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ブラック企業に潰された俺が、異世界で‘’リライフ‘’する話~≪解析≫スキルがチートすぎる件~  作者: AI+


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【第三百七十話】終点に収束する一手

残された気配は一つだけだった。

周囲の空気が、わずかに張り詰める。


逃げ場を失った敵は、明確に構えを変えていた。

守りではなく、突破を選ぼうとしている。


リクはその変化を捉える。

分岐が一瞬だけ大きく揺れた。


突っ込んでくる未来。

逆に引いて時間を稼ぐ未来。


どちらも成立する。

だが、その先の流れは異なっていた。


リクは目を細める。

呼吸を一つ、ゆっくりと整えた。


「……来る。前に出てくる」


低く告げる。

予測は確信に近かった。


ミナがわずかに姿勢を変える。


「オッケー、迎え撃つ感じだね!合わせるよ!」


短く返す。

すでに動きの準備は整っている。


メイは位置を固定する。


「迎撃体勢を維持。挟撃可能」


冷静な判断だった。


次の瞬間、敵が動いた。

一直線にリクへと距離を詰める。


迷いのない突進だった。

突破に賭けた動き。


リクは一歩だけ前に出る。

あえて距離を詰める選択を取る。


分岐が強く収束する。

ここが最短で終わる一点だった。


敵の攻撃が振り下ろされる。

重い軌道が空気を裂いた。


リクはそれを最小限の動きで外す。

無駄を削ぎ落とした回避だった。


そのまま踏み込む。

間合いは完全に掌握した。


「……ここだ」


静かに言い切る。

その声には迷いがなかった。


一撃が放たれる。

余計な力を乗せない、正確な動き。


敵の防御は間に合わない。

体勢が崩れたまま、直撃を受ける。


衝突は一瞬で終わった。

抵抗はほとんどなかった。


最後の気配が消える。

場に残るのは静寂だけだった。


ミナが大きく息を吐く。


「終わった……思ったよりあっさりだったね。でも最後、ちょっと怖かった」


素直な感想だった。

緊張が解けている。


リクは軽く頷く。


「一歩間違えれば危なかったと思う。でも、選べたから問題なかった」


事実をそのまま口にする。

誇張はなかった。


メイが周囲を確認する。


「残存反応なし。戦闘終了を確認」


明確な結論だった。


リクはその場に立ち尽くす。

分岐はもうほとんど現れない。


選択が収束した証だった。

今この瞬間は、一つに定まっている。


ゆっくりと息を吐く。

体の緊張が抜けていく。


「……これで一段落だね」


静かな声だった。

だが確かな区切りでもあった。


ミナが肩をすくめる。


「とりあえず成功ってことでいいでしょ。報告して帰ろうよ」


いつもの調子に戻っている。

リクは小さく笑う。


「そうだね。今回はうまくいった」


その言葉には、わずかな実感があった。


選び続けた結果。

その積み重ねが、ここにある。


三人はその場を後にする。

静かに、確かな足取りで。


戦いは終わった。

だが選択は、これからも続いていく。

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