↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/131

マルチスと練習プラン

クラスマッチの代表メンバーが決まった。

【ラーバス学園・教室】


大成は、クラスマッチのルールブックを開いて読んでみる。


魔法カードバトルは、両者に魔方陣が刻印された同じカードが渡される。

渡されたカードのみを使用しバトルする。

カード以外の攻撃(魔法、武術)は禁止。

カードに多くの魔力を込めても、威力は抑えられるので戦術と魔力量で勝敗が決まる。



バルーンは、2人1組でする競技で直径1メートルのバルーンが各チームに1つ渡される。

バルーンを破壊されたり、地面に落としたら負け。

バルーンを無事にゴールまで運ぶ。

魔法で防御したり邪魔をするのはあり。

武術や殺傷力の高い魔法は禁止。



クラス対抗ペア戦は、ランキング戦と同じで武器は木製であれば使用可能。

選手の2人共が気絶か片方でも降参すると負けとなる。

男女ペアではないといけない。

例、心は女の子でも性別が男なら男としてカウントされる。

殺傷力が高い魔法は禁止。



サバイバルは、1人1人転移魔法陣で森の中にランダムで転移されてブザーが鳴り響いたら開始。

武器は、木製であれば使用可能。

制限時間があり、生徒が多く生き残ったクラスの勝ちとなる。



射的は、指定された色のボール1つを先に撃ち抜いた人の勝ちとなる。

勝ち上がっていくと指定された色のボールを複数個を先に撃ち抜いた人の勝ちとなる。

ボールは上から落ちたり、下から浮き上がってきたり、横から飛んできたりして色んな色のボールが沢山出てくる。

早打ちと正確性が必要とされる。



代表に選ばれたクラスメイト達は、大成の傍に集まっていた。


「俺達は、どうすれば勝てる?教えてくれ」

「大和君、私は射的に出ることになったのだけど。どうすれば上手くなれる?教えて欲しいのだけど」

大成は、クラスマッチに出場するクラスメイト達に相談された。


「僕は、ルールしか聞いてないからあまり詳しくないけど。それでも良いのなら」


「「些細なことでも!」」

クラスメイト達は、身を乗り出すように大成に懇願した。


「アハハハ…なら、競技しているところ見せて欲しいかな。それからじゃないと、癖とかわからないからね」

「そうね」

「なら、グランドに出ようか」

苦笑いするしかできなかった大成は、クラスメイト達と一緒にグランドへと向かった。




【魔人の国・ラーバス国・ラーバス学園・グランド】


「ごめん、ジャンヌ。ブラインド頼めるかな?他のクラスの人達に見せたくないんだ」

「ええ、わかったわ。ブラインド」

ジャンヌが闇魔法ブラインドを唱えて貰い、外から練習をしているところを見えない様にしてからそれぞれ練習を開始した。



「ねぇ、大和君。ところで、君は前衛と後衛どっちが良い?」

バルーンの練習が終わったルネルは、クラス対抗ペア戦のパートナーになった大成に尋ねた。


「あ、ごめん。言ってなかったね。お互い、自由に行動しよう。役割を決めるのは良いけど、ルネルさんの強さなら大抵どうにかなると思うし、何かあったら僕が助けるよ。まぁ、僕よりもマーケンスの方が良いよね」

大成は微笑んだ。


「そ、そんなこと…ないよ。それに…う、ううん、それよりも早く練習しましょう」

ルネルは、頬を赤く染めてブツブツ呟く。


「そうだね、って…」

大成は頷いたが、凄い力でルネルから手を引っ張られてグランドの中央へと連れていかれた。




グランドの中央には、クラスメイト11人が集まっていた。


「えっと、まさかとは思うけど…。11対2で闘うのかな?」

大成は、顔を引き攣りながら尋ねる。


「仕方なかったのよ。皆に練習相手を頼んだけど、皆が拒否したの。理由を聞いたら、私と大和君が組んだら勝てる気がしないということだったの。それで、どんな条件なら引き受けてくれるのかを聞いたら10対2になったのよ。マーケンス君は審判役だから」

ルネルの表情は仕方ないという感じだが、声音は嬉しそうに話す。


「それなら、仕方ないかな」

(まぁ、ルネルがいいなら良いか)

