表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブラック企業に潰された俺が、異世界で‘’リライフ‘’する話~≪解析≫スキルがチートすぎる件~  作者: AI+


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

65/390

【第六十五話】地図なき領域へ

「位置情報、確定。北東――山脈の奥、既知の地図には記載なし」


 メイが提示した座標に、リクは手持ちの地図を重ねる。しかし、そこには何の記号も記されていなかった。荒れた山脈の奥地。魔素濃度が高く、探索者の往来すら記録されていない“未踏域”。


「……本当に、ここに“核”があるんだな」


 リクが小さく呟くと、ミナが隣から地図を覗き込む。


「この場所……昔から、誰も近づかないって言われてる。獣が消える、魔道具が壊れる、音が歪む……そんな噂、聞いたことあるわ」


 「噂だけで言えば、魔源体の影響と一致してる……あそこに“核”がある確率は高いと思う」


 リクは水晶球の映像を思い返しながら答えた。都市が崩壊し、空が引き裂かれ、何かが浮かぶ。あの核――禍々しい存在は、今も静かに脈動を続けている。


 「隊長には報告しておく。許可が下りれば、調査団を連れてその場所へ向かう」


 「いえ、それについては……また僕たち三人だけで行かせてください」


 リクは言い切った。


 隊長の目が細くなる。


「理由は?」


 リクは一拍置いてから答えた。


「この先は、“見るだけ”じゃ済まない気がするんです。魔源体の核は“意志”を持ってる。接触すれば、影響を受ける可能性がある。だから……下手に人数を増やすと、危険を広げるだけになるかもしれない」


 隊長はしばらく沈黙していたが、やがて静かに頷いた。


「……分かった。ただし、定時報告は必ず行え。魔素濃度が高ければ通じないかもしれんが、無事の確認はさせろ」


 「はい、感謝します」


 リクは深く頭を下げた。


 それから数日、三人は準備に費やした。魔素防護用の装具、通信機器、携行用の簡易解析器。そして何より、魔源体の影響を防ぐための精神防御結界――これらを一つずつ整えていく。




 出発の朝。

 まだ薄暗い空の下、三人は静かに遺跡の外へと立った。


 山脈の影が、夜明け前の空に沈みこんでいる。湿った風が肌を撫で、草木の香りが微かに流れる。


 「……じゃあ、行こうか」


 リクがそう言った瞬間、ミナが肩を軽く叩いた。


「覚悟はできてる?」


 リクは頷く。


「ああ。戻れなくなるかもしれない。でも、それでも行く価値がある」


 ミナはそれ以上何も言わず、ただ微笑んでうなずいた。


 メイはと言えば、すでに一歩前へ出ていた。立ち止まり、振り返ることもなく。


「……遅い」


 静かな声がそう告げる。


「ごめんごめん。行くよ、メイ」


 リクとミナも続き、三人の旅が再び始まった。


 目指すのは、地図に記されない領域。

 その奥深くで、何かが脈を打っている。

 人の理を超えた、魔素の根源。

 それを見つけることが、すべての始まりになるかもしれない。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