人間から作った人魚
風呂無しボロアパート。
銭湯が近くにあるのでお風呂はそこへ行っている。なのでいつまでも銭湯は閉鎖せずに続けて欲しい。
夫の親戚がここのアパートの持ち主のため、ここで暮らす。家賃は激安の2万5千円のため、夫とにしきと人魚のおはぎと半魚人。4人!?で仲良く暮らしている。結婚前と変わらずにしきは、午前中にスーパーの品出しの仕事へ行っている。
昨日は、夫と夕方、夫の友人の家におよばれにいった。その友人の家にはとんでもないものが置かれていた。
人間から作った人魚だった。
夫もその友人も人魚マニアで、夫は、半魚人であるおはぎの男版みたいなのと、運命共同体になり、その欲求はそっちの方になったが、その友人には、おはぎのような人魚も、半魚人のような魚?!もいなかったためか、収集癖がものすごく、夫と違い、かなりの金持ちで、金にいとめをつけずに、人魚を集めまくった。かなりの沢山の人魚を飼っていて、どれも人魚の尾びれが美しかった。
最近、その夫の友人が、お付き合いしていた彼女と別れ、その寂しさからか人間から作った人魚を飼うようになったということで、夫とにしきに見せたかったようなのだ。
夫が言うには、夫の友人が付き合っていた彼女とその人間から作った人魚がそっくりだと言うことだ。
にしきから見たその人魚は、妙に生々しくて、だが生気がなくて、目は虚ろで、そんな感じだった。今にも死にそうで苦しそうだった。
「もうすぐ、長生きするように作り替えられるんだ」
夫の友人はそう言っていた。
日比谷にしき。
金魚が人魚になっている、この世界で暮らしている。夫とおはぎと半魚人、皆で楽しく暮らしている。
だが、人間が秘密裏におそらく同意なしに人魚にされている、そんな世界だ。
少しずつ少しずつ、そんなことになっている。人間達がお金目的で行っているのか…。にしき1人ではどうすることも出来ず、なので考えないことにし、心の奥底で少し怯えながら、生活している…。
そして今も、どこかで、どういった方法かわからないが、人間が人魚にされているのか…。
(完)




