表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【万物鑑定】で追放から成り上がり!Sランク勇者パーティが崩壊しても、最強仲間とスローライフ中  作者: 黒崎隼人


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/23

第八話「新パーティ『暁の翼』爆誕」

 アッシュ、ルナ、ミーファ、そしてシロ。一人の鑑定士と、一人のエルフ、一人の獣人、一匹の魔獣。異色の組み合わせではあったが、彼らの連携は驚くほどに噛み合っていた。

 パーティの頭脳は、もちろんアッシュだ。彼の【万物鑑定】は、もはや単なる情報収集ツールではなかった。


 敵の弱点、行動パターン、隠された能力。

 ダンジョンの構造、罠の位置、安全なルート。

 味方の状態、最適な行動、連携のタイミング。


 これらすべての情報を瞬時に把握し、的確な指示を出す。それは、まるで未来を予知しているかのようだった。

「ルナ、三時の方向、大木の枝の上!擬態しているスナイパーリザード!弱点は喉元の鱗だ!」

「ミーファ、目の前のゴーレムは物理攻撃が効かない!五秒後に胸のコアが露出する、そこを戦斧で叩き割れ!」

「シロ、攪乱を頼む!敵の魔術師の詠唱を止めろ!」

 アッシュの指揮のもと、パーティメンバーはそれぞれの能力を最大限に発揮する。

 ルナの『星詠みの長弓』から放たれる矢は、アッシュが示した弱点を寸分違わず射抜き、敵を沈黙させる。

 ミーファの振るう巨大な戦斧は、アッシュが見抜いたタイミングで叩きつけられ、強固な装甲をも粉砕する。

 そしてシロは、伝説の魔獣たる俊敏さで戦場を駆け回り、敵の陣形をかき乱し、奇襲を仕掛ける。そのもふもふな見た目からは想像もつかない戦闘力で、敵を翻弄した。


 彼らは、アッシュの勧めでパーティ名を登録することにした。

「『暁の翼』……夜明けの空を飛ぶ翼、ですか。素敵です、アッシュ様」

 ルナが微笑む。

「おう!俺たちの門出にぴったりじゃねえか!」

 ミーファも腕を組んで満足げにうなずいた。

 こうして爆誕した新パーティ「暁の翼」は、その日から破竹の快進撃を始める。

 Cランク依頼、Bランク依頼、そして、並のパーティでは命がけとなるAランクの依頼すら、彼らはほとんど無傷で、しかも圧倒的な速さで達成していった。

 リンドウの町の冒険者ギルドは、連日彼らの話題で持ちきりになった。

「おい、聞いたか!?『暁の翼』が、またAランククエストを半日で終わらせたらしいぞ!」

「マジかよ!あの『嘆きの沼のワイバーン』をか!?」

「ああ。しかも、リーダーの鑑定士の指示だけで、誰も掠り傷一つ負わなかったって話だ」

「なんだそりゃ、魔法か?いや、予言者か何かなのか……?」

 噂は噂を呼び、いつしか「暁の翼」は単なる凄腕の冒険者パーティではなく、リンドウの町に現れた希望の星として、住民たちから絶大な支持を得るようになっていた。

 子供たちは「暁の翼ごっこ」に興じ、商人たちは彼らにちなんだ商品を売り出し、酒場では彼らの武勇伝が吟遊詩人によって歌われる。

 アッシュは、そんな町の賑わいを、少し照れくさそうに、しかし確かに嬉しく思いながら眺めていた。

 追放され、すべてを失ったはずの自分。だが今は、信頼できる仲間がいて、自分たちを応援してくれる人々がいる。温かく、かけがえのない居場所。

「この町と、仲間たちを、俺は絶対に守る」

 アッシュは心に誓う。彼の瞳は、かつての絶望に満ちた青年のものではなく、多くのものを背負うリーダーの強さと優しさをたたえていた。

「暁の翼」の伝説は、まだ始まったばかりだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