スキル2・ワカレ
だいぶ遅くなりました。ごめんなさい。
あと、少々都合により前回の小説の一部を書き直しております。
「俺からも一つアドバイスだ。武器スキルか魔法スキルは最低でも一つは取っとけ」
ガンツがアドバイスをくれる。
「なんとなく理由はわかるが一応聞かせてくれ」
「冒険者になるのに戦闘に使えるスキルが一つも無いと馬鹿にされるぞ。場合によっては面倒ごとに発展することも有る」
「と言うことはやはり、相手のステータスを確認する方法があるんだな」
「あぁ、あるがそれがどうしたってんだ」
「イケナイコトには使えないわよそれ」
「そんなことに使うわけ無いだろう。たいした事じゃないが、ちょっと思ったところがあっただけだ」
突然、話に割って入ってきたドロシーを軽くあしらう。
「どうだか。シウ覚えておきなさい。男と言うのはエッチな事の為には命を張る生き物なのよ」
「大丈夫です。覚悟は出来てます。レイさん何時でもどうぞ」
ドロシーの偏見だらけの意見を聞いたシウは無駄に気合を入れ受け入れ態勢を取っている。
「ドロシー。話に割り込んできて男性批判はやめろ。後、シウ。どうぞって言われてもどうもしないからな」
「そんな。私の何が悪いのでしょうか」
「性質が悪い。いや、なんでもない。忘れてくれ」
「た、性質が悪いですか。そんな」
思わず本音が出てしまった。これにはシウもいじけたみたいで、その場に体育座りしてしまった。
声を掛けようにも、どう声をかけたら良い物かわからない。
仕方がないので、シウは放置し、自然回復をするのを待つことにした。
ついでに、このままでは気まずいので話題をそらす事でごまかすことにする。
「でだ、何でステータスを確認する方法を気にしたかと言うと僕の職業と性別に関係する」
「流石に今の発言は酷くない」
「気のせいだ」
「ま、まぁ、確かにプレイヤーキルの標的に成るだろうな。なんせプレイヤーキル成功すると相手の所持金の半分が入ってくるからな」
話を掘り返そうとするドロシーを見て、ガンツが気を利かせて話をそらしてくれた。
ガンツには感謝しないといけないな。
さて、プレイヤーキルの話題も気になるが、僕が考えている問題点はそこには無い。
「それ以前の問題なんだ。何処の世界に護衛も付けないで王族が単身で乗り込んで来るんだ。しかも皆に混じってモンスター狩ったり頼みごと聞いたりするんだから、どれだけフレンドリーな王族なんだって話になる」
「あー。そうなるな」
「あと、女装趣味持ちだし」
「女装は好きでやってるわけじゃない。まぁ要するに、色々と気をつけないと面倒になりそうでね」
僕の語る不安要素に納得してくれるガンツとからかうドロシー。
「で、具体的に如何するつもりだ。対策とか考えているんだろう」
「まぁね。簡単なところで設定作りだ。ちょうど使えそうな設定が有るからそれを使えばいいかと思ってる」
「なら問題はないのか」
「あぁ、だからたいした事じゃないんだ。まぁ問題が有るとすればシウはそう言うことが出来るのかって事だ」
シウへと視線を向けると、ガンツもそちらの方を向く。
いじけていたシウだが、急に自分の話題になっていることには気づいたようで、こちらの様子を伺ってきた。
しかし、内容は解らなかったらしく首をかしげた。
「何ですか」
「いや何でもないよ」
「たぶん駄目だな。素直すぎるし、何より咄嗟にうまい切り替えしが出来るタイプじゃないな」
「やっぱりそうか。まぁそれならフォローすればいいだけだしな」
「私の話ですよね」
「あぁシウの話だ。だけどシウは知らなくても大丈夫だ」
「うぅ。気になります」
「あのさ、いちゃいちゃしてないでそろそろスキルを選んでほしいんだけど」
「うぅ。なんだか寂しいです」
僕とガンツが話し合っているところにこドロシーが乱入してくる。
シウはさっきより小さくなったように見えた。
シウには悪いが、教えないほうが都合がよさそうなので教えることは出来ない。
罪悪感は残るが結構重要なことなのでこればかりは仕方ないので、我慢してもらおう。
それより今はスキル選択だ。
「あぁわかった。今選ぶ」
ドロシーに返答しスキルを選んでいく。
自分の戦闘スタイルが確立しており、それに合わせてスキル選んで行くと全ての枠が埋まった。
むしろ、少し足りないくらいだった。
「選んだぞ」
「良かったら見せてくれないか」
「ああ。いいぞ」
ガンツが頼むのでウィンドウを見せる。
[刀術][魔力操作][鑑定][鍛冶][裁縫][細工][木工][農業][錬金][魔工][裁縫][調合][大工][加工][調理]
大半が生産系スキルに成っている。
「おいおい。これどう言うつもりだよ」
ガンツは呆れているようだ。
ドロシーは隣で声を殺し笑って小声で『勇者だ。勇者がいる』と言っていた。
残念ながら聞こえているぞ。
「僕のスタイルに合わせてスキルを取っただけだ」
「スタイルだと。生産で生計でも立てるつもりか」
「どちらかと言うと自給自足に近いかな」
「自給自足って言ったって、そんなに多いと中途半端になるぞ」
「大丈夫だ。無茶な事はでは無いはずだ」
ガンツの言う事はもっともだが、出来る見込みは有るつもりだ。
もし、駄目だったらそのときはそのときだ。
「まぁお前が出来るって言うんならいいけどな。後、聞かせて欲しいんだが何故、魔力操作なんてマイナーな物を選んだ」
