クラスマッチ開催と闇組織ノルダン
クラスマッチの練習期間が終わった大成達。
【ラーバス学園付近】
クラスマッチの日がやってきた。
大成、ジャンヌ、ウルミラ、イシリアの4人は、いつものように朝練が終わり学園に向かっていた。
ジャンヌ達は張り切っていた。
「やっと、この日が来たわね!今年こそは優勝を頂くわよ」
「そうですね!」
「そうね!」
「……」
ジャンヌに賛同するウルミラとイシリア。
大成は窶れていた。
なぜかというと…。
大成は、学園ではクラスメイト全員の練習プランを考え。
そして、教えていく日常を送り。
帰ったら帰ったで、同盟を結びたいという国々の王達が交渉に来て話し合いをする。
そのあと、契約書や書類を作ったりし、深夜遅くまで掛かる。
同盟は嬉しいのだが、流石の大成も休ませて欲しいと心から思った。
そんなこんなで痩せ細っていた。
「あ、あの…大丈夫ですか?大成さん」
「大成の自業自得だから気にしないで良いわよ。ウルミラ」
「そうよ、ウルミラ。断らなかった大成君が悪いのだから」
心配そうに声を掛けるウルミラだったが、ジャンヌとイシリアは意見が反対だった。
ジャンヌとイシリアは、大成がクラスの女子にも教えていることが気に入らなかった。
なぜかというと、クラス女子の数名は、わざとらしく手を抜いた武器の使い方をして大成に尋ねる。
そして、大成が手取り足取りで教えている。
しかも、何回もだ。
所謂、かまってちゃんだった。
大成は、仕方なく教えているのはわかっていたが、見ていてストレスが貯まり矛先が大成に向かっている。
そんな時、大成達の後ろから横を通り、前に出たカップルがいた。
カップル2人は、手を繋いで幸せそうだった。
それを見たジャンヌ、ウルミラ、イシリアの3人は、自然と大成の手に視線が集まる。
3人は息を呑み、先に大成の手を取ろうとしたが、カップルが気になる話題をし始めたので手が止まった。
「ねぇ、ドトール。今年は、どこのクラスが優勝すると思う?」
「そうだな…。俺は、今年もランドニー先生が率いるクラスが優勝すると思うな。ミシナは?」
ドトールがミシナの顔を見ながら答えた。
「ん?優勝するクラスはドトールと同じかな。でも気になるのは、マミューラ先生のクラスかな」
ミシナは、人差し指を立て口元に当てて考え、思ったことを話した。
「あのクラスは駄目だな。確かにジャンヌ様、ウルミラ様、ローケンス様の娘であるイシリア様、息子であるマーケンス様は居るが。他の生徒が弱いから、ずっと優勝してないぞ。いや、できないと言った方がいい」
ドトールは、空いた手で顔の前で手を振って否定する。
ドトールの言葉で、ジャンヌ、ウルミラ、イシリアが威圧感が増した。
「お、落ち着いて…」
慌てた大成は小さな声で止める。
大成は、どうにか落ち着いた3人を見てホッとした。
「でもさぁ。今年は、ランキングマッチでイシリア様とマーケンス様を倒した人間が加わったらしいわよ。え~っと確か名前は…。大和大成って名前だったかな?」
人差し指を立て、頭に当てるミシナ。
「ああ…そうだったな。でも、偽情報とか言われているぞ。魔力値2の大和大成が魔力値6のイシリア様、マーケンス様に勝てるわけないからな。噂では、修羅様は人間と同盟を組むとか言っていたから、その時のために偽情報を流して人間を見下すことなく、すぐに仲良くできるように計らっているとか言われているぞ」
「それは、あり得るわね。修羅様も人間だから、同じ人間と争いたくないかもねぇ。それか、「時の勇者」が恐いとか?流石に、それはないか。あんなに強ければ勇者も倒せそうだし。アハハハ…」
ミシナは、笑いながらドトールのうでに抱きつき、ラーバス学園に入った。
カップルの姿が見えなくなった瞬間…。
再び、3人の威圧感が、あらわになっていく。
「お、落ち着いて」
「大成!あなた馬鹿にされて悔しくないの!?」
