囮として④
物資の受け入れのため、過半数以上の兵士が塹壕に戻った。
一部の兵士は杖を持ち、敵が攻めてきたときの対応の準備。
俺みたいなフィジカルが乏しい兵士は分配計画の確認。
誰に、何を、どれくらい渡すか。
簡単な仕事に聞こえるかもしれないが、この数一つで死ぬか生きるかが決まる。
〝死ぬか生きるかが決まる〟というセリフ、この任務の中で何度言ったのかがわからないが、本当に兵士の動き一つで命の揺きは変わる。
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配給が届いた。簡易食や土,水,炎属性の汎用型魔法陣紙(土は防御用、水は水分補給用、炎属性は敵拠点制圧用)、化学兵器(主に毒ガスやグレネード、歩兵用主力小銃とその弾薬だ)。
魔術が発展していようと、魔力が切れたら科学で戦う。魔法は魔力が切れたら使えない。だから科学も魔術と並行して進歩した。魔力が切れた兵士も戦えるように。
配給された黒パンをかじり、左小指の指輪を見つめる。戦場で見つけた金属を削り創った黒鉄色のきれいな指輪、自作のお守りだ。
気休めで創ったものだが、案外効果を感じる。プラシーボ効果だろうか、
しょうもないことを考えていたら、他の部隊、グリフォ部隊がやってきた。
ドラゴ部隊は後退し、グリフォ部隊に任務は引き継ぎだ。
引き継ぎと言ってもただの囮だが..........
こうしてウィラスの初任務は終了した。
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『緊急のニュースです。つい先程中央魔術兵軍の東主要基地の攻撃に大成功しました。この作戦に関与した部隊は....秘匿事項なので報道できませんが、作戦に関与した部隊の皆さん!!お疲れ様でした。尚、最近確認された国内に潜伏している諜報員の方はさっさと自分の首と情報をイースティア魔術兵軍に差し出すように。以上!!緊急のニュースでした。』