そう思いながら苦笑いする大成。



「あっ、魔法書を持ってくるから少し待ってて」

「えっ!?魔法書?」

ルネル達が驚いた表情をした。


「そうなんだ、僕は体術は得意だけど魔法が苦手なんだ」


自分1人なら魔法を使用しないでも余裕で勝てるが、今回はルネルとのペア戦だ。

援護する時や魔法が必要な時は、魔法が必要になる可能性があるのでグリモアがないと大成は魔法が使えなかった。


大成の弱点は、ユニーク・スキル、グリモア・ブックを出していないと魔法が使用できないということ。


「わかったわ、待っているから早く戻ってきてね」

「行ってきな」

ルネルとマーケンスは承諾し、他の皆も頷いた。


もし、隠れてグリモアを出しても突然何もないところから魔法書が出てきたら怪しまれることやグリモア・ブックで魔王と正体がバレてしまう恐れがあると思い、走って教室に向かうフリをしてグリモアを召喚して他の魔法書のカバーを被せた大成。




一方グランドでは…。

「意外だったな。大和の弱点は、魔力値が低いだけかと思っただけど…。まさか、魔法が苦手だったとはな…。あれだけの魔力コントロールが凄いから魔法も凄いのかと思っていたけど」

「そ、そうよね」

マーケンスとすぐに隣にいるルネルは頬を赤く染めて答える。


端から見ても、すぐにルネルがマーケンスのことが好きなのはルネルの態度でわかるほどなのだが、肝心のマーケンス本人は気付かないほど鈍感だった。


皆もマーケンスと同意して頷き、これなら勝てるかもと思った。




暫くして、大成はグランドに戻ってきた。


「ごめん、お待たせ」

大成の片手には、1冊の魔法書(グリモア)を持っていた。


「よし!早速、始めるか」

マーケンスは大成とは1対1で闘いたいとのことで、今回は審判役に回ることにした。


「皆、準備は良いか?」

全員を見渡したマーケンスは、確認をとる。


「「おう!」」

「「うん!」」

皆は、頷き距離をとった。


「試合開始!」

マーケンスの掛け声と共に、皆は一斉に身体強化をして大成以外は魔法を唱える。


「「アース・ショット」」

「「ファイア・アロー」」

「「アイス・ミサイル」」

「「エア・カッター」」

クラスメイト10人の攻撃魔法が、大成とルネルに襲い掛かる。


「アース・ウォール」

ルネルは、腰を落として片手を地面に当てて土魔法アース・ウォールを唱えると地面が盛り上がっていき大成のところまで土の防御壁ができた。


次々と放たれた魔法が、土の防御壁に衝突して衝撃音とともに空気の振動が肌に伝わってくる。

「大丈夫?大和君。って、えっ!?」

自信満々に大成に呼び掛けながらルネルは振り向いたが、そこに大成の姿はなかった。


今も雨の様に魔法が飛んできているのだが、ルネルは慌てて土の防御壁の端から顔を出して覗いて驚愕する。


「う、うそ!」

土の防御壁から見た光景は、無数に魔法が飛び交う中、大成は回避しながら相手に接近している姿だった。



「くっ…。流石、大和だな。だが、お前が魔法が苦手なことを知れば恐くない。皆、大和に集中砲火だ」

「「わかった」」

「「わかったわ」」

1人の男子の指揮を取り、クラスメイト10人全員が大成に集中砲火した。


「この数の魔法を避けることができるはずがないだろ!ハハハ…」

指揮を執っている男子が哄笑しながら叫ぶ。



集中砲火された大成は、回避できないのは持っている木剣1本で弾きながらスピードを落とさず接近する。


大成が弾いている物は、氷や土などの物理的な物しか木剣で弾いていなかった。

剣に魔力を纏わせれば全部捌くことはできるが、そこまでする必要がなかったことや手の内を無駄に晒したくなかった。


大成が決着を急いだのは、ルネルが怪我をするかもしれないと思ったからだった。



「な、な、何だと!?」

「「う、嘘だろ!」」

「「きゃ~!」」

どんどん接近して迫ってくる大成の姿にクラスメイト10人はパニックになり、狙いが定まらなくなったり上手く魔法が発動できないで不発に陥っていく。


冷静さを保ち続けていたら、魔力値2の魔力ままの大成なら正直に言って厳しかった。

なぜなら、接近していく度に魔法の発動速度と命中率の上昇、魔法の数の暴力が対応できるかどうか怪しかった。


実際、大成は、このままだと自分の間合いに入ることができないと判断していた。


フェイントを入れて間合いに入るか、魔法を使用するかなど。

いろいろ考えていたが、先にクラスメイト達が自滅したので、このまま接近することにした。


