第九話 授業開始です──〇〇レターを貰いました
久々の更新です! 不定期とあらかじめ宣言してましたが、ちょっと不定期すぎね?と自分で自分を責めるナカノムラです。
特筆した出来事もないまま、入学式から二日が経過した。
強いて言えば、教室の机の中に『放課後に講堂裏へ一人で来い』という謎の手紙が入っていたが、字面が明らかに男性のモノだったので無視をした。俺は野郎よりも女性からの告白を求めています。
と、言う訳なので──。
「熱烈な呼び出しは非常にありがたいんですが、俺の恋愛対象は女性なんです! 申し訳ないがこの手紙を書いてくれた人の想いに答えることは出来ません! もし万が一、これを書いたのが女性だったら、後で教えてください! まずはお友達から始めたいと思っています!」
──手紙を受けたとった翌日、授業が本格的に始まる日の朝に、クラスメイト達の前で宣言しておいた。手紙は黒板の中心に張り付けて。
なお、この時にアルフィが頭痛を堪えるように額に手を当てているのと、まだ名も知らぬ同級生(男子)が机に突っ伏したまま肩を震わせているのが印象的だった。ただ、俺の言葉を受けて名乗りあげなかった以上、あの手紙の差出人は彼らではないのだろうな。
「……相変わらず、残酷すぎる奴だ」
席に戻ったとき、隣のアルフィの呟きに俺は「失敬な」と言葉を返した。俺ほど親切心にあふれる男はそういないぞ?
朝の一幕が終わると、見計らったかのようにゼストが教室に入ってきた。
「おはよう諸君。今日も今日とて俺は研究明けで非常に眠い。ったく、担任なんて面倒くさいのを任されなかったら、まだ寝られたってのに」
相変わらず、やる気の無さを隠さない教師である。
「さて、今日から本格的な授業が始まる訳なんだが──何だこの手紙は?」
黒板に張り付けたままの手紙を目に、ゼストが怪訝な顔を浮かべた。おっと、回収するのを忘れていた。
「どこかの誰かが俺に書いてくれたラブなレターです! 俺は男色の趣味はないので、先ほど注意代わりに宣言しておきました!」
俺はビシィィッと敬礼をしながらゼストに伝える。
「あぁ……ま、個々人の恋愛観に口を出すつもりはないが、程々にな」
こうして、本日の授業は開始したのである。
俺達が最初に受ける授業は基礎訓練だった。これは魔力の操作や投影の精密さ──とにかく魔法使いとしての根幹に関わる技術を伸ばす授業だ。
既に学園は俺達のある程度の基礎能力は把握しているが、それは入学試験を経た上での表面的な内容に限られており、その精密な能力は把握し切れていない。今日は、それら基礎能力を正確に計測する為の授業でもあった。今日はこれに丸一日を費やす予定だ。
俺達は教室から移動し、学校の敷地内にある『訓練場』の一つに移動した。魔法の実技授業は、殆どの場合が訓練場で行うことになっている。狭く密閉した空間で魔法なぞ使えば、器物損害の上にけが人続出間違いなしだからだ。
「このクラスに入っている以上、ここにいる殆どの奴が知っているとは思うが、様式美って事で説明するぞ」
訓練場の片隅に集合した俺達に、やる気ゼロな態度の癖に仕事は細かく正確なゼストの説明が始まった。
「『魔力』ってぇのは大まかに分類すると二つに分けられる。魔法使いが体内に保有する『内素』と、空気中に漂っている『外素』だ。基本的に、魔法使いが『魔力』って言えば、これは『内素』を指している。魔法使いが魔法を投影する場合、基本的に使用するのがこの内素だからだ。言い換えれば、この内素の保有量がでかければでかいほど、そいつは大規模な魔法の投影が可能ってわけだ」
個々人が保有できる内素の総量は後天的な訓練で多少の増減は見込めるが、先天的な才能によるところが大きい。魔法使いが『才能の世界』と呼ばれる所以の一つだ。
