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第29話 答え合わせ

柿野原22-19帝調


帝調のサーブは渋川がきっちりレシーブし、攻撃へと移る。


ブロッカーは大南に2人、渋川には細薪がついている。ただ、これは渋川の予想通りの布陣であった。


細薪は一対一(マンツーマン)でもシャットアウトを決めることを渋川は事前に知っていた。さらに、細薪のブロックを抜けて得点に成功した者はいないことも知っていた。


(細薪のブロックえぐいな……高さと存在感と威圧感が半端ない)


それでも渋川は全力で腕を振り抜いた。


シュッ


しかし、ボールは指先を掠り、非常に弱い打球となってしまう。ボールは細薪の手にぺちんと当たると、渋川の前に落ちてくる。渋川は体勢を崩しながらも拾うことに成功し、再攻撃となる。


再び渋川は腕を全力で振り抜く。


シュッ


またもボールは指先を掠り、細薪の手に当たって渋川の前に落ちてくる。これを渋川はなんとか上げる。


三度渋川は腕を全力で振り抜く。


シュッ


またもボールは指先を掠り、細薪の手に当たって渋川の前に落ちてくる。これを渋川はなんとか上げる。


四度、五度、六度、……


もはや偶然とは思えない渋川の技に、細薪は苛立ちを見せる。


(叩き落しに行きたいよなぁ?)


渋川は初めからリバウンドを狙っていた。それも、()()()()()()()()()()()という雰囲気を漂わせながら。


(無理だよなぁ?)


渋川は、細薪が叩き落しに来た場合、いつでも強打に切り替えられるようにしていた。いかに細薪といえど、リバウンドを叩き落しに行ったところに強打が打ち込まれれば、得点を許す可能性がある。守備が乱れ、満足に攻撃ができないかもしれない。


渋川は、細薪が()()()()()()()()立場であることも知っていたのだ。だからこそ、リバウンド戦法が通用すると確信を持っていた。


細薪は帝調にとって精神的支柱であり、最高戦力でもある。細薪の鬼気迫るプレーから、それを崩す訳にはいかないという気持ちも感じられた。


しかし、八度目の攻防で細薪に変化が現れる。


(やっぱり息が上がってるな)


最初よりも明らかに息が上がってるのだ。


(痛みを庇っている様子もないしな……)


渋川は若干の興奮と驚きを感じていた。優勝候補の最高戦力が今、明らかに崩れかけているのである。


十度目になると、もはや最初の面影は完全に消えていた。ゼェゼェハァハァと息を切らし、完全にグロッキーとなっていた。


ズバァン


柿野原23-19帝調


そこに渋川がスパイクを叩き込んで点をとるのは簡単だった。

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