そして、大成に接近されたクラスメイト達は大成の餌食になり敗れた。



大成と組んだルネルやジャッジをしていたマーケンスは、大成の実力に驚愕していた。


だが、ジャンヌ、ウルミラ、イシリア、そして、いつの間にか姿を見せている担任のマミューラは、この結果を知っているかの様に落ち着いて見ていた。



「あの弾幕でも、魔力値2の大成を足止めすることは無理なのね」

「そうみたいですね」

「そうね」

ジャンヌに肯定するウルミラとイシリア。


「大成君って、本当に理不尽な強さだわ」

「そうね」

「そうですね」

「ククク…」

イシリア、ジャンヌ、ウルミラは呆れた表情だったが、マミューラただ1人は笑っていた。


そして、代表者に選ばれた皆は順調に練習が進んだが、大成とルネルのペア戦の練習はさっきの一度きりだった。


流石のルネルも大成の理不尽な強さを目の辺りしたので、クラスの皆に練習を頼むことはなかった。


(やはり、こうなったか…)

心の中で、大成は溜め息をした。

結局、大成1人は皆のアドバイスをしていき、練習は相手が居ないのでできなかった。




【ラーバス学園・教室】


クラスマッチ練習2日目、入院していたマルチスが登校してきた。


「おはよう皆、元気だったか?」

手を上げ、皆に挨拶するマルチス。

「「おはよう、マルチス」」

「「おはよう、マルチス君」」

クラスの皆も挨拶して、マルチスの傍に集まった。



「「元気だったか?」は、俺達が聞く方なんだよ。この、この心配させやがって!」

マーケンスがマルチスの肩に腕を置いて、反対の手で頭をグチャグチャに掻く。


「マーケンス。ちょっ、ちょっと…」

マルチスは両手で、マーケンスの手を止めようとするが止まらない。

そんな、やり取りを見てクラスの皆が笑っていた。



マルチスは入学初日にマーケンスに一対一サシで勝負を挑み、見事にマーケンスに敗北して自らマーケンスの舎弟になりたいと懇願して舎弟になり舎弟の中では1番強かった。




やっと、マーケンスが落ち着き、マルチスは大成の前に歩み寄って大成に向かって指をさした。


「お前が、大成・大和だな」

「そうだけど」

「マーケンスに勝ったのは、まぐれだろ!俺と勝負しろ!そして、俺が、か、か、勝ったら…」

途中で言葉を噛むマルチス。


「勝ったら?」

大成は首を傾げた。


「かっ、かっ、勝ったら、ル、ル、ルネルちゃんとのペア戦、俺と代われ!良いな!」

顔を真っ赤にして叫ぶマルチス。


大成は相方のルネルの方を見たら、面倒そうな表情で溜息をこぼしていた。


次に取締役のイシリアの方を見たら、声は発していないが口元の動きでわかった大成。


イシリアの口元は、「勝てばいいのよ、勝てば」と動いていた。


「僕は構わないよ。あと、ルネルさん本人に了解を得れば戦わずに交代しても良いけど」

仕方ないと思い、大成は苦笑いする。


「いや、男は勝ってこそ輝くんだ。ル、ルネルちゃん!俺、勝ちますので、待っていて下さい」

ルネルに向かって、マルチスは告白のようなことを口走っている。


「あ、愛の告白!?」

「「きゃ~っ!」」

マルチスの発言で、クラスが盛り上がった。

ジャンヌ、ウルミラ、イシリアも頬を赤く染めていた。



そんな中、ルネルはゴミを見る様な目でマルチスを見ていた。


(この様子だとマルチスは、ルネルさんとペア組んだら固まって何もできなさそうだな…。可愛そうだけど勝つしかないか…)

大成は、マルチスの性格を予想して溜め息をした。

そして、練習時間に決闘することに決まった。




【グランド】


ホームルームが終わり、決闘を観戦するために皆はグランド出ていた。


大成とマルチス以外は、2人の周りを囲むように立って観戦している。

ルネルは、クラスメイトが何処から拝借してきたのか知らないが用意された立派な椅子に腰かけていた。


ルネルが立派な椅子を持って来た男子達に尋ねると景品なのでと言われてムスっとしたが、せっかくなので座ることにした。


「約束は守れよ!大成・大和!」

マルチスは、大成に指を指して大声で話す。


「わかっているよ。マルチス」

逆に大成はテンションが低かった。


「ハハハ…。俺に恐れをなして、やる気がない様だな。だが、ルネルちゃんの前で、お前をボコボコにして俺の強さを見て貰い。そして、そして結婚するんだ!お前には悪いが、俺の幸せのために、いや俺とルネルちゃんの幸せのために生け贄になって貰うぞ」

