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二十四
浮遊児にとって、冬は地獄だ。寒さは、ただそこに居るだけで、浮遊する人々の命を少しずつ削っていく。
(今年は何人生き残るかな……)
生きるか死ぬか。雨水では毎年何人もの死人が出た。病気や餓え、争いなどその原因は様々だ。雨水で死んだ者は、雨水の他の者の手によって、都を囲う塀の朽ちた部分から都の外に出され、掃溜めと呼ばれる廃棄場へ運ばれる。そうしないと、たちまち雨水が悪臭に包まれるからだ。ただでさえひどい匂いがするのに、死臭も合されたらたまったものではない。冬になるとその数が著しく増えた。
雨水の者たちを想って、クゼは眉根を寄せた。
「――ほら。できたよ、クゼ」
声が響きそちらを振り向くと、割烹着姿のコウがクゼに大きな包みを差し出し立っていた。
「おお。ありがとな」
クゼは懐から薄汚れた巾着を取り出し、金子を数えコウに差し出す。それと交換するように、大きな包みを手に取った。
「……ちゃんとあるね。まいどあり」
コウは金子を確認し、自身の金子入れを取り出す。
「ああ、そういえば」
受け取った金子を仕舞おうとして、何かを思い出したようでコウはふと顔を上げた。




