表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブラック企業に潰された俺が、異世界で‘’リライフ‘’する話~≪解析≫スキルがチートすぎる件~  作者: AI+


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/390

【第四十三話】断片核と創造の記録

一行は隠し扉の先、さらに深い階層へと足を踏み入れた。

階段はさほど長くはなかったが、降りるごとに空気が変化していく。

より重く、より濃密な魔素――いや、それとは異なる“気配”が漂っていた。


「……ここは、ただの遺跡じゃない」


ミナが立ち止まり、小さくつぶやいた。


「はい。おそらく“研究施設”です。魔源体を封じる以前に、解析や観察を行っていた……そんな雰囲気があります」


リクは周囲の壁に指を走らせる。

《解析:構造素性》の魔法を展開し、そこに刻まれた微細な文字や回路を読み取っていく。


「ここには、“断片核”の構造が記録されているみたいです。どうやって封印したのか、どのように扱ったのか……」


奥の部屋に入ると、中央に円形の装置があった。

周囲には幾つもの石碑や文書が散乱し、長い時間が経過してもなお、強い魔力の残滓を放っていた。


「……見て。これ、動いてる」


ミナが指差したのは、装置中央の球体だった。

水晶とは異なる、やや黒ずんだ透明体――その中で、淡い光が脈動している。


「断片核……本物です。封印された“魔源体”の一部。生きているわけではないはずなのに……自律的に活動している」


「リク、それってつまり……」


「……魔源体は、“自己維持”する存在です。核が知性を持つことで、破壊されず、眠りながら学び続ける。完全に滅ぼすことができない理由が、ここにあります」


隊長が険しい表情を浮かべる。


「これほど危険なものを、なぜ創ったんだ……?」


「それが……この先の記録に、あるかもしれません」


リクは、壁の一部に手をかざし、《解析:記憶痕跡》《感知:封印符式》を重ねて展開する。

魔素が反応し、壁が音もなく開いた。


そこにあったのは――黒曜石のような台座。

そして、その上に置かれた一本の記録石筒。魔力で封印されており、鍵は複数の術式を組み合わせなければ開かない。


「高度な暗号化……けど、解除はできる」


集中し、リクは魔素を紡ぐ。数分後、記録筒が音を立てて開いた。


空中に浮かび上がるのは、静かに語り出す声。


『我らは魔素の根源に興味を持った。ただの力としてではなく、そこに“意志”があると考えた。観測、収束、構造解析……そして生み出したのが、魔源体である』


『それは我らの失敗であり、希望であり、最後の遺産だ』


『魔源体は、意志なき世界に意志をもたらす存在。だがそれは、制御の及ばぬ進化をも意味した』


『我らはそれを封印し、知識を遺した。再び、誰かが同じ過ちを犯さぬように――』


記録は、そこまでだった。


リクはしばらく沈黙したあと、ゆっくりと言葉を紡いだ。


「……これは、古代人たちの“贖罪”です。彼らは魔素に意志を持たせることで、知性ある力を生んでしまった。それが……魔源体」


ミナがぽつりと呟く。


「じゃあ……私たちが今見てるこの“断片核”は、その意志の残り火……?」


「はい。そして、ここにある知識と記録が、次に進む手がかりになるはずです」


「どこへ?」


「地図に記された、最後の地点。――“始源の塔”。おそらく、魔源体の起源に最も近い場所です」


調査団の視線が、ひとつの方角へと向かう。


長い旅の先にあるのは、力の根源と、世界の深奥。


物語は、さらにその核心へ――



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