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弁当と作戦

ペア戦でドトールとミシナの2人は、大成を襲ったが、大成の禁術で返り討ちにあった。

【クラスマッチ・南会場】


会場は静まり返っていた。

殆どの者は、両手で耳を塞ぎ、しゃがみこんだ状態で恐る恐る頭を上げ、周りを見渡していた。


「しゅ、修羅様が、俺達を助けてくれた!」

1人の男の呟きが会場に響いた。


「「修羅様~!」」

「「修羅、修羅、修羅…」」

会場は修羅コールが鳴り響いた。



「皆さん、まだ、試合が終わってません。ご静粛に!」

先生達が呼び掛けるが、なかなか修羅コールは止まなかった。


暫く経ち、やっと静まった会場。

「勝者、2組チームイーター」

ジャッジの先生は、片手を上げ勝利宣言した。


「ウオォォ!」

会場が盛り上がった。



「俺、初めて見た!あんな巨大なゴーレムと炎の剣。2つとも、禁術だろ!あの歳で、よく禁術とか使えるよな!しかも、続けてだぞ!」

男は片手を前に出し、興奮しながら魔王修羅のことを熱く語る。


「そうだな。それもあるが、これを見ろよ。ニラミス産の刀だぜ。分裂した他国と同盟を結び、以前みたいに多くの他国の品物が市場に出回ってきている」


「へぇ~、他国との貿易も進んでいるのか。何でも出来るな修羅様は」

「本当にそうだな」

男達は、何度も頷きながら、感心しながら会場を跡にした。


競技の内容よりも、途中で現れた魔王修羅の話題で盛り上がっていた。



大成は、苦笑いしながらルネルに話しかけた。

「お疲れ様、ルネル」

「あっ、大和君、お疲れ様」

未だに、呆然としていたルネルは、大成に声を掛けられ我に返った。


「ほ、本当に修羅様は凄かったわね!ねぇ、そう思わない?大和君!」

「そうだね」

「まさか、見に来ていたなんて。思ってもみなかったわ!」

「だね」

「でも、嬉しいわ。私達の闘っている勇姿を見て頂いただけでも。そう、思わない大和君!」

珍しく、興奮気味のルネル。


「う、うん」

(やはり、魔王とバレない様にしないと、今まで築き上げた関係が壊れそうだな…)

大成は心の中で思いながら、苦笑いしたまま相槌をついき、ルネルと一緒に会場を跡にした。




1組のギシマムとラシカは、目を覚ましており、今も呆然としたまま地面にへたり込んでいる。


一方、ランドニーは魔王修羅が出てくるという想定外な出来事に、顔が真っ赤になるほど苛立っており、手に持っていた魔法アイテム、アイス・シールドを力強く握り締めていた。