「そうですよ。大成さん!」
「ねぇ、バレないようにあの2人を闇討ちにする?」
「ちょ、ちょっと待って、落ち着いて」
再び大成が止めようとするが、3人は大好きな大成を馬鹿にされて怒っていた。
イシリアに至っては、恐ろしいことを言い出している。
「正直、馬鹿にされて悔しいけど。でも、こうなることはわかっていて、あの式典の時に言ったんだ。隠さず、これからすることを公にし、少しでも信頼されるようにね。結果を出せば、周りも変わると僕はそう思っている」
手を太陽に向けて前に出し、手を握った大成。
「大成」
「大成さん」
「大成君」
大成の意気込みに、ジャンヌ達3人はうっとりした。
そして、クラスに合流するため、大成達は教室に向かう。
【ラーバス学園・正門】
その頃、ドトールとミシナは大成達と距離をとり、誰もいない場所で精神干渉魔法レゾナンスで仲間達と連絡を取る。
「獲物は、どうだったか?」
低い男の声が頭に響いたドトールとミシナ。
「はい。ダビルド様が仰っていた通り、イシリアとマーケンスに勝ったという情報は、偽装の可能性が高いと思いました。気配、動作が普通の子供の様でした」
ミシナが報告した。
「俺1人でも任務遂行できると思われます」
「いや、今回の依頼は報酬が破格だ。失敗は許されん。念のため、そちらに30人手配したところだ。昼ぐらいに着く予定だ。油断するなよ2人とも。期待しているぞ」
ドトールがアピールしたが、ダビルドは先に30人手配していた。
「「了解ですボス」」
ドトールとミシナは、誰もいないが敬礼しレゾナンスを解除した。
ドトールとミシナは、闇組織ノルダンのメンバーだった。
今回の依頼された任務は、大和大成の暗殺又は殺害だ。
「今回は報酬が破格だったから期待はしていたが、相手は子供か…」
「ええ、そうね。私も残念だわ。骨のある任務かと思ったけど。今回もスムーズに達成出来そうね。だけど、ダビルド様の言う通り、油断は禁物よ」
「ああ…」
ドトールとミシナは、再び人混みに隠れた。
【教室】
大成達が教室に入ると、マーケンスが教壇に立ち、鼓舞していた。
「今日、このために頑張ってきたんだ。勝つぞお前達!」
「「オオ~ッ!」」
代表に選ばれた生徒、選ばれなかった生徒関係無く、皆はやる気十分だった。
「誰かさんと違い、皆はやる気があるわね」
「アハハハ…」
ジャンヌの、とげのある言葉に苦笑いする大成。
「「おはようございます」」
大成達に気付いたクラスの皆は挨拶した。
「「皆、おはよう」」
「おはようございます、皆さん」
大成達も挨拶した。
「お~、凄いやる気あるなお前ら。まぁ、頑張れよ」
他人事のような言いぐさで、教室に入って来た担任のマミューラ。
皆は作戦の再確認をして、会場に向かった。
【教室の廊下】
大成は廊下に出て、後ろを振り向いた。
「……。」
「どうしたのですか?大成さん」
ウルミラは大成に尋ね、大成が向いている方向を見たが何もなかった。
「何しているの?早くしないと遅れるわよ」
「は、はい、姫様」
ジャンヌの呼び掛けに、慌てるウルミラ。
「いや、何でもない…」
大成もウルミラのあとを追った。
大成が見ていた方角の壁際に、ドトールとミシナが隠れていた。
「危なかったな」
「ええ、そうね。強くはないけど、代わりに直感が鋭いみたいね。気を付けないと」
「そうだな」
ドトールとミシナは、心拍数が上がったので、深呼吸をし落ち着かせた。
この時、ドトールとミシナは、本当に大和大成は本当に弱いのか疑いが出たが、相変わらず隙だらけだったので判断を改めなかった。
【グランド】
時間になり、音楽が流れて入場式が始まった。
クラスごとに説明のアナウンスが流れる。
「毎年優勝している1組ランドニー先生が率いるクラス。チーム朱雀連合。今年も、優勝するのか見ものですね」
「「きゃーっランドニー先生!こっち向いて~!」」