それは、魔力操作の説明欄に『魔法を使うために必須。魔法の基礎』と書かれていたから。
まぁ、これだけでは説明にならないな。
「スキルが無くても魔法が使えることが解ったんだ。なら、火魔法や光魔法と言った属性魔法を別々に取って鍛えるより、その基礎である魔力操作を鍛えた方が効率もいいし。枠も節約できるからね」
「そう言われると確かに悪くは無い気がするな」
どうやらガンツは賛同してくれたようだ。
魔力操作がマイナーって言うことには少し不安を覚えるが、考えても無駄なので問題に直面するまで放置しておく事にした。
それより、問題なのは・・・。
「どうせ、私は蚊帳の外ですよ」
いじけているシウはどこか寂しそうだ。
まさか、こんなことになるとは思わなかった。
「なぁ。そろそろ、元気出せよ」
「面倒な女と言う自覚はあります。それでも、それでも好きな人にはかまって欲しいのですよ」
シウを励ましたつもりだったのだがどうやらそれがいけなかったらしい。
シウは立ち上がり口をへの字にして抗議してきた。
あと、大声で好きとかよく言えるな・・・。
こっちが恥ずかしくなりそうだ。
「自覚が有るならどうにかしてくれよ」
「無理です。恋する乙女はとめられません。大好きな男性の使用済み衣服をこっそり持って帰り使ったり、大好きな男性の体毛などをこっそり収集したり、大好きな男性の私物を使ったりするものなのですよ」
「怖いよ。なんで例えが全部変態じみてるんだよ」
「それが、恋する乙女です」
「違うわ。誰だそんなこと教えた奴は」
「師匠・・・」
シウは困ったようにドロシーを見る。
ドロシーはそっぽを向き、口笛を吹いている。
こいつか、シウに間違った内容を教えた奴は。てか、ごまかし方古典的すぎるだろう。
「だって、だって。反応が小動物みたいで可愛くてつい」
「師匠・・・」
シウは悲しそうな顔をした。
「だ、大丈夫よ、大丈夫。ほ、ほら、あなたには、レイっていう大好な男性が居るでしょう」
「はい」
ドロシーの必死のごまかしに全力で返事をするシウ。
また、この子は。
「これからは、レイにキスの仕方からアレの仕方まで全部教われば済む話よ」
「確かに・・・」
「なんでそうなるんだよ。シウもシウで納得するな」
「えっ。レイさんは私を可愛がってくれないのですか。それとも私がレイさんを可愛がった方がいいですか」
「どっちもハードルが高い。あと、言い方が変態っぽい」
「そんな」
少々落ち込むシウ。こいつはどれだけ僕を悩ませればいいんだよ。
「それはそうと一つ気になるのですが」
「何」
「アレとは一体何なのでしょうか」
シウの爆弾発言に頭の中が一瞬で真っ白となった。
ドロシーはこっちを見てニヤニヤと笑みを浮かべている。
・・・・・・・・・・・・・・どうする。
って機能停止しかけてる場合ではないな。
「シウには早い。もっと、大きくなったら教えてやる」
「はい」
よくある無難な手で乗り切ることにした。
そろそろ頭が痛くなりそうだ。
「ちっ、無難な手で逃げおって」
ドロシーが軽く睨んでくる。
本当にこいつは。
「まぁいいわ。恋の師匠として最後に一ついいことを教えてあげる」
「な、なんですか」
「既成事実を作れば一発よ」
「何言ってるんだよ馬鹿」
悪い顔したドロシーがシウに語ったため、思わず僕は叫んだ。
後、恋の師匠ってなんだ。
シウはそんな僕はそっちのけで何か考えている。
「キセイジジツ・・・。サナダムシですか」
「「なんでそうなるの」」
どこかネジが抜けているシウの発言に僕とドロシーの声がそろう。
シウよ。それは既成事実ではなく寄生生物だと思うよ。
「あら、そろそろ時間ね。既成事実の意味は後で、レイにでも教えてもらいなさい」
おいコラ。なんてことを言うんだ。
本当にシウが尋ねてきたらどうするんだ。
「もう、そんな時間か。刀は直したからなレイ受け取れ」
ガンツは刀を投げ渡してきた。
やけに静かだと思ったら刀の修正をしていたのか。
「ガンツも、話に加わればよかったのに」
「いや。刀を直さないといけなかったからな」
「そんなの一瞬ですむじゃない。どうせ、自分に火の粉が飛んでくると思って静観してたんでしょ」
「あー。いや・・・。すまん」
これワザとガンツの思惑をドロシーがバラしているな。
意地が悪いことをする。
「まぁ・・・なんだ。二人とも楽しんで来い」
「ああ」
「はい」
「シウは、レイを悩殺しまくりなさい」
「はい」
「何言ってんだお前」
ガンツの苦し紛れの言葉に、ドロシーのふざけた言葉それぞれに僕たちは答える。
本当にドロシーは最後まで、ふざけてからに。
「それじゃあ。送るわよ」
ドロシーはそう言うと手を叩く。
すると、僕たちの体が光に包まれた。
その光がまぶしくて、思わず目を細める。
ふと、右手に温かな感触を感じた。
どうやら、怯えたシウが僕の右腕を抱きしめるようにしがみついているようだ。
ここで、振り払うのも可哀相な気がして出来ない。
まったく、仕方が無いな。仕方が無いから我慢しよう。
「レイよ。俺達の娘を頼む」
「ああ。任された」
ガンツの発言に返事をすると、それを見計らったように僕の意識は途絶えた。
内容が少々過激でしたでしょうか。
まぁとにかく、これでようやく旅立つことが出来ました。
それにしてもここまで長かった。