「糞が!どうしてだ!私の計画通りにことが進まないんだ!」

握り締めていたマジックアイテム、アイス・シールドを地面に叩きつけるランドニー。

アイス・シールドは、粉々に砕けた。



「ハァハァ…。まぁいい、午後のサバイバルで確実に仕留めてやる」

ランドニーは呼吸を整え、肩が上下に動いていたのが止まり、頭を上げた。

ランドニーの口元がニヤリと歪んだ。


ランドニーは、自分の生徒を放置したまま会場を跡にした。



マキネは、たまたまランドニーの近くの観客席に潜んでいた。

「主犯は、あの人か。ダーリンに知らせなきゃ」

マキネは、大成の元へ向かった。


射的の結果は、32人中、1、2、4、5位だった。

去年は皆は順位が20後半だったので、それを比べれば比較的に良い成績だ。


理由は、大成は射的に出場するクラスメイトに、クイックドローという技術を教えたからだ。

クイックドローとは、早打ちだが、標的にほぼ同時に着弾する技術。


射的の競技は、1対1で対戦する。

渡された武器に魔力を込めると魔力の塊が発射されるという仕組みで、標的のボールを先に破裂させた人が勝利となる。


魔法カードバトルと同じで、膨大な魔力を込めても撃ち出される魔力弾の威力は変化しない。


標的のボール以外に、多くのダミーボールが飛んでいる。


クラスメイト達は、クイックドローを使用し、初弾で邪魔なダミーを貫通させ道を作り。

タイムロスなしに、ほぼ同時に着弾する次弾で標的のボールを破裂させていったのだ。




【ラーバス学園・屋上】


午前中の競技が終わり、昼休憩になった。

誰もいない学園の屋上に大成達は集まっていた。


マキネは、ランドニーのことを皆に話した。


「ありがとうマキネ。良い情報だ。標的は、やはり僕か…」

顎に手を当て、大成は考え込む。


皆は大成が気になり、ジャンヌが大成の顔を除き込んだ。

「どうしたの?大成」

「いや、何で恨まれているのかなっと思っただけ」

我に返った大成は、ジャンヌに顔を向けた。



「おそらく、それはですね。ランドニー先生は、異種族や自分より強者を嫌っている傾向があります」

言いづらそうに答えるウルミラ。


「それは合ってるわね。ランドニー先生の態度を見れば、一目瞭然にわかるわ。ジャンヌやウルミラは、地位が姫様とヘルレウスメンバーで、それほど嫌われていないけど。私やマーケンスは、嫌われているわね。だから、私とマーケンスに勝った大成君は、異種族で魔力値2なのに、周りからランドニー先生より強いと噂されているから、なお嫌われているかもね」

イシリアは、最後に馬鹿らしいと言いながら溜め息をする。


「そんなことで、殺すほどなのか」

呆れ果てた大成。


「ランドニー先生は、貴族の中で上層の貴族ですから」

ウルミラは事情を話した。


「あの人は、特にプライドが高いのよ」

「否定できないわね」

「そうか。貴族なら納得できるね」

ウルミラに肯定するジャンヌ、イシリア、マキネ。



「そういうものなのか…。まぁ、サバイバルで襲ってくるとわかれば楽だしな」

とりあえず大成は、これからのことを考えようとした。


「ダーリンは、サバイバルは棄権するの?」

人差し指を立て口元に当てて、首を傾げるマキネ。


「当たり前よ。大勢から襲われるって、わかっていて出場する人なんていないわ。ねぇ、大成君」

イシリアは肩を竦めた。


「いや、出場する。もし出場しなかったら、周りに迷惑が掛かる可能性が高いし。それに、少しでも優勝できる可能性を上げたいからね。まぁ…。俺も、そろそろ堪忍袋が限界だ」

