2部のあらすじ
主人公・唯花は現代日本から異世界にトリップ中。
言葉を話すうさぎティコティスからもらった魔石のついたチョーカーの翻訳機能のおかげで、異世界の人々と無理なく会話ができるものの――。
チョーカーのせいで、唯花はこの世界のイケメン、ロエルと毎日100回キスしなくてはならない身の上となってしまう。
1日100回キスすることを100日間、続ければ唯花の首からチョーカーは はずれてくれるという。
キス以外の方法でチョーカーをはずす方法を知っているっぽいティコティスとは現在、連絡がとりあえない。
唯花は、異世界にきた当日、ロエルに危機をすくってもらい、さらにロエルの仕事の助手にならないかと提案されていた。
チョーカーをくれたティコティスと連絡がつかない唯花は、ロエルの仕事の助手になることに決めた。
立派な屋敷に住んでいるロエルの仕事。それはトレジャーハンターだった。
ロエルはかつて、魔術を研究する王立の学術機関でさまざまなことを学び、現在は主に王や王族の依頼で宝を探すのだという。
唯花は、異世界にきたばかりの自分に、トレジャーハンターの助手は難しいのでは? と不安になる。
なにせ、この世界には、現代日本には実在はしていなかった、ファンタジックな生物も多数いる。
だが、ロエルは心配いらないと答える。
彼がなぜ心配ないと断言できるのか不思議な唯花だが、結局、助手の話を受けることに。
ロエルとともにすごすうちに、彼に惹かれていく唯花。
けれど、ロエルは かつて唯花と同じ世界(唯花が暮らしていた現代日本。ロエルにとっては、異世界)の女性と知りあい、想いあいながらも別れ――今もその女性を忘れられないことを痛感してしまう。
そんな中。ティコティスと連絡がつき、チョーカーをはずすためのキス以外の対処方法が判明した。
唯花とロエルが毎日キスをするようになってから、まだ100日はたっていないが、もうロエルとキスする関係はやめようと決心する唯花。
……といっても、この国は、現代日本では架空のモンスターだと思われている生物たちが普通に実在している世界。魔術のこころえがない唯花にとっては危険な存在がうじゃうじゃ生息している。この世界での1人暮らしは、なかなかハードそうだ。
(でも、だからってこれ以上ロエルといるもの私つらすぎるよ。そもそも、私が異世界トリップしたきっかけは……元カレが私以外の女の子と――。あ、私、トリップ当日の記憶の一部がなくなってたはずなのに、あの日のこと……ちゃんと思いだせそう――)
トリップした日のことを詳細に思いだそうとする唯花。
あの日起きたことをすべて思いだしたい! と、唯花が強く願った、そのとき。彼女の前に、巨大な竜があらわれる。
(竜!? ここにきて竜? たしかモンスターって人を襲う場合でも、ここは重要なシーンだ! って気づいたら『今は邪魔しちゃ悪いな』と空気を読んでジッと待機、そろそろ出ていってもいい頃あいをちゃんと みはからって登場するものじゃないの? 私まだ肝心な部分、思いだせていないのに……! きっと私、今とっても重要なことを――)
別にメタ発言にはなっていないような、なっているといえなくもないような、微妙なことを心の中で叫びつつ、唯花は竜に さらわれていく。