序章
20年以上前に創作した小説です。
よろしくお願い致します。
完結いたものを修正してアップしてみます。
『 あと何人、人を殺せば......、
何度、戦場へ行けば、
何回、死ねば、
俺達は、自由になれるのか? 』
誰が言い始めた言葉か知らないが、太陽系同盟の兵士の間で語り継がれている。
◆
地球の環境は西暦2500年頃から続く海底火山の活発な活動及び、
相次ぐ隕石や人工衛星の落下。
果ては地球内において幾度も繰り返された世界大戦の長期化により、
この地球は人が住むには適さない惑星となっていった。
この物語である西暦3982年には、
地球上の海と大陸の比率は逆転され
陸地が7割、海が3割との比率になっている。
◆
宇宙開発においては、
23世紀後半~25世紀にかけて銀河系内における宇宙大航海の時代が到来し、
人々は第2の地球を求め、太陽系を離れ銀河へ散っていった。
25世紀以降は、衛星都市などの建設技術も飛躍的に発展を遂げ居住可能な惑星を探すリスクも軽減し、
宇宙への移住に拍車をかけた。
他には、宇宙船の航路に適した宇宙空間へ中立衛星都市を建設し補給基地とした。
太陽系に残った人類の多くは、
月、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星
惑星及びその周辺軌道上の人工衛星都市などにも移住していった。
宇宙への移民により地球は過疎化が進み、
人類は地球を見限った。
地球も人が去ったことで、地球自身による自然治癒による再生の道を歩み始めていた。
◆
西暦3860年10月9日。
医学の進歩は、不老の妙薬が開発されるまでに至った。
月面にある、私営の薬品会社で開発され、
、開発者ティム・ゼクシーは開発後すぐに木星圏のとあるコロニーへ亡命した。
この薬の使用については、成人 (20歳)と同時にその服用が許可されたため、多くの者は成人に達すると同時に服用している。
その薬には副作用も少なく、一度服用してしまえば
その効力は生涯持続するが、遺伝はしない。
太陽系内の政府の代表の首脳会談で、太陽系外への、この不老の妙薬の輸出には規制をかける事が制定された。
のちに、太陽系外においては不老の妙薬は膨大な価格で取引されることとなった。
この妙薬の使用により、太陽系内においての人類の寿命は、200歳を超えた。
他の様々な分野における医学の進歩により、
不慮の事故などで、即死しない限り、不老のまま平均寿命をまっとうできるようになった。
その他、月のとあるラボで人類は人工子宮を完成させるにいたった。
人工子宮は水槽内での受精卵の養育に成功し、人類の出産率に転機が訪れた。
◆
西暦3965年。
月面の同研究所で、
科学者リスト・ウォンが人の記憶をセーブしておくシステムと、記憶を外科的手術なしで、人の脳に取り込むことができ得ると学会で発表し、その開発に取り組んでいた。
西暦3973年に木星圏のあるコロニーでクローンが合法化されたのを契機に、その研究に興味を持っていた木星の有力な政治家や企業は、その記憶を保管する開発に多くの投資をした。
リスト・ウォンのクローンであり、娘でもある科学者リン・ウォンが完成を目前にして亡くなったリストの研究を引き継ぎ、3975年にそれを完成させた。
その翌年には太陽系内の市場に流通させ、
人類は一度死んでも、記憶をセーブしていた時点の記憶を持ったクローン、遺伝子上まったく同じ存在として復活することのでき得る結果となった。
しかし、この記憶セーブを可能とした超低周波が
見つけ出される以前に金と手間暇がかかる方法にて
偽りの永遠を享受している者たちがいた。
その彼らの貪欲な探求心によって、今の方法を取得していた。
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以前行われていたこの手法は、とても、繊細且つ時間が最低でも15年はかかるものであった。
クローンに自分の記憶を入れる為に、まず、核を除いた卵に自分のDNAの核をいれ、母体となる人
の子宮によって約10ヶ月の後に生まれでた赤子の頭蓋骨が、 オリジナルの脳味噌が入る程度に育つのに約15年程待ち、脳の移植手術を行うものであった。
この際に、神経を傷つけぬ様に細心の注意を払う。
別に移植と言っても、クローン体を使用すれば拒絶反応がまったくない訳ではないがリスクは少なく、
しかし、時間と金銭の都合上、死にたてほやほやの遺体を利用した、首から下の肉体の交換などの行為が22世紀後半から悪習として一部で行われてきた歴史がある。
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現在、太陽系圏内における記憶のセーブは次のようになっている。