話の途中で怒りが込み上げた大成は、威圧感が増大し言葉使いが変わった。


「「~っ!」」

ジャンヌ達は、ビックっと体を震わせた。

以前に比べ耐性はできたが、それでも、やはり慣れない。


「はぁ~、わかったわ。その代わり、殺害しちゃダメよ。大成」

ジャンヌは、仕方ないという感じで溜め息をして条件を出した。


「わかっている」

大成は威圧感を消して頷く。

他の皆も、仕方ないという感じで納得した。



「そろそろ、ご飯にしませんか?」

胸元で両手を合わせたウルミラは提案する。


「「そうね」」

「そうしようよ」

大成以外は、自分達の鞄から弁当を出した。


「そうだな。食べ物買ってくるよ。ついでに、皆の分の飲み物でも買ってこようか?」

大成は立ち上がり、学園の売店か食堂、もしくは、今日はクラスマッチのイベントで屋台で済ませようと考えて、向かおうとした。


「「そ、その…」」

ジャンヌ達は、声が揃った。


「ん?」

大成は、怪訝な顔で皆を見た。


「た、大成の分も作ったから、良かったらどう?」

「わ、私も、た、大成さんの分を作ってきました」

「ダーリン、私もだよ」

「もし、良かったら、わ、私の弁当もどう?大成君」

ジャンヌ、ウルミラ、マキネ、イシリアは頬を赤く染め、鞄から大成の分の弁当を出した。


ジャンヌ達は、大成の弁当のことで皆で話し合い、それぞれミニ弁当を作ることにしたのだ。



「え?食べて良いの?」

首を傾げる大成。


「「もちろん!」」

「もちろんです!」

「もちろんだよ!」

大声でジャンヌ達は返事をした。


「ありがとう、皆!」

大成は、それぞれから弁当を貰い開けてみた。



「わぁ~!とても美味しそうだ」

とても嬉しかった大成は笑顔を浮かべた。


ジャンヌとウルミラの弁当は、2人で一緒にそれぞれ作り、肉、野菜がバランスよく、中身は同じ内容の弁当。


マキネの弁当は、肉が主なボリューム満点の弁当。


イシリアの弁当は、魚が主な和風の弁当だった。



しかし、この中に1つだけ危険だと本能が訴えている弁当があった。


それは、ジャンヌの弁当だった。

ウルミラ、マキネ、イシリアも異変に気付いた。


ウルミラは自分と同じ料理のはずなのに、どこか違うことに気付いて疑問に思い、マキネとイシリアは本能が危険だと感じた。



(ジャンヌの弁当は、ウルミラと見かけは全く同じに見えるが…。なぜか、うっすらと黒いオーラー、いや、人の顔の様なものが見え、叫び声も聞こえそうだ…。確かこういのは、えっと何だったかな…。そうだ。シミュラクラ現象とか言うんだったかな…)

大成は、恐る恐るジャンヌとウルミラを見た。


ウルミラは、何故こうなったかわからないという表情で、顔を引きつっていた。


一方、ジャンヌは首を傾げていた。


「どうしたの?」

「いや、そ、その…ん?あれ?ジャンヌの持っている弁当は?」

大成は、ジャンヌが自分で食べる弁当には、危険な感じが全くしないことに気付いた。


「これはね。そ、その、大成、あなたの弁当を作ることに夢中で、自分の分の弁当を作るのを忘れていたの。そのことに、ウルミラが気付いて、私の分まで作ってくれたの。あとから聞いたら、集中している私を気遣ってくれたのよ。ありがとうウルミラ。それと大成。その…初めて作った弁当だけど、自信はあるわ」

頬を赤く染めて答えるジャンヌ。


(なるほどね。これは、もう覚悟を決めるしかないか…)

一度瞳を閉じ、大成は覚悟を決めた。



「そういえば、イシリアは一緒にここで食事とって良いの?ローケンスさん達が応援に来ていたけど」

「ちゃんと言ってきたから大丈夫わよ。大成君」

心配した大成だったが、イシリアは笑顔で答えた。


「そうか、良かった。こうして皆と食事をとることができて」

大成は笑顔で頷いた。



「皆ありがとう!じゃあ、食べようか。頂きます!」

「「頂きます!」」

皆で合掌した。



大成は、まずイシリアの弁当から頂くことにした。

「どう?大成君」

不安そうに尋ねるイシリア。


「美味しいよ。特に、この魚は酢が効いてて美味しいよ。ありがとう。イシリア」

メインの新鮮な白身魚の刺身を絶賛した大成。


「良かった。私も好きな料理なのよ」

イシリアは、ホッとし笑顔になった。



次に大成は、マキネのステーキ弁当を頂くことにした。

「おっ!厚切りでボリュームあるステーキだ」

「そうだよ。しかも、この肉はね。今日、私が狩ったバルトニクッスのヒレ肉の部分だよ」

「凄いな!バルトニクッスは指定4の危険な魔物。もう、一人で倒せるようになったのか。凄いな」

「でしょう!」

胸を張るマキネ。


「おお!舌の上で、とろけるような柔らかくって奥深い味だ。それを、さらに美味しさを引き出してるのは、この酸味のあるソース。美味しいよ。ありがとう。マキネ」

「でしょう!このソースは、いくつもの試作品を作って、やっと完成した自慢のソースなんだよ」

マキネは、ウィンクした。



次の弁当はウルミラの弁当を選んだ大成。

「栄養バランスよく、作った弁当だね。おっ、この卵巻きは、ふわふわして中は半熟でとろける。ん?これは、だし巻きだね。卵の旨味を邪魔しないように味とコクそして、深みを引き出している」

「お口に合って、良かったです。そのだし巻きは、初めてお母様と一緒に作った料理です」

笑顔で胸元の前で両手を合わせて、ウルミラは喜んだ。


(そういえば、ウルミラの母・ウルシアさんとジャンヌの母・ミリーナさんに会ってないな。おそらく、勇者の事件で…いや、義兄さん…)