アナウンスが流れ、ランドニー先生が先頭を歩き、その姿を見た保護者、一般の女性達は騒ぎ、ランドニーは軽く手を振って行進した。
「続いては2組マミューラ先生の率いるクラス。チーム名は…何これ?文字が間違っている?えっと、チーム名、チ、チームイーター。今年こそは優勝できるといいですね」
「「文字ぐらい、ちゃんと書けよ!しかも、悪趣味だな!おい!」」
戸惑いのアナウンスが流れたと同時に、大成は男子達に突っ込まれ攻撃される。
始めはイシリアが指揮をとっていたが、皆が大成を頼り、いつの間にか大成が指揮をとることになった。
「ごめん。チームイーターより、ソウルイーターの方が良かった?」
「「どっちもどっちだ!!」」
謝りながら聞いた大成だったが、逆に反感をかってしまい男子達から再び攻撃された。
「「アッハハハ」」
大成達のやり取りを見て、観客が盛大に笑った。
「ククク…」
先頭を歩くマミューラは笑い、その後ろでは生徒達は恥ずかしく頬を赤く染め行進した。
そして、次々と紹介があり、全部で8クラスが出揃った。
式は順調に進んだ。
「正々堂々と闘うことを誓います!」
宣誓したのは、去年優勝したランドニー先生だった。
入場式が終わり、やっとクラスマッチの競技が始まる。
【魔法カードバトル・男子】
始めの競技は、魔法カードバトル男女別で始まるとのことで、アドバイザーを男チーム女チームに1人ずつ置ける。
女子のジャンヌ、ウルミラ、イシリア側にマミューラが就くことになった。
マーケンスと他男子2人の担当は大成に決まった。
大成は、想定外な問題に直面していた。
それは、競技がトーナメント制の団体戦だった。
3人で1人1戦ずつ闘い、先に2勝したクラスが勝ちとなる。
大成は、1回戦の1組と8組の対戦を偵察していたのだが…。
(ヤバイな。予想以上に他のクラスは強い…というより、マーケンスは問題ないけど、他の2人が問題だ)
1組の戦力を見て不安になり、大成は観戦しながら作戦を考える。
「勝者1組朱雀連合!」
結局、この試合は2ー0で1組のストレート勝ちだった。
1組と8組の試合が終わった後、大成はマーケンス達を集めて順番を相談する。
「あ、悪い!そういえば、言ってなかったな。で、どうするんた?大和」
マーケンスが深刻そうな顔で大成に視線を送り、他の男子2人も大成を見た。
「こういうのは、どうだろう…」
大成が提案した作戦は、主将にマーケンス、初戦に2番目に強いマルス、副将にナハールにした。
決めた理由は、どのみち2勝しないといけないので、マルス、ナハールのどちらかが、最低でも勝たないといけないからだ。
皆は納得し、こうして順番が決まったのだった。
そして、3組と6組の試合が終わり、大成達2組は7組と試合が始まる。
「「よろしくお願いします」」
アドバイザーの大成は7組のアドバイザーの先生と握手した。
「では、初戦を始めます。マルス君、バダ君、リングへ」
審判する先生の掛け声により、マルスとバダはリングに上がった。
「よっ、久しぶりだなマルス。お前がクラス代表に選ばれるとわな。流石、落ちこぼれクラスだぜ。しかも、アドバイザーが人間とか、やる気あるのか?お前ら」
マルスが代表に選ばれたことが気に入らないバダは、いちゃもんをつけた。
「アドバイザーに人間とか関係ないだろう。バダ」
バダの発言で不機嫌になったマルス。
「まぁまぁ、落ち着きなさい。それより始めますよ」
「「はい!」」
「それでは始め!」
先生が宥め、試合を進めた。
バダは身体強化し、片手防御魔法が刻印されたカード、もう片方に攻撃魔法が刻印されたカードを持って攻撃し、防御もして対応した。
マルスは大成の作戦で、身体強化し動き回り、両手には攻撃魔法が刻印されたカードを持って、次々に発動し攻める。
普通はバダみたいに、片手に防御カードともう片手に攻撃カードを持ち、バランスよくするのが定石だ。
