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大賢者の愛弟子 〜防御魔法のススメ〜  作者: ナカノムラアヤスケ
第五の部 学園生活順風満帆なお話
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第七十五話 試験が終わったようです──長々と書いてもアレなのでさっくり終わらせました

やべぇ、気がついたら前回の更新から一ヶ月経ってた……。

本当に申し訳有りません。


 ──あっという間に中間試験終了だ。


 全科目のテストが終了した一週間後の放課後に、校舎内の廊下には成績優秀者の得点が張り出されていた。おかげで張り紙がされている廊下はいつになく人でごった返していた。


 張り出されているのは総合評価の上位陣だけなのだが、自信を持っている者、一抹の希望を抱いている者、完全に野次馬で見に来ている者と様々だ。


 もちろん俺は自信を持っている部類だ。


「うっし、一位確保」


 俺は総合点数一位の欄に自身の名前があるのを確認し、ぐっと拳を握った。座学及び魔法の実技試験は共に満点だった。


 自信はあったが、それでも一抹の不安はあったのだ。


 というのも、他者に比べた俺の最大の優位点アドバンテージは『大賢者ばあさん』から直接ものを教わっていた点に尽きる。


 魔法に限らず、それこそ算術から語学歴史科学経済。とにかく何でも教えられた──というか叩き込まれた。あの婆さんは可愛いなりして本当にスパルタだった。真面目に勉強しないと拳と魔法が飛んできて痛い目に遭ったものだ。


 スパルタだけだと早々に挫折してしまうというのも分かっており、勉強の後には黄泉の森でとれる素材を生かした豪華な料理を作ってくれたり、成果が上がるとやっぱり絶品料理をご馳走してくれた。キツい勉強の後にご褒美が待ってくれるとなれば、そりゃ身が入るものだ。


 話がずれたが、大賢者の作ってくれた知識の下地があるおかげで、学校の授業内容も特に問題なくついて行けている。試験に関してもおおむね問題なく解けた。


 ただ、一点だけ不安があった。


 ──婆さんから教わる知識が、学校で教わる知識それと食い違っている場合が度々発生していたのだ。


 婆さんは大賢者であり世捨て人だが、だからといって自堕落な生活に浸っているわけではない。


 彼女は知識を得ることに関しては非常に貪欲だ。また、知識を得るだけに留まらずそれを実践し自分なりの検証も行っている。俺が得た知識の中にはそう言った『大賢者の考察』も含まれており、その辺りが学校の教科書との差が出る部分だ。


 特に魔法関連の項目。たまに俺の中にある知識と真逆のことが教科書に書かれており、驚いたものだ。


 学校のテストというのは、授業の内容をどれだけ覚えているかを確認するもの。そして授業というのはだいたいの場合は授業で使う教科書に即した内容になる。


 つまり、俺の中にある正しい知識が、テストでは間違いになってしまうのだ。テストであえて間違った答えを書かなければならず、凄くもやっとしたね。


 テストの後、間違った知識が頭にこびり付くのを避けるために、俺はテストが終了した日の夜に大急ぎで黄泉の森に向かい、大賢者の家にある書物で本来の答えを再確認した。皆がテストの開放感を味わっている最中、更に勉強していた俺を誰か褒めてくれ。


 一位以下に目を向けると、二位と三位にはカディナ、アルフィと続いていた。どちらも魔法の実技に関しては満点であったが、座学が足を引っ張りアルフィはカディナの後に続いてしまったのだ。とは言うがほとんど僅差と言って結果だ。もしかしたら期末試験では順位が変わるかも知れない。


 あるいは、魔法の実技試験で点数に上限が無ければアルフィが二位になっていたかも知れない。


 その場合でも俺はまだ一位を譲る気は無いがな。


 魔法の実技試験は魔力制御、投影精度(速度含む)、魔法の威力、そして内包魔力等を評価される。


 試験内容は、実は入学当初に行った魔力評価の授業に項目が幾つか増えたものだった。


 魔力制御と投影速度に関してはこれと言って特筆すべき事は無い。どちらも俺が最も得意とする項目だ。


 内包魔力の項目は、実際には入学当初に水晶の魔法具で魔力測定を行ったときと同じ事をした。具体的には小規模な超化エクステンドを発動していたのだ。


 剛腕手甲アイゼン・ファウスト要塞防壁ギガ・フォートレスを使用するには反射リフレクションで圧縮した魔力が必要になるが、戦闘が目的で無いなら実は反射リフレクションを使わずに魔力制御で集めた魔力を取り込むだけで事足りる。


 ちょっとズルをしている気もしなくも無いが、試験監督を行っていたゼストからは特に咎められなかった。彼なら俺が試験中に超化エクステンドを使っているのには気が付いていたはずだからだ。


 もしこれが違反行為であれば、今まさに張り出されている総合成績の一位は俺では無くカディナであっただろう。


 三位以下の順位をみていると、俺の所属しているノーブルクラスの生徒で埋まっている。バルサの名前も発見できた。ミュリエルの奴は……ノーブルクラスの中では中間付近。


 彼女の実力なら五位以内は確実だっただろうに。


 ……試験期間中も「試験、面倒くさい」とか悪びれも無く口にしてたしな。試験も本気では受けていないのだろう。それでも過不足無い結果を出している辺りがちゃっかりしている。


 ノーブルクラスに所属する条件は『定期試験の総合成績上位陣であること』だ。もしこれから脱落してしまえば、それはすなわちノーブルクラスからの脱落する可能性が出てくる。みんな必死だな。俺は必死じゃ無かったが真面目に取り組んだ。


 そのまま順位を流し見していると、知った名前をノーブルクラス所属圏内に見つけた。しかも、順位で言えばミュリエルの少し下辺りだ。


 ラトス・ガノアルクという名前に、俺は口角を吊り上げたのだった。


『カンナ』を読んでくださったりナカノムラのツイッターを見てくれた方は知っているかと思いますが。


ナカノムラは来年の一月に『小説家になろう公式生放送』に出演します。

憧れのなろうラジオに出られるとあって今から楽しみで仕方がありません。


では以上、ナカノムラでした。

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