大成はウルシアとミリーナを思い出した。


そんな、大成の表情を見たジャンヌとウルミラは、すぐに理解した。



「最後は、私の弁当ね。食べてみて、大成」

雰囲気を変える感じで、ジャンヌは自分の弁当を進めた。


「じゃあ、頂くよ…」

恐る恐る大成は箸をとった。


ジャンヌと大成は、ドキドキしている。

ジャンヌは自分の弁当は大成の口に合うかで緊張し、大成は食べても大丈夫なのかと緊張した。



そして、だし巻きを箸で摘まみ上げた大成。


大成は、だし巻きを見詰めた。


見かけは、ウルミラと同じだが…。

どうしても何故か、だし巻きから人の顔が見え、叫び声まで聞こえてきそうなのだ。


(き、気のせいだ。そうに違いない。大成、お前は今まで毒耐性を得るために、いろいろな毒を摂取してきたんだ。今回は、きっと今までの努力が生かせる。いや、今までの努力は、この日のためだったんだ…きっと…)

冷や汗をかきながら、大成は自分に言い聞かせる。


ウルミラ、マキネ、イシリアは心配そうに大成を見ている。



そして、ゴクンっと空気を呑み、目を瞑ったまま大成は、だし巻きを食べた。


「あれ?ウルミラと同じで、美味しい…」

口に入れた瞬間は、驚くことにウルミラと同じ味だったが…。


「ん?何これゴリゴリしているのと、魚の骨みたいなのが、沢山入っている!?」

(しかも、凄く生臭いぞコレ!?)

大成は吐き気がしたが、必死に飲み込んだ。


「フフフ…。隠し味にシー・モンスターの肉を骨ごと微塵切りにして入れたのよ。漢方薬の本を見たらシー・モンスターの骨は、滋養効果があり、疲れやダルさを改善するって書いてあったの」

自信満々で説明するジャンヌ。


(いや、僕も読んだことあるけど。確か微塵切りではなく、乾燥させ粉末にしないと、生臭く、効果が薄いって記載されていたはず。しかも、隠し味って言っているけど、全く隠れてないよジャンヌ…)

「あ、ありがとう、ジャンヌ。体調を考えてくれて…」

大成は、必死に笑顔を浮かべてお礼を言った。



(皆の弁当を完食しているし、の、残したら不味いよな…)