大成は、勿論定石も考えていた。
だが、マルスは他の生徒よりも身体能力が高かったので、あえて超攻撃型を進めた。
始めはボロボロになり、周囲の皆も反対したが、大成は反対するクラスメイトとマルス本人を集めた。
「この魔法カードバトルは、攻撃魔法の種類が炎、土、氷、風だけで、種類も1種類ずつしかない。どんな攻撃か把握していれば、これくらいの攻撃ならマルスなら避けることが十分可能だ」
大成は攻撃カードを発動し、カードを持ち変えて全ての攻撃カードを発動し見せて説明した。
それから、半日で8割避けることが出来るようになったのだ。
バダは、動きながら必死に攻撃していたが、マルスは余裕があるように避けながら両手から氷と土の攻撃魔法を発動し、バダを追い込んでいく。
「く、糞!なぜ当たらないんだ!くっ、ガードが間に合わない…ぐぁっ…」
バダは、マルスの両手から次々に魔法攻撃され、氷と土の弾丸の雨を、防御カード1枚では耐えることはできず、被弾しながらポケットに入れていた土の防御カードを取りだして壁を作り、防いだ。
「しまった!がはっ」
だが、バダは動き回るマルスに対応していったが、自分の防御壁で身動きできなくなり、上から攻撃され直撃し倒れた。
いつの間にか静寂になっていた会場。
1度は皆が憧れ、試したが挫折したスタイルを目の前で目撃したので沈黙していた。
「勝者マルス!」
「すげぇ~!」
「きゃ~格好いい」
「「ウオォォ」」
ジャッジをしていた先生も驚いていたが我に返り、宣言したことで会場が盛り上がった。
そして、副将戦が始まった。
ナハールは、マルスと正反対で両手には防御カードを持って挑み、相手が疲労したところで攻撃魔法に持ち変え勝利した。
ナハールは、魔力量が他の皆と比べ多かったので、それを生かした戦術を大成が進めた。
この闘いは、欠点がある。
時間が掛かりすぎて、見る方も闘う方もキツイという点だった。
次の試合3組との試合も問題なく勝ち、決勝戦が始まる。
【魔法カードバトル・男子決勝戦】
先に試合が終わった大成達は、1組と5組の闘いを見ていた。
勝ったクラスと決勝戦で当たる。
試合は、またしても2ー0のストレートで1組が勝利した。
「やはり、大和の言う通りになったな。相手は去年優勝した1組か…。今までとは相手のレベルが違う。気を引き締めて行くぞ!」
マーケンスは、真剣な面持ちで1組を見て呟いた。
これまで、大成はマーケンス達に、闘うクラスを全て言い当てていた。
「「おう!」」
マルスとナハールの2人は
「それにしても、」
大成はランドニー先生と握手をしようとしたが…。
「その薄汚れている手を引っ込めろ!人間なんかと握手などせん。しかも、魔力値2のお前なんかと」
ランドニーは握手を拒否し、背を向けてベンチに向かい座った。
会場がざわめき出した。
「「あの野郎っ!」」
マーケンス達は、ランドニーに突撃しようとした。
「落ち着け!僕達が勝てば、泣き面が拝めるからさぁ」
大成は、わざとランドニーに聞こえる様に大きな声で止めた。
「何だと!ガキが!」
眉間にシワを寄せて、殺気を放つランドニー。
大成は怯まず、口元に笑みを浮かべた。
「チッ…。良いか。落ちこぼれのクラスに負けるなよ」
ランドニーは舌打ちしながら、自分の生徒達3人に言った。
「「は、はい!」」
生徒達は、息を呑みながら返事をする。
そんな、やり取りをしている中。
「そ、それではマルス君、ケイン君リングへ上がって下さい」
ランドニーの殺気に怯みながらも、ジャッジの先生は進行を進める。
そして、試合が始まった。
「調子に乗りやがって!ランドニー先生の言う通り、落ちこぼれは落ちこぼれらしく、負けていれば良いんだ!」
ケインはマルスの闘いを見ていたので、マルスに対抗するため、両手には防御カードを持っていた。
「今のうちに言ってろ!お前達は、その落ちこぼれに負けるのだからな」
