表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私のスキルは【毒反転】。なので、劇毒しか食べない配信やってます  作者: 狐白


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/47

第23話

「ガウ(あ、みなさんこんにちは)」


「ガウ(ご覧の通り、ここは紗和のごはん配信ルームです……)」


「ガウ(ぷかぷか飛ばされてるだけだと暇すぎるので、みなさんと一緒に景色でも見ようかなって)」


「ガウ(夕焼け、きれいですよね)」


『??? 何これ、この配信なんでパンダが配信してんの!?』


『配信者どこ行った!? なんで生きる気力を失った顔したパンダだけが空飛んでるの……』


『私、幻覚見てる? なんでこんな怪奇映像が流れてるの……』


「捕まえてーーっ! 捕まえてえええっ!!」


 地上では二つの人影が必死に駆け回っていた。


 大声で叫びながら、何度も何度も投げ縄を放っている。


 風に飛ばされた風船を追いかける子どもみたいだ。


 画面だけ見れば、やたら賑やかだった。


「くそっ! 風が強すぎる! 飛ぶの速すぎるって! 縄が届かない!」


 神代は何度も何度も投げ縄を放ち続ける。


 けれど、私まではまだまだ遠い……。


「ガウゥ(遺言なら、なくもないんですよね)」


 私は目を細め、すべてを諦めたような顔で遠くを見つめた。


「ガウ(竹の味、ほんと一回食べてみたかったなあ。パンダにとっては、きっとすごく美味しいんだろうな……じゃなきゃ、あんなに食って食って食い続けるわけないし……)」


『……なんでこのパンダ、急に遺言残しそうな顔してるの!?』


『パンダにしては表情豊かすぎない?』


『ドルイドならパンダとかリスに変身できるって聞いたことあるし、この人ドルイドなんじゃ?』


『いや飛んでるんだがあああ!! パンダって飛ぶの!? ドルイドでもそれはおかしくない!?』


「ガウガウ(ポチポチ、ていうか私なんでパンダになってるの?)」


【パンダ化の原因を分析中……思考完了。所要時間4秒。】


【ドルイドがパンダ化を試みて失敗した場合、弱いモルモットになる例があります。本来の薬剤効果は「弱体化・モルモット化」。反転効果により「パンダ化」へ変質したものと思われます。】


「ガウ!?(ポチ、私の言葉わかるの!?)」


【言語として理解しているわけではありません。ただし、あなたの表情と声色の学習データにより、ある程度は悩みを予測可能です。】


「ガウ!(助かった! じゃあ私どうやって降りるの!?)」


【褒めていただきありがとうございます。当然の職務です。】


「……ガウ!?(誰が褒めたの!? 降り方を聞いてるの!)」


【クリスマスターキーの調理法は、まず下処理を済ませたターキーの内外に下味を均等に塗り込み、12時間以上漬け込みます。詰め物には玉ねぎ、イタリアンソーセージ、角切りパンなどを使用し……オーブンを180℃に予熱後、1kgあたり35分を目安に焼成してください。】


「……」


 こいつ、ちょっと頼れるかもって思った私が馬鹿だった。


『このパンダかわいすぎる~~』


『ねー、私も最初そう思ってこの配信開いたんだよ。配信者名を見るまでは』


『……え、動物園配信じゃなかったの!?』


『つまりこの人、変なもの食べてパンダになったってこと!? ははは!』


『だめだ、この配信そのうち笑い死ぬwwwwww』


『だから変なもの拾い食いするなって言っただろ!!!!!!wwwww』


「ガウ!(人の不幸で笑ってないで助けてよ! 誰か案を出して!)」


「……動かないで!」


 背後から、縄が空気を裂く鋭い音がした。


 次の瞬間。


 足首がぎゅっと締めつけられる。


「!?」


「かかった!!」


 神代と緑髪の少女が、慌てて縄を掴み、全力で私を地上へ引き寄せる。


 風は強い。


 しかも全身の毛が風を受けて、空気抵抗まで増えている。


 簡単にはいかない。


 まるで巨大な凧を回収しているみたいだった。


 ……なのに、よりによってこのタイミングで。


 突然、肩のあたりに凄まじい力が加わった。


 下がっていた高度がぴたりと止まり、


 それどころか、再び上昇し始める。


「……何あれ!?」


 神代と緑髪の少女は縄にしがみついたまま、恐怖に顔を引きつらせ、私の上空を見上げた。


「……あれは……」


『詰んだ詰んだ詰んだ詰んだ!!』


 コメント欄が、突如として狂ったように流れ始める。


『層主!? ありえない……G172ダンジョンってG級評価だろ!? なんでここに層主級魔物がいるんだ!?』


『層主???』


『マジで層主なの!? 勘弁してくれよ!! うちの娘、今朝そのダンジョンに修学旅行で入ったんだぞ!?』


『そうだよ! 今日G172には学生が大量に来てる!!』


『まさか……』


『ダンジョン異変だ!!!』


『嘘だろ……なんでよりによって今日なんだよ!?』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