就寝中の脳波、α波の状態時にある一定の超低周波に合わせる。
そして、各個人の家に一つはあるセキュリティー
独立型AI、実体をもたない立体映像の手により、
各コロニーの中核にあるホストコンピュータの守護する15のファイヤーウォールと各シェルターの厚さ1mもある13重もの隔壁に守護されている。
その記憶は砂粒ほどの砂塵に人の一生分1ミクロンほどの円錐状鉄板の原子に書き込んでゆく。
生物以外の原子であれば何にでもセーブは可能である。
個人においても、同じく記憶のセーブデータを誕生石などに書き込んで所持している場合もある。
この記憶のセーブに必要な睡眠時間は最低でも6時間は必要となる。
他に左記のような特質を持つ。 人の記憶をセーブした石などに限定されるが、ある一定の光を当てその反射軸を音に変化させるとメロディとなり、
人それぞれの人生の音楽を奏でだす。
たまに、名曲とまったく同じ音楽を奏でる記憶を持つ人もいるといわれる。
石に刻まれたデータはその持ち主の肉体にしかセーブができない。
もし、使用方法を間違えると、セーブした記憶又は、インストール先の脳の相互間で合わないので、他人の記憶をインストールする事は不可能だった。
もし、盗まれたとしても、この特性がある為に個々の人権は守られる。
人は曲がりなりにも、
永遠を手にした。
※
西暦3982年9月7日。
木星圏と火星圏は、以前から外交上や領空圏などの緊張などにより、
木星圏のあるコロニーの進軍により、戦争の勃発に至った。
太陽系において、
3000年に渡る戦争の歴史がこの時から始まった。
月にも法治国家があったが、この両国の戦争に巻き込まれて内乱が起こった。
収拾がつく事はなく月における国家は崩壊し、現在では無法地帯となっている。
木星圏の周辺軌道上に、等間隔で人工衛星都市が在る。その人工衛星は大規模なものではあったが、クローンを作ることについて合法化されていたために人口増加が著しかった。
食糧は充分なのだが、居住区においては限りがあり、火星圏に侵略という形で戦争を仕掛けた。
木星は、侵略戦争を行うにあたって、子供一人が生まれるのと同時に、その子供のクローンを作る。そのクローンが戦場へ送り込まれることとなった。
そのクローンは、培養液の中で半年で育つ。
その間に戦闘時におけるプログラムを組んだものを脳へインストール (超低周波によって聴覚視覚を伝い脳へと書き込む)し、戦場へと行くことになった。
それらによって、オリジナルの方の人類は戦争に出ることは一生ない筈だった。
そして、木星圏には、法律で出産権とクローン権が作られた。
木星圏では、出産権とクローン権のどちらかを選択することができる。
そこで出産権を選んだ場合は言葉の通りの意味で、
クローン権は戦争に行ったクローンは政府の強制であるが、そのクローンとは別に、自分のクローンを作る権利がある。
そのクローンはオリジナルの寿命がつきた場合に、オリジナルがセーブしていた記憶を、そのクローンにインストールすることによる方法を採ることもでき得る。
この出産権とクローン権は、100年ごとに更新される。
他にもこのクローンには様々な選択肢が多岐にわたっている。
後に、この法律は土星、天王星、冥王星、海王星にも設けられた。
対する、
火星圏合衆国におけるクローン法については、戦争に行く兵士のみに充てられた法律とされている。
兵士として、戦場にて現職中亡くなった場合で戦死の場合にクローンに記憶をインストールする事で入れることが許されている。
それにより、もう一度だけ人生をやり直す機会が与えられている。
この法律により、戦争による孤児と未亡人をなくす事にもなった。
一度戦場で亡くなった軍人はもう二度とその職に就けない事となっている。
しかし、特例では、佐官クラス以上の軍人はDNAと記憶のデーターをセーブされる。
未来において優秀な人員が不足した時に何度でもクローニングにより、その時代に強制的に復活させられる。
この特例は、
ある意味、当人には迷惑この上ない法律だった。
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そして、この3000年に渡ることとなったこの戦争も、初めのうちは木星圏内のあるコロニーと火星のみの戦争をしていた。
火星、月、地球の衛星軌道に存在するコロニーと同盟を組み、最終的には一つの国家となり、火星圏合衆国となった。
そもそも、戦争の原因となった木星圏のあるコロニー、Dear the growという名のコロニーが発端であった。
西暦4287年現在では、
木星圏の他のコロニー並びに、土星圏、天王星圏、海王星圏、冥王星圏の国と同盟を結び、
太陽系同盟と名乗ることとなった。




