表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/54

幹部到来

 して、そこから時は流れ──気づけば、あたりはすっかり暗くなっていた。


 ちなみに話し合いの結果だが、まずは食料の確保について議論した。


 虫や魔物を食べるしかない、という意見が出たものの、案の定ヒュブリスが駄々をこねはじめ、話が全く進まなかった。


 それを見かねて、セリウスが話題を変えた。


「これからどう過ごしていくか」という内容だ。


「まず、僕たちがここに放り出された理由は、レベルアップと経験を積ませることが目的だろう」


 そうセリウスは言った。


「だから、ただ生き残るだけじゃなく、ちゃんと戦闘もしていったほうがいいと思う」


 ヒュブリスがまた駄々をこねるかと思ったが、意外にも真剣に話を聞いていた。


 そのように話し合いが進み、要約すると──


 食料は、魔物の肉や虫を食べられる人はそれを食べ、無理な人はそのへんに生えている果実や野生動物を探して食べる。


 これからの過ごし方としては、本当は役割を分担したいが、バラバラに行動するのは危険なので、基本的にはみんなで行動しながら少しずつレベルアップを目指す、ということになった。


 そして僕は、もういろいろと疲れてしまい、こっそり抜け出して一人休憩していた。


 いやー、月が綺麗ですね〜。


 まああの星が月かは知らんけど。


 僕は大きな一本の木に寄りかかって空を眺める。


 ん? なんか、圧を感じるな。


 横を向く。


「っ!?」


 振り向いた先には、なぜか幹部のスキロスがいた。


 いや、なんでこんな近距離で真顔のまま、僕の顔をガン見してんの!?


 もう鼻と鼻がぶつかりそうな距離なんですけどっ!?


「え? あ、な、なんでいんの?」


 できるだけ落ち着いて、スキロスに問いかける。


「寂しかったから会いに来た!」


「へー、そうなんだね〜。じゃねーよ!!

 なんで勝手に会いに来てんだよ。こっちは実力隠しムーブしてるの!」


 そう怒鳴ると、思いのほか効いたようで、スキロスは涙目になっていた。

 

 一応ただのノリツッコミなんだけど……。


 いや、だって普通こういう展開だったら普通さ。


「だって会いたかったんだもん!」


 みたいにスキロスが言ってきて


「いや、それだけの理由で来るなよ!」


 って僕がツッコム展開じゃないの?


 テンプレ無視すんなよなあ。


「あのさぁ! まだ百歩譲って、ここに来たのはいいとして。でもさ! テンプレ無視するってどういう神経してんのっ!?」


 僕が怒鳴ると、スキロスは目を丸くして、不安そうにこっちを見つめてきた。

 

 


「てんぷれ?」


「そう、テンプレだ。これはとても大切な言葉なんだ。絶対に覚えておくように!!」


 沈黙が流れる。


 時間が経つと、落ち着いてきたぶん、ちょっと恥ずかしくなってきた。


「こ、こほん…ま、まあ、とりあえず勝手に来ちゃだめだぞっ。はい、帰った帰った」


 僕は手を仰ぎ、あっちへ行けと促す。


「主人、もう怒ってない!」


「げっ、ぼ、僕は怒ってるよ!」


「主人、恥ずかしがってる! 匂いでわかる!」


 スキロスは自身ありげに言いながら、ぐいっと距離を詰めた。


 くっ、さすが獣人……鼻が利くな。


「つまり、甘えても怒られない!」


「わ、わかったよ、ちょっとだけだぞ!」


 そう言うと、スキロスはその言葉を待っていたかのように飛びかかってきた。


 ──だがしかし、スキロスは勘違いしている。


 自分が甘えられると思っているようだが…。


「おりゃ!」


「ちょ、へ? あ、主人!?」


「もふもふ」


 僕はスキロスのもふもふな尻尾めがけて飛びつき、そのまま尻尾をもふもふし始めた。


「ひゃっ……///」


 そう僕は、もふもふしたものが好きなのだ!


 正確には、ぬいぐるみが好きと言ったほうがいいだろう。


 前世ではコ◯トコにいる、でかいクマを五体も家で飼っていたくらいだ。


 だから最近は何も、もふもふできなくて欲が限界に達していた!


「うーん、いい触り心地だ」


「あ、主人、ま、まだそういうのは早いよっ……///」


 スキロスは顔を真っ赤にして、体を捻った。


「もふもふ」


「う、うわーん! あ、主人のわからずやー!」


 僕が無我夢中でスキロスの尻尾をもふもふしていると、とうとうスキロスは逃げ出してしまった。


 やれやれ、逃げ出すなんて臆病な奴だぜ。


 まあいいや、そろそろ戻らないとまずそうだし戻るか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