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少し遡る

文章って難しいね。

「ハァ ハァ はぁ 」


周りは相変わらず草木が囲む。

呼吸をするのが苦しい。

この森に来て40分程経っただろうか、シンジは限界に達していた。


やばい、やばい、もう足が動かない。


頭の中でもう無理だ、諦めろと言う声が繰り返し流れ始めていた。


僕はこんなところで終わるのだろうか?

僕が何をしたって言うんだよ!



そう考えるたびに、繰り返し頭をよぎるのはこの森に転移する前の記憶。

お前が悪いと攻めたてるように頭の中をチラつく。



時をさかのぼる事、数時間前。

シンジはとある部屋に呼び出されていた。

そこはこの世界に初めて来た部屋。

一部の転移者と、兵士と魔道士、それに加え騎士団長がいた。


そして僕を連れて来たメイドはその部屋に入るように促し僕はそれに従った。


そして扉が閉められると団長が口を開いた。


「シンジ、君は我が王国の為に消えてもらう事にした。」


一瞬訳が分からなかったが周りをよく見れば納得した。


奴らがいたから。


奴らはニヤニヤしながらこっちを見ている。

僕が消えて喜ぶ奴らばかりだ。

奴らは嫉妬に狂っているのだから。

その原因が排除できるなんてさいこうだろうな。


奴らの今現在の待遇は国賓級。

発言権も僕よりかなり強い。

何故ならつよいから。強さがこの世界では高く評価される。


そして僕は弱い。弱いからと言って本を読むだけで戦闘の訓練をする努力すらしなかった。


それが今の明暗を分けたのだろう。

努力しない奴を排除して今いる奴らをうまく駒として使えば得なのだから。


団長は暗い表情で言う。

「君にはモンスターの生息地に転移してもらう。人などいない場所を選択したから生き残ることは不可能だろう。恨んでくれても構わない。勝手に呼び出したのは我々であるし、勝手な都合で殺そうとしてるのだから。」


こんな事許せるはずがない。


だから声を出そうとした。でも出せなかった。

僕は奴らに恐怖を感じていたから。

転移する前からの付き合いになる。

毎回された事はどうやら身体に染み付いてしまったようだ。


出そうと、抵抗する為に何かしようと必死に足掻いていると奴が声を出した。

「シ〜ンジくん、後のことは僕達に任せてね!」


悪いと欠片も思っていないようだ。

この異常性が怖い。


そして団長が手で合図を送ると兵士が袋と短剣を渡して来た。そして無言で魔法陣の前に行くように促す。いつまでたっても動かないでいると兵士が強引に魔法陣の中に押し込んだ。

魔法陣が起動して僕が消える直前、団長がすまないと呟いたように見えた。


そして転移して初めて出会ったのがカエルの様な見た目のモンスター。大きさは1メートルほどである。見た目は倒せそうだが見た瞬間に僕は逃げた。奴を本で知っていたから。

奴は見た目に反してかなり強い。以前魔の森の外に出て来た奴は訓練された兵士が20人で倒した様だ。その内の死者が半数。今の僕は瞬殺されてしまうだろう。だから逃げた。


咄嗟の判断が良かったのだろう。

幸い奴は他の餌に釣られて追っては来なかった。


喜ばしい事だが、同時に最悪の事実にも気づいてしまった。奴は魔の森にしか生息しない。所持品は短剣一本。


短剣は苦しまない様に渡されたのだろうか。


でもこんなところで死ぬ何て嫌だ。生き残る為にはどうすれば良い?


思考を巡らせていると、背後から咆哮が。


「ヴぉぉっォォォォーーーーんぎぃやぁぁあ」


聞いた瞬間また走り出していた。


そして冒頭にもどる。


とうに限界を迎えている足は小石につまづきそうになるし、思考能力も鈍っていった。そして事は起こる。何かがぶつかって来た。普段なら避けられる速さで来た何かを今は避けられなかった。ぶつかって来た何かのせいで森の斜面を転げ落ちて行く。


その先には穴があった。

その穴を一瞬確認出来たと同時に僕は意識を失った。


見切り発進すぎたかなぁ

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