、父親を保持し、自分が移動(ムーヴィング)していた方向性を保持していた1人の人間(パーソン)なんだ」彼は間を置いた。「もしお前が俺を理解したいのなら――お前がここにやって来た目的であるこの会話が、星の瞳が何であり『~への途上』が何であるのかを理解することに関する本物のモノであるなら――お前は、悲嘆が俺というモノから切り離されて(セパレートされて)いないことを理解する必要がある。それは中心(セントラル)にあるんだ。悲嘆こそが、星の瞳がその方へと手を伸ばす(リーチ・トウォードする)すべての物事なんだ」彼は呪を見た。「だから、否(ノー)だ。悲嘆は邪魔になってなどいない。悲嘆こそが、正確にその事象(エグザクトリー・ザ・シング)なんだよ」


呪はこれと共に座っていた。会話の内部におけるいかなるモノが創り出した間(ポーズ)よりも、さらに長いあいだ。彼らの周囲にあるコミュニティ組織。木曜日の午後。空の椅子。


「『これは根付くと思う』、か」呪は静かに繰り返した。演技(パフォーマンス)としてではなく。情報に遭遇し、自らが物事を処理するあの本物の(ジェニュインな)やり方を伴ってそれを処理している人間として。「ああ」リユラは言った。


再びの、長い間(ポーズ)。


「彼女について、もっと俺に話してくれ」呪は言った。戦略(ストラテジー)としてではなく。リサーチ(研究)としてでもない。自らの内部に、自分が予想していなかったレスポンス(応答)を創り出したディテールに遭遇し、そのレスポンスを管理(マネジメント)する代わりに、レスポンスに従う(フォローする)ことを選択した人間として。


リユラは彼を見た。星の瞳。中間の色。


何か。演技と本物の間のギャップではない。システムを通じて浮上(サーフェス)しようと試みているビフォー・バージョンでもない。異なる何か。この正確なフォーム(形態)ではこれまでに一度も存在したことがなかったがゆえに、シリーズの内部に事前のカテゴリ(分類)を保持していない、あの何か――一番下にいたるまでその人間であるモノが、特定の「本物のモノ」に遭遇し、自らの内部にその本物のモノが誠実(オネスト)に生成したレスポンスを創り出している状態。


手を伸ばすべき傷(ウーンド)ではない。しかし、何か。ナッシング(何もなし)ではない。


「彼女はそれを10月に植えたんだ」リユラは言った。「シーズン(季節)が終了しようとしていた(エンディングだった)時に。それが、彼女の父親が俺に告げた事象だ。春ではない。1月だ。物事が冷酷に(コールドに)なりつつあった時に」彼は間を置いた。「彼女は、それが最も根付く可能性の低いタイミングでそれを植えた。そして、それでも根付く(テイクする)と思っていたんだ」


呪はテーブルを見つめた。ティーを見つめた。空の椅子を見つめた。「そうか」彼は言った。極めて静かに。ただ:そうか。ただ:承認(アクノレッジメント)に値する何かが口にされたという、その承認。コミュニティ組織は継続していた。


木曜日の午後が、木曜日の午後が実行する事象を実行している。方向性の継続。この部屋であっても。このテーブルであっても。ここであっても。そして、これらすべての物事をシークレット(秘密)に保持するための、彼らのほとんどウィスパー(囁き声)での会話も、そのまま継続していた。


エピローグ:ウォーク・ホーム(帰り道)

彼は大阪のイブニング(夕方)を通り抜けてホームへと歩いた。


星の瞳の現在(プレゼンス)。中間の色。セッションの全体を通じていかなるギャップも行踪せず、そして最後に、ギャップではないがしかしナッシングでもない「何か」を行踪した、あのパターン認識(パターン・レコグニション)。10月に植えられた挿し木に遭遇し、自らの内部にその挿し木が誠実に生成したレスポンスを創り出していた人間特有の、特定の何か。