マルチスはテンションが最高潮になり、とうとう結婚するんだと言い放ってルネルに向かって唇を突き出して両手で投げキスをする。


「き、き、気持ち悪いわ…」

流石の心優しいルネルも、鳥肌が立ち生理的に無理だった。

クラスの皆もドン引きしており、心の中でルネルに同情した。


だが、言われた本人マルチスは妄想が膨らみ続けていたので聞こえてなかった。



「ゴホン…。では、大和VSマルチスのルネルを賭けた勝負を開始する。両者準備は良いか?」

今日も、マーケンスが審判役を引き受けた。

大成とマルチスの2人は頷いた。


「では、試合開始!」

マーケンスの掛け声と同時にお互い、身体強化し接近した。


今回の相手のマルチスの武器は木の短剣だったので、大成も同じ木の短剣にした。


「死ね!」

マルチスは、叫びながら連撃した。


「殺す気!?」

マルチスの台詞に突っ込みながら大成は防ぐ。

大成はマルチスの評価を改めた。


「くっそ、なぜ、通じない!」

「オラッ」

「これでもか!」

上から振り下ろしたり、横に凪ぎ払たり、斜め下から救うように攻撃したり、次々に連撃するマルチス。


大成は、短剣を使わず体を左右前後に動かして体術だけで回避する。



ウルミラから聞いた情報通りでマルチスの家系は短剣の道場を開いており、マルチスも短剣の使い方が上手かった。


だが、残念なことにマルチスの性格が出ているかの様にフェイントも入れない、組み手をする様な気配もなく、ただ直線的な攻撃だった。



(せめて、フェイントを入れたら更に強くなるのにな)

大成は、マルチスに興味を持った。


そして、今度は大成が短剣でいろいろ攻撃してマルチスの対応を見てワクワクしながら鍛えるプランを考えて闘っていく。


「糞っ」

マルチスが横から凪ぎ払ってきたので、大成は短剣で防いで手本として簡単なフェイントや空いている手や足で攻撃して見せることにした。


そして、大成は左フックを放った。


「ぐっ、くそ…。俺とルネルちゃんの夢が…」

「あっ!」

大成はマルチスなら回避できるかと思ったが、マルチスは回避できずに大成の左フックが顎に当たり脳震盪を起こし倒れた。


「勝者、大和!」

マーケンスの宣言で終わりを告げた。



そのあと、マルチスは何度も大成の舎弟にもなると言い出した。

大成は断る条件として、考えた練習プランを教えることで納得して貰い、マルチスは目を輝かして喜んで立ち去った。



「ふぅ〜、嵐は過ぎ去ったかな」

「大変だったわね、大成。でも…」

大成が溜め息をしたところに、ジャンヌは話し掛けて途中で苦笑いした。


「で、でもの、そのあと何?」

「これから、修羅場になるわよ」

嫌な予感がした大成はジャンヌに聞いてみると、ジャンヌは横に指をさした。


ジャンヌが指をさした方向から足音が聞こえてくる。

しかも、1人や2人ではない…。

恐る恐る大成はそちらに目をやると、クラスの皆はこっちに走ってくる。



「「良いな、俺にも練習プランを作ってくれ!」」

「「私も」」

など、クラスの皆に頼まれる嵌めになった大成。


「さ、流石の僕でも、皆の分は無理だよ」

どうにか断ろうとした大成だったが…。


「「いつでも良いから」」

クラスの皆の声は綺麗に揃った。



それからというと、みるみる痩せていった大成。

原因はクラスの1人1人の個人の練習プランを真剣に考えて作り、わからないところは直に教えていった。


こういうのは、手を抜きたくない性格の大成。


大成は、正直ラゴゥバルサ国を滅ぼした時よりもキツイと思ったのだった。


代表者に選ばれた皆は、順調にスクスクと順調に上達していった。



そして、明日にクラスマッチが始まる。

次回、クラスマッチが始まります。


もし、良ければDESTINY・DUET~剣と魔法 の二重奏~こちらも、宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
href="http://narou.dip.jp/rank/index_rank_in.php">
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。