他にも、いろいろと工夫が施されており、やたらと酸っぱい物、辛い物、ドロドロしている物があった。


そんなこんなで、頑張ってどうにか完食した大成。

「お、おいCかっ…た…よ…」

すでに、ノックアウト寸前だった。


「フフフ…良かったわ。作ったかいがあったわ」

口元に手を当て喜んでいるジャンヌ。

ウルミラ、マキネ、イシリアの3人は、頬を引きつらせていた。



「ひ、姫様」

「何?ウルミラ」

「こ、この前、売店で、ぜひ、一度は大成さんに飲んで貰いたい飲み物があると言っていませんでしたか?」

「あっ、そうだったわ。ありがとうウルミラ。せっかく、だから買ってくるわ」

ジャンヌは立ち上がり、売店へと向かった。



「大成さん、すみません。まさか、姫様の料理があれほど凄いとは思っていませんでした。大丈夫ですか?」

「ダーリン、生きている?」

「大成君、午後の競技に出られる?」

ウルミラ達は、大成を心配した。


体を震わせ、痙攣を起こしている大成。

「な、何とか…」

大成は答えた瞬間、気を失い後ろに倒れた。


「大成さん!」

「ダーリン!」

「大成君!」

ウルミラ達は、慌てて大成の脈を診て保健室へと運んだ。




【ラーバス学園・保健室】


「ぅ~ん…」

大成は目を覚ました。


「あれ?ここは?」

「保健室だよ」

大成は保健室のベッドから起き上がり、傍に居たマキネが答えた。


「しまった。競技のサバイバルは終わった?」

思い出した大成は慌てた。


「大丈夫だよ、ダーリン。今、ジャンヌ達の女子のバルーンが始まったところだよ。サバイバルは、その次だから安心して」

慌てる大成を見て、クスクスと笑うマキネ。



「看病ありがとう、マキネ」

「どういたしまして、ダーリン」

「ん!?」

マキネは大成にキスをした。


「えへへ…。行こうダーリン」

「あ、ああ」

マキネは頬を赤く染め、呆然としている大成の手を引っ張り、バルーン競技をしている東会場へと向かった。




【東会場】


その頃、ジャンヌ達はバルーン競技の準備に入っていた。


ルネルが大成の心配をした。

「あの、ジャンヌ様。大和君は大丈夫なのでしょうか?」

ルネルは会場に向かっていた時、ウルミラ達が大成を保健室に連れて行く姿を見ていた。


「大成は、大丈夫よ。ただの食べ過ぎで、倒れてただけだから」

ジャンヌは呆れていた。


「そ、そうですね…」

「そ、そうね…」

苦笑いしながら肯定したウルミラとイシリア。


ウルミラとイシリアの反応を見て、何か違うような気がしたルネル。



ジャンヌ達は作戦を確認し合っていた時、ルネルは大成を見つけた。

「あっ、あれ、大和君じゃない?」

「大成さん。本当に無事で良かったです」

「「そうね」」

大成の無事を知り、ジャンヌ達の表情が明るくなった。



ジャンヌ達は円陣を組み片手を前に出し重ねた。

「今年こそは、総合優勝するわよ」

「「はい!」」

「もちろんよ」

「ファイト~!」

「「オオ~!」」

ジャンヌの掛け声と共に、一斉に手を上げた。


前回、去年のバルーン競技は、開始直後、一斉に周りから狙われジャンヌ、ウルミラペアは耐えて優勝したが、イシリア、ルネルペアは魔力切れになり、途中で攻撃を貰い失格になっていた。



今回は、大成が作戦を考えてくれた。

「去年の屈辱を返さないとね」

「そ、そうね」

「「そうですね」」

イシリアの背後に般若が見えた気がしたジャンヌ達。



バルーンが、それぞれのペアに行き渡った。

「「エア・バースト」」

それぞれ風魔法エア・バーストを唱え発動させ、バルーンを空中に上げた。


周りの皆は、ジャンヌ達を狙っていることを隠さないでいる。



「皆さん、準備は良いですか?では、バルーン競技開始!」

先生の開始の合図で、一斉に魔法を唱え発動させる。

「「ファイア・アロー」」

「「アイス・ミサイル」」

「「エア・カッター」」

「「アース・ショット」」

もちろん、前回と同じで標的はジャンヌ達だった。


「「エア・ブロー」」

ウルミラ、イシリアは風魔法、エア・ブローを唱え、バルーンの下から突風を巻き起こし、バルーンを急上昇させ、周りの攻撃魔法を回避した。


大成の作戦は、ただ回避した訳ではなかった。

開始直後、バルーンを少し低めの位置に宙に浮かすことにより、攻撃魔法を回避した時、反対側の上に浮いている他のクラスのバルーンに当たるような位置取りをしていた。


「「えっ!?」」

「「きゃっ!」」

「「エ、エア・アーマー」」

「「ア、アイス・ブロック」」

慌てるペア、何もできないペア、防御失敗するペアが多く、あっという間に相討ちが発生し、他のクラスのペアは減少した。



「アイス・ミサイル」

「ファイア・アロー」

「エア・スラッシュ」

「アース・スピア」

あとの残りの他のクラスのチームは、ジャンヌ達が倒していった。


「勝負よ!ジャンヌ、ウルミラ!」

「受けて立つわイシリア!」

最後はジャンヌ、ウルミラペアとイシリア、ルネルペアの妨害なしの勝負をし、ジャンヌ、ウルミラペアが勝った。


ジャンヌ、ウルミラペアは優勝。

イシリア、ルネルペアは2位となった。

他のペアは居ないので、他のクラスは獲得ポイント0になり、2組のチームイーターは2位の1組との差を更に広げた。



「今年は負けたけど。来年また勝負よ、ジャンヌ、ウルミラ!」

イシリアは、ジャンヌに指をさして宣言した。


「ええ、受けて立つわ」

ジャンヌとイシリアは、お互い握手をした。

こうして、バルーン競技は終わりを告げた。

投稿遅れて、申し訳ありません。

今日、帰りが早いので18時ぐらいに、もう1話投稿させて頂きます。

もし宜しければ御覧ください。


次回、サバイバルで大成が活躍します。


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