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メイド

そうして家に着くと、一人の幹部が僕を出迎えた。


「主人! お帰り!」


「ご飯にする? お風呂にする? それとも、た、わ、し?」


「あ、間違えた! 間違えてたわしって言っちゃったー!!」


この一人で進めて、一人でミスって、一人で焦っている馬鹿は、スキロス。


一応、忠実なメイドで獣人ってやつでモフモフの耳としっぽが生えてる。


「あー、えっと…ご飯にする? お風呂にする? それとも━━━━」


「たわしで」


「ちょっと〜!! 最後まで言わせてよ〜!!」


「そんなことよりスキロス、僕今日、学校に入学したんだ!」


「えー!!」


「な、なんで、デウス様が〜!?」


「それは僕が学校に行きたかったからだよ」


「で、重要なのはそこじゃなくて、なんとその学校が僕を殺すための戦士を育成する学校だったんだよ!!」


そう言った瞬間。スキロスの笑顔がピタリと消えた。


さっきまで、ふりふりしていたしっぽが瞬時に止まり、瞳からは光が消える。


まるでスイッチが切り替わったようだった。


「へ? それほんとに言ってる?」


「……」


「その学校にいる人全員、殺していいかな?」


正直、スキロスがブチ切れるのはわかっていた。


こいつは馬鹿だが忠誠心が強く、僕を人一倍守ってくれる。


まぁとにかく犬みたいなやつだ。


だから、変に隠して後でばれてめんどくさいことになるのは避けたかったんだ。


「ダメだよ!」


「なんで! デウス様を殺そうとしているような奴らを何で生かすんの!!」


「僕がそんな奴らに殺されるわけないだろ?」


「う〜 それでも〜!」


「駄々をこねるな!」


「わかったよ〜、一発殴るので我慢する」


「いや、何も分かってない!」


「え〜なんでダメなの〜!」


もうしょうがないか。


これはあんまり使いたくなかったけど。


僕は声のトーンを少し下げ、しゃべった。


「黙れ! 駄々をこねるな! 殺すぞ?」


「ひっ!」


「ご、ごめんなさい〜〜!!」


そう言って、スキロスは逃げていった。


しっぽを垂らし、背を小さくしながら。


そう、僕は才能のある信者を選んで、育て、強くしてきた。


そうして、強くなった信者たちには僕は友達のように接するようにしている。


だが、今でこそ友達のような感じだが、訓練していた時は違う。


まるで地獄のような特訓をさせ、容赦なく罵倒し、時には暴力も振るう。


僕に認められた信者は、その過程を得て強くなっていく。


そして、信者からすればその時間はまるで地獄だ。


自分の信仰している神に罵倒され、殴られる。


もちろん、罵倒する時と普通に話すときの声のトーンは違う。


だから、全然言うことを聞かない時は、罵倒するときの声のトーンで怒ることでトラウマを思い出させ、言うことを聞かせる。


別に僕だってやりたくてやってるわけじゃないんだよ?


まあ正直、こんな感じで威張るの結構楽しいんたけど…。


いやー、だってさー、こういうのちょっと憧れない?

僕だけ?


このなんて言うかこのかっこよく怒る感じ、できるやつ感が出るしさぁ〜。


まぁとりあえず、これでスキロスは学校に手を出さないということだ。


多分これで一見落着だ。


ちなみにドSではありません!!(とても重要)

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