表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブラック企業に潰された俺が、異世界で‘’リライフ‘’する話~≪解析≫スキルがチートすぎる件~  作者: AI+


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/392

【第四十七話】交差する残響

古びた石の階段を降りると、空気が変わった。

霧の気配が薄れ、代わりに微細な魔素の粒子が周囲に浮遊している。

奥へ進むほどに、その密度は高まっていった。


「……ここ、魔素の流れが変だ。普通じゃない」


リクが警戒するように辺りを見回す。

《感知:魔素流》によれば、通路は少なくとも三方向に分かれており、それぞれ異なる魔素の“流れ”がある。まるで、複数の実験施設が地下で交差しているようだった。


「この区画、あきらかに“人工”だな」


隊長が壁を指でなぞる。

古代の技術で精密に切り出された石材。しかも、所々に埋め込まれた結晶体が淡く光っている。


ミナが低く声を上げた。


「……何か、聞こえる」


「音……?」


リクが耳をすませると、確かにわずかに“響き”がある。風の音ではない。人の声とも違う、ただ“残響”だけが空間を満たしていた。


「《解析:音響記憶》、展開します」


リクは魔素に耳を傾けるように、集中して魔法を起動する。空間に残された音の痕跡を読み取る技術――すると、薄く薄く、声が浮かび上がった。


『……制御区D-3、魔素の逸脱を確認。実験体の応答が……』


『……魔源体は学習を続けている。ここでも……境界が崩れてきている……』


音は断片的で、ひどく不安定だった。だがそれだけでも、この場所が何か危険な研究に関係していたことは明らかだった。


「魔源体の……分離実験?」


リクが呟くと、隊長が険しい顔になる。


「つまり、奴の“複製”か“抽出”か……どちらにせよ、まともじゃねぇ」


「この通路の奥、魔素反応が強くなっています。封印のような反応も」


「よし、そっちに進もう。……万が一の時は、すぐ撤退だ」


隊長の命令で、一行は最も強い魔素の残響がある通路へと足を進めた。


通路の先には、半壊した巨大な制御装置があった。

装置の中央には、割れた水晶球。

かつて魔源体の“断片”を封じていたと思しき場所には、今は微かな残留魔素しか残っていない。


だが――


「……誰かいる」


ミナの声に、全員が即座に警戒態勢に入る。


――影が、ひとつ。


装置の裏から、何者かがこちらを見ていた。


白い衣を纏った、小柄な影。人のようでいて、その目には、色のない“魔素の光”が灯っていた。


「……観測者?」


リクの脳裏に、あの時出会った“魔源体”の記憶がよぎる。


だが今回は、違う。

目の前のそれは、明らかに“こちらを知っている”ような目をしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