マルスは、今まで通り両手には攻撃カードを持ち、氷と土の攻撃をした。
「対策済みなんだよ!馬鹿が」
ケインは風の防御カードで防御し氷と土の弾丸を弾いた。
「くっ、これなら、どうだ?」
前の試合も風の防御カードで防がれていたが、マルスは動きながら次々と氷と土の弾丸の雨を降らせることによって、防御カードの効果が切れるのを待った。
だが、効果が切れた瞬間、もう片方にも風の防御カードを持っており防いだ。
「ハハハ…。俺が効果が切れて被弾すると思ったか?残念だったな」
笑いながら勝利を確信するケイン。
しかし、ケインが笑っている時に、マルスも持ち変えていた。
両手には炎の攻撃カードを持ち放った。
「それを待っていたんだ!」
マルスは2枚の攻撃カードを同時に使用し、2つの炎の玉を放った。
炎の玉が飛んできて、ケインは慌てて解除しようとするが、間に合わなかった。
「お、おい!止め…止めろ~!ぎゃ~!」
炎の玉が風の防御壁に当たり、炎の火力が上がった。
風が強ければ炎は消えるが、強さが等しい場合や炎の方が強い場合は、風の防御壁は酸素の壁なので炎は火力を増す。
しかも、今回のカードバトルは、どんなに魔力を込めても最大値が決められ、等しくなるようになっている。
結果は炎が勝つ。
慌てて、ジャッジしていた先生がケインを助けた。
「だ、大丈夫ですか?ケイン君」
「う、ううっ」
ケインは意識があり、ホッとする先生。
「勝者マルス!」
宣言をし、ケインを医務室に運ぶ手配をした先生。
「チッ」
担任のランドニーは、心配した様子もなく舌打ちをしていた。
この作戦も大成が考えた作戦だった。
氷と土の攻撃は、風属性で防御させるためだった。
土と氷の防御を発動したら、一回戦のバダみたいに動きを制限される。
炎の防御だと氷は防げるが、土攻撃は防げない。
落ちこぼれのクラスと周りから言われているのを利用し、炎の攻撃の時はわざと火力を弱めて、風防御でも消せると思わせていた。
そして、わざと弱点を見せて対策させ利用する。
作戦を聞いたクラスの皆は、誰もが上手くいくわけないと思っていたが、実際に大成の言う通りになり、応援していたクラスメイト全員が驚愕した。
次の副将戦が始まり、今回もナハールは、両手に防御カードを持っていた。
相手の選手もナハールの戦い方を見て、両手には攻撃カードを持っていたが、開始直後にナハールは動き回り、氷と土の防御魔法を発動した。
しかし、自分の前ではなく、相手の周りに氷と土の防御壁を作り出し、動きを封じた。
「糞!」
相手は、途中で気付いて氷と土の防御壁を破壊するが、既に3分の2は防御壁に囲まれていた。
そして、相手が魔法カードで防御壁を攻撃している隙に、ナハールは攻撃する。
「そこだ!」
「しまった!ぐぁ」
相手は両手に魔法攻撃カードだったので、防ぐことはできず倒れた。
「勝者ナハール!これにより、チームイーターの優勝が決まりました」
「本当にチームを喰らいやがったぞ」
「今年は優勝できるかも!」
「そうだな可能性は十分あるな」
先生の勝利の宣言した瞬間、会場は盛り上がった。
そんな中、1試合も出場しなかったマーケンスは、ただ1人、落ち込んでいた。
「おいおい、俺の出番がなかったぞ…」
マーケンスは溜め息をし、表彰式が始まるのでリングに上がり、何もせずメダルを貰った。
大成は、嫌そうな顔のランドニーと握手した。
「人間風情が!お前、覚えていろよ!いや、後悔するだろう。ハハハ…」
ランドニーは怒っていたが、最後に笑いながら、その場を立ち去った。
「何だ?負け惜しみ言いやがって、今年は俺達が優勝するぜ!なぁ、皆」
「「オオォ~!」」
クラスの皆はマーケンスに賛同したが、大成は静かにランドニーの台詞の意味を考え込んでいた。
次回、クラスマッチの話が続きます。
投稿遅れて、大変申し訳ありませんでした。