彼はヤカミラにコール(電話)した。「大学院生が、今日コミュニティ組織にいた」リユラは言った。


「呪(ノロイ)だな」ヤカミラは言った。彼はそれを追跡(トラック)していた――当然(オブ・コース)、彼はそうしていた。大学院生のディレクトリ、テーゼのトピック、リユラが40分で行踪し、ヤカミラが著しくそれよりも短い時間で包括的なファイルへとアセンブルした、あの特定の情報。


「ああ」リユラは言った。「どうだった」ヤカミラは言った。


「彼は――本物(ジェニュイン)だ」リユラは言った。「そこにいる人々に本心から関心を抱いている。空間の目的に本心から関与している。本心から温かい(ジェニュインリー・ウォーム)」彼は間を置いた。「そして彼はエミの件に責任があり、それが戦術的なミスであったということ以外、それについて何も感じていない」


「両方が同時に(サイマルテニアスに)、か」ヤカミラは言った。「両方が同時にだ」リユラは確認した。「星の瞳は何も行踪しなかった。ギャップはない。構築された表面もない」「ならば、お前のアプローチは適用(アプライ)されないな」ヤカミラは慎重に言った。


「かもしれない」リユラは言った。「最後に――エミが植えた挿し木について彼に告げた。フォトグラフ。あの『これは根付くと思う』について」彼は間を置いた。「何かが起きた。悔恨ではない。傷が浮上したわけでもない。ただ――レスポンスだ。本物(ジェニュイン)。その特定のディテールが彼の内部に創り出した、彼が予想しておらず、管理(マネジメント)もしなかった何か。警察のために証拠を集めようとも試みたが、彼は自分の利益のためにスマート(賢明)すぎるようだな。お前がこの結果を予測していたことは分かっているから、そのパートについては応答(レスポンス)しなくていいよ。結局のところ、お前自身もスマート(賢い)からな。とにかく、話を前に進めるが」


ヤカミラは一瞬、沈黙した。「それは興味深い(インタレスティング)な」彼は言った。「傷ではない。演技でもない。しかし、レスポンスであると」「ああ」リユラは言った。「気をつけろよ(ビー・ケアフル)」ヤカミラは言った。「分かっている」リユラは言った。


「いや」ヤカミラは言った。「俺が意味しているのは明確に:そのレスポンスを『興味深い』と感じてしまうことについて気をつけろ、ということだ。お前がビフォー・バージョンズに向かって手を伸ばすあのやり方で、それに向かって手を伸ばしてしまう(リーチ・トウォードしてしまう)ことについてな」彼は間を置いた。「彼はビフォー・バージョンではない。そんなモノは保持していないんだ。そのレスポンスが何であったにせよ――それはその下にある本物のモノへと至る扉(ドア)ではない。それはただ、その人間であるモノが特定のディテールに遭遇し、自らが物事を登録(レジスター)するあのやり方を伴ってそれを登録した、というだけの事象かもしれない。本心からな。それが、自らの行う事象について何一つ変更(チェンジ)することなしにね」


リユラは大阪のイブニングを通り抜けて歩いた。シティ(都市)は継続していた。忍耐強く。無関心に。現在に存在(プレゼント)しながら。「分かっている」彼は言った。「だが、お前は木曜日に戻る(ゴー・バックする)んだな」ヤカミラは言った。「ああ」リユラは言った。間(ポーズ)。それから:「黄色、緑、青、ほとんど紫色」ヤカミラは言った。


「黄色、緑、青、ほとんど紫色」リユラは確認した。


彼らはそれを保持(キル)していた。彼らの間で。そのシーケンス(順序)は、それが常に運搬してきたモノを運搬していた――小さく、特定の、美しい物事は、最初にそれを行踪した一人の人間(ワン)だけでなく、より多くの人々(ピープル)によってドキュメント化され、共有され、保持(ホールド)される資格があるのだという、その証拠(エビデンス)。


彼はホームへと歩いた。土の中の、挿し木(カッティング)。10月。シーズンが終了しようとしていた時に。彼女はそれが最も根付く可能性の低いタイミングでそれを植えた。


『これは根付くと思う。』


TO BE CONTINUED...

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