「だが、だからといって外素が魔法使いに関係ないかと言えば、答えは全くの『否』だ」
一度発動し役目を終えた魔法は魔力──外素へと還元され、空気中に霧散する。魔法使いはこの外素を体内に取り込むことによって、内素を補給することが出来る。この外素吸引能力は『魔力回復量』と称されており、こちらも魔法使いにとってのパラメータだ。魔力総量に比べてこちらの魔力回復量は訓練で伸ばしやすいのが特徴だ。
「まず始めに、こいつで魔力の総量を計測して貰う」
ゼストの側にはテーブルと、その上に布のクッションに乗せられた水晶玉が置かれていた。魔力を測定するための魔法具だ。
ロリ婆様の家にもあったな──漬け物石代わりに。
「この水晶の上に手を置けば、その人間が内包する魔力に反応して中に光が発生する。魔力の特性や量によって色や光の強さが変化するので、大まかな魔力の測定が可能ってわけだ。──さて、前置きはこれぐらいにして、早速始めようか。この後も何かとやることがあるからな」
測定の順番は自ら名乗り出るか、それがなければ教師の指名した者から、という段取りになった。
──生徒Aの場合。
青色にピカッ。
「水属性でそれなりの魔力量だな」
──生徒Bの場合。
茶色にビカァァ!。
「地属性で魔力量はかなりあるな」
──巨乳ちゃん(カディナ)の場合。
緑色にビガァァァァァァッッッッ!
「おお、さすがはアルファイア家のお嬢様だ。風属性で魔力量は相当なもんだ。こりゃ将来が楽しみだな」
──アルフィの場合。
訓練場に新しい『太陽』が発生した──という感じの光。しかもカラフル。
「……言葉もないってのはこの事だな。このレベルの魔力を見るのは、俺の人生の中で二人目だ。4属性持ちなんぞ生まれて初めてだぞおい」
──で、俺。
…………………………………………ピヨッ。
「「「「…………………………………………」」」」
これが本当の『言葉もない』という状態である。
クラスの全員が俺の持つ魔力の保有量に唖然としていた。無論、真逆の意味で。
それはそうだろう。俺が元来持つ内素の保有量は、魔法使いとしては最底辺に位置するほどに少ないのだから。
近頃、ナカノムラの中に秘めているゲーム魂が燃えてくれません。ゲーセン行くと財布ブレイクの異名を持つあのゲームを4時間近く続けてプレイできるのですが、家に帰ると完全にやる気ゼロです。沈静化します。こんなのナカノムラらしくない! と思いつつ惰眠をむさぼります。 ……本編まったく関係ないですね!
はい!
『アブソリュート』は一ヶ月近くぶりに更新です。というか一ヶ月+αぐらい経ってますね。
勢いで始めた今作品ですが、実はほんのちょっぴりだけ後悔しています。
と、いうのも、ナカノムラのもうひと作品である『カンナのカンナ』に関しては、序盤の書き出しからおそらく五〜六万文字くらいは実は半年くらいの時間をかけて書き溜めていました。設定や人物背景も、大まかながらに真面目に作ってました(登場人物が真面目とは言っていない)。
ですが『アブソリュート・ストライク』に関しては完全に手探り状態です。『カンナ』を遥かに上回る見切り発車です。せめて四万文字くらいはあらかじめ用意しておけばよかった、と見通しの甘さにorzなナカノムラです。
言い訳はこれぐらいにしておいて、自分なりのルールを作ることにしました。
『カンナのカンナ』は毎週の日曜日の更新なので、『アブソリュート』は二週間に一回の更新を目指します。多分土曜日か日曜日かのどちらかですかね。文字量も二千文字ぐらいでっしょう。
そんなわけで、次回のアブソリュートは六月の十八or十九日を目安に更新を頑張ります。
以降も感想文やブクマ登録は大歓迎です。
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