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仲直り

「普通にごめんて〜!」


そうするとピスティオはさっきとは人格が変わったかのように僕たちに謝罪する。


「僕もさ、ほんの出来心だったんだよ!」


「もう喋らないでください…」


イロイダは怒りを抑えるように拳を固く握り締める。


「あ、うん」


イロイダは思ったよりガチ切れしているらしい。


「ま、まあ、別に僕は問題ないから! 作戦会議の続きをしよう!」


「ふふ、何勝手に完結させようとしているんだい?」


「私が遊んでもらう予定だったのだ!」


「さっそく続きをしよう!!」


そうだった、元はと言えばすべての原因はこいつだった。


「あ〜、ごめん、もうなんていうか萎えちゃったわ」


うわ〜、そんなこと言うなよ。また暴れ出すって絶対。


「う〜ん、まあそういうことなら私も退こうかな」


え!? こんな性格してるのにここで冷静な判断ができちゃうの!? 


「ま、まあ、とりあえずみんな落ち着いていちど話し合おう」


さっきから黙っていたカルコスが口を開けた。


「そうですね」


僕もそれに同調した。


「まずはこれからどうするかだ」


「セリウスも言ったように協力的でないものはこの場から去って欲しい」


「ふふ、それは私に言っているのかな?」


「お前単体に言っているわけではない」


「もっとも、もちろんお前もその中に含まれているがな」


カルコスも調子を取り戻したのか、暴君に対抗する。


「お前、名は?」


「スデリコだよ」


「ふん、変わった名前だな」


「それではスデリコさん、あなたはこれからどうするのですか?」


スデリコに僕がみんなが今一番気になってるであろう疑問をぶつける。


「そうだね、私はこの場から去らせてもらうよ」


「随分と潔いんですね」


「まあね、ここで粘っていても意味がないからね」


そう言ってスデリコは背を向けて去っていった。


「それで、ピスティオはどうするの?」


ていうか、なぜか僕が話を進めてるなぁ。いつもは隅っこで座って聞いてるだけなのに。


「僕はここに残るよ」


「つまりそれは、協力する意思があると言うことでいいのか?」


カルコスがピスティオの顔を覗きながらそう発する。


「そうだね、今の僕はそうしようと思ってるよ」


「今の僕は、か…」


「お前一体何者だ」


ついにカルコスがみんな気になっている事を質問する。


みんなの視線が一気にピスティオに集まる。


「ふふ、知りたいかい?僕の秘密」


ピスティオは得意げに笑う。


みんなが息を呑む。


「それは…」


「わかんなーい!!」


「「は?」」


「いやー、実は自分でもよくわかんないんだよねぇ」


「まあ、よくわかんないけど別に不満はないしいいかなって」


自分の頭をポンと叩いて、ピスティオはてへっという動作をする。


「ま、まあ、協力してくれ」









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